現代文で夏までに仕上げておきたい5つのポイント

どうもこんにちは。

1学期も早いものでひと月とあと少し、となりました。希望に溢れる4月を超え、ちょうど慣れてきたと思えばGW。なんか暑いな、と思っていたら6月。6月といえば私の誕生日(無関係)。だからとても大事(とは)。

それはさておき、私のみならず様々な先生方がおっしゃっていますが、6月は1学期のまとめという位置付けであるとともに、夏以降の勉強においてもとても大事な時期であります。
それもそのはず「基本事項に関する遅れはここでなんとか取り戻せ」の時期であるのです。

 

夏までに仕上げておきたい現代文学習5つのポイント

今回は現代文の学習において6月、いや夏までに仕上げておいてほしい事項についてお話をさせていただきます。

 

夏までに仕上げておきたい現代文学習①――語彙・言語事項の確認

これまでの記事でも何度も何度も…お伝えしてきましたが、文章を読むことは言葉と文法を手がかりに相手の主張を理解しようとする行為です。そして、現代文は文章で使用される語句のレベルが高い分、語彙の獲得が重要になります。

まずは、学校、塾予備校にて使用しているテキストの中で使われている語について、「すぐに意味が出てこない語」について辞書を引いて意味を調べましょう。

 

私も実際の授業の中で「秩序」「普遍」「抽象」…などの頻出の重要語の意味を確認します。人数が少ない授業では受講生を指して聞いてみますが、やはり意味を言えない方が多いです。まずは、これまで授業などで扱った文章を読み返しながら言葉の意味を理解しているか確認しましょう。

その作業を終えた上で、さらに語彙を増やしたい場合は、現代文単語の参考書を使用して語彙力増強を図りましょう。いきなり単語集に取り掛かるよりも、まずはこれまで取り組んだものの定着が優先です。

 

そして単語集は単語の意味をイメージしやすいものを選びましょう。個人的なおすすめは『イラストとネットワーキングで覚える現代文単語 げんたん』です。

イラストとネットワーキングで覚える現代文単語 げんたん/伊原勇一/土井諭/柴田隆行【合計3000円以上で送料無料】

※この本の詳細は以下のページでレビューしています。

 

夏までに仕上げておきたい学習②――漢字の確認

また、漢字が弱い、ことわざ慣用句等が弱いという方もこの時期に習得を進めましょう。

漢字は「フヘン=普遍」という風にその読みと漢字の「カタチ」を一対一の対応で覚えている限りはおそらく大した効果は上がりません。それぞれの漢字の意味やそのつながりなどを意識して覚えましょう。
※「普遍」であれば「普=あまねく」「遍=あまねく」という同じ訓読みの熟語であり、結果として「広く行き渡る」という意味を持つのです

 

漢字の練習帳は自分のフィーリングと合うものを選んでくれればOKです。

 

夏までに仕上げておきたい学習③――言語事項の確認

ことわざや慣用句はいわゆる「比喩」の一つとして考えることができます。

評論の換言問題はしばしば「比喩」の部分に傍線が引かれています。

その際、「何の目的もなく漠然と前後を見る」作業をやめて(これはまた別に記事を書きます。お楽しみに)、傍線部の分析作業を進めるのですが、そもそものことわざや慣用句の意味が分からなければ元も子もありません。

実際に、

『もちはもち屋であるばかりでなく、もち屋はもちだけ』

を換言する問題(2003年 一橋大学 大問1[問4])などの出題例もあります。
これも「もちはもち屋」ということわざを理解していると解答を考える手順が非常に楽になります。

この言語知識が苦手な場合、大学入試対策の参考書ももちろん有効ですが、中学入試用の参考書コーナーに行ってみるといいと思います。質量ともに非常に充実していますので、漢字と同じくその中からフィーリングの合うものを選んで勉強しましょう。

 

※比喩の記述についてはこちらを参照

 

夏までに仕上げておきたい学習④――読解法の確認

学校、塾予備校で授業を担当している先生の読解法を自分で再現できるようにもう一度復習をしましょう。
そして、その際に意識すべきことは「一般化」です。

担当される先生の中にはある程度一般化した読解法を元に各文章の解説をされている方もいれば、それぞれの文章に即して文章を解説されている方もいらっしゃいます。
どちらの場合も各授業の復習の際に「その文章で学んだことを他の文章で活かすにはどのようにすべきか」を考えてみることが大切です。

…とは言え、これは難しい。
特に苦手な人にとっては大変でしょう。

よって、以下にその「一般化」がなされている参考書を挙げますのでこちらを使って勉強してみてください。

 

①『池上の短文からはじめる現代文読解(通称:タイガー現代文)』

論構造を意識した読解法の習得が可能。
短い文章からスタートできる上、文章に対する解説も詳しいので自学自習もしやすい。

②『現代文読解 基礎ドリル』


おすすめ①の『池上の短文からはじめる現代文読解(通称:タイガー現代文)』の後に取り組むと良い問題集。
こちらも文章を読む際に意識すべきことの習得に有効。

③『記述の手順がわかって書ける!現代文記述問題の解き方「二つの図式」と「四つの定理」』


こちらは「解き方」の一般化に有効。
記述問題をテーマにしているが、傍線部分析などの作業は客観問題でも有効。

※「タイガー現代文」の詳細は以下のページでレビューしています。

 

夏までに仕上げておきたい学習⑤――背景知識の獲得

たとえば、

今日の試合は藤浪晋太郎が好投し、先輩の中田翔を完璧に抑え、また同期の北條史也が決勝の2点タイムリーを打った。

という文章があったとしましょう。

プロ野球観戦が好きな方であれば以下のような情報を「自明のものとして」理解しているはずです。

<人物のプロフィール>
・藤浪晋太郎 = 阪神タイガースの投手。大阪桐蔭高校出身。
・中田翔 = 北海道日本ハムファイターズの内野手。大阪桐蔭高校出身
・北條史也 = 阪神タイガースの内野手。藤浪投手とドラフトで同期。
<試合状況>
・阪神タイガースと北海道日本ハムファイターズは交流戦で対戦する
<その他>
・藤浪選手は2019年6月9日現在二軍調整中なのでこの話はフィクションである。

そう、一つの文章を読む行為はその背後にある様々な知識の存在が大いなる助けとなるのです。このような知識を現代文の授業では「背景知識」という言葉で説明される先生方が多いようです。

もちろん、前提知識なく文章を読み設問を解くことで合格点は取ることが出来るでしょうが、やはり文章を「読む」作業が雑になったり精度が低くなると設問を解く作業にも悪影響を与えます。そうならないように幅広く知識を獲得しましょう。

そのために有効な手段を以下に列挙します。

①倫理の教科書
近代思想、哲学…などの背景知識の宝庫と言える。通読しながら知識の習得を。②『小論文を学ぶ 知の構築のために』

小論文の内容を構想する上で役立つ一冊。近代思想とポストモダンの知識が非常によくまとまっている。

 

まとめ

とにかく今は「知識の獲得」と「読む経験の蓄積」が何よりも大事!

夏の前が実は勝負どころです。頑張りましょう!

それでは!

広告

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事