
早いもので季節は冬。
ここからは一段と慌ただしくなってくることでしょう。是非とも体調にだけは気をつけて過ごしてください。
さて,この時期にどのような学習をしていくのがオススメか。大きく3つのパターンに分けて書いていきたいと思います。
過去問演習は抜かりなく
3つのパターンに分けて考える前に,まずは全てに共通することから。
それは,以前11月の学習指針の中でも書いたように,過去問と向き合いましょうというお話です。
もちろん,予備校等で冬期講習を受講される方はその予復習にも全力を注いでくださいね。最大限にその講義内容を吸収してください。
さて,過去問演習をする際に意識しておきたいことは,
”過去問で「学力を伸ばす」意識を持ちすぎない”
ということです。
過去問演習を通して,実際の入試で求められている思考プロセスの確認や時間配分,解答形式の確認など,さまざまな練習は積めますが,同時に「自分に足りないものを補う」作業は欠かさずにいたいところです。
過去問を見ずに本番を迎えた経験から学べること
話題は逸れて私の昔語り。
受験生時代の羽場少年,本命の大学を受験する前に,とある私大を一つ受験しておりました。
本命の前に一つ合格しておきたいし,本番慣れも必要だよねと。
(実際には本命の入試が始まってから発表でした。笑)
だからまぁ正直言ってそんなに対策もせず,というか過去問すら解かずに当日会場へ向かったのであります。「力試しだ!」と思いながら。
事件は日本史の時間に起こります。
爆睡していた羽場少年。
問題用紙を配布する試験監督補佐に起こされます。
そして解答用紙を見た瞬間,私の目に飛び込んできたのは割と長めの罫線解答欄。全てを察した羽場少年,当然のごとく最初にその設問を確認したわけです。
「まあね,本格的な論述解答はそんなに練習していないけど,これまでに学んできたことを書けば良いよね」
と自らを落ち着かせながら開いたページ。
そこに書かれていた問題は,
「○○について述べなさい。」
のような文言のみ。どんな切り口で書けば良いか,どうまとめれば良いのかイメージがわかない…。笑
焦りましたが,焦っても仕方ないと思った私は一度その問題を見なかったことにして(笑),最初の大問から解き始め,なんとか冷静さを取り戻した状態でその問題にも解答していったのであります。
学んだこと①――過去問を見ないままでは不要な動揺を招きかねない
この経験から言えることは2つ。
②傾向にとらわれ過ぎずに対応できる力をつけたい。
ということなんですね。
過去問演習を通して,「こんな力が求められていそうだなぁ」と把握しておくことで,本番で余計な動揺を経験することはなくなるでしょうし,入試に立ち向かう上での効率面を考えた時に「的外れ」と言わざるを得ないような勉強をし続けるということは避けやすくなるかもしれません。
学んだこと②――「出題傾向」にとらわれすぎない力をつける
一方で,傾向分析は完璧だとしても,そこから少しでも外れた瞬間あるいは新傾向の問題が出た途端に解けなくなってしまう,そんな状態では少し不安。したがって,過去問演習をしっかりこなすことで受験する大学が求めているであろう力を意識しつつ,それだけに凝り固まらないように勉強し続けるという意識をもっていきましょう。
要は,ちょっと聞かれ方が変わったからとパニックになったりせず、聞かれていることをきちんと把握して解答していけるような力をつけていきたいものです。
現代文受験パターン別12月の学習指針
それでは,ここからは3パターンに分けて12月の学習指針をお伝えしていきたいと思います。
ここで言う3つのパターンとは,
②現代文をセンター試験と国公立/私大で使用
③現代文を私大でのみ使用
です。
12月の学習指針①――センター試験のみ
徹底的に過去問をやり込みましょう。
「基本的な読解イメージがつかめていない」
「小説読解がどうしてもできない」
という方は,
もしくは,
のいずれかに取り組んでみると良いでしょう。
その上で,徹底的に時間配分を意識した練習を積んでください。
12月の学習指針②――センター試験+国公立/私立大
イメージとしては,遅くとも12月いっぱいで私大・国公立ともにある程度(完成などとは言いません)過去問演習に目処を立て,早ければ12月中旬,遅くとも1月からは目の前のセンター試験に集中できるような状態を作っておくのが理想でしょう。
そしてセンター試験が終わってから再び受験する大学・学部の本試験に向けて過去問演習を中心とした学習にもどしていくイメージです。
その際、センター試験が終わってからの一週間は,少しずつ感覚を取り戻していくためにも今の時期に解いている問題をもう一度解きなおすところから再スタートしていくことをおすすめします。
12月の学習指針③――私立大のみ受験
受験校の過去問演習をベースに学習を進めていき,自分の手元にあるものをやりきった場合はさらに古い年度,同大学他学部の問題へと広げていけるような状態を目指し,実際に広げていきましょう。
過去問演習については11月の学習指針(受験生)でも取り上げましたが,第1志望大とその他受験校の過去問をバランスよく織り交ぜていくこと、そして翌日にもう一度同じ問題を解き直すことがポイントでしょう。
たとえば,
第1志望→(解き直し・復習)→第1志望→(解き直し・復習)→その他→(解き直し・復習)…
のように。
バランスも大切です。
最後に――過去問で「学力を伸ばす」意識を持ちすぎない
しつこいようですが最後にもう一度。
過去問演習をする際は過去問で「学力を伸ばす」意識を持ちすぎないということを意識し,演習すると同時に「自分に足りないものを補う」作業を怠らないこと。
過去問演習は大切ですが,過去問演習だけで合格水準に到達するわけではありません。やはり最後まで,やるべきことを丁寧に積み重ねていくことが重要です。
