11月の学習指針(受験生)

受験生としての11月というこの時期の現代文学習の柱は,

①過去問演習
②読解技法の確認
③知識事項の確認

の3つに集約されるでしょう。それぞれもう少し詳しく見てみたいと思います。

取り組みたい学習①「過去問演習」

学習の中心を過去問演習へと切り替えていきたいところ。
その際,第1志望大とその他受験校の過去問をバランスよく織り交ぜていくこと、そして翌日にもう一度同じ問題を解き直すことがポイントでしょう。
たとえば,

第1志望→(解き直し・復習)→第1志望→(解き直し・復習)→その他→(解き直し・復習)…

のように。

「第1志望だけじゃダメなの?」 と思うかもしれませんが,バランスよく織り交ぜていくことで大学の傾向や癖というものに過剰に囚われず,より広い視野が保てること,直前に慌てる必要がなくなることなどから,特に複数校の受験校を考えている人はバランス良く取り組んでいきたいものです。
長くなりすぎる予感しかしないので,過去問演習については改めて別記事でも詳しく紹介してみようと思います。続報を待てということで…。

取り組みたい学習②「読解法の確認」

この時期までにある程度「読み方」「解き方」の型は押さえておきたいものの,いざ過去問演習をしてみると「案外読めていない」「アプローチの仕方がわからない」という壁にぶつかることもあるでしょう。
あるいは、特定のテーマにまつわる文章はどうしても苦手意識があるという場合も考えられます。受験生時代の私もそうでした。そんな壁を一体どう打破すれば良いのか…。これを打破できるか否かは当日運頼みになることを避ける上で非常に重要です。

A.読解の仕方が不安定な人にオススメの参考書

『船口のゼロから読み解く最強の現代文』(学研プラス)ベストセラー参考書,『きめる!センター現代文』でもおなじみの船口明先生が現代文,特に評論文読解の技法について初歩から丁寧に解説しています。
文章の構造に注目しながら初見の文章を読み解いていくために必要な考え方を,穏やかな語り口と豊富な例を通して解説。

「評論文読解の基礎をもう一度最初から理解しておきたい」
「評論文の得点を安定させたい」
という願いを持つ受験生や
「『対比』ってよく聞くけど何なの?」
「どんなところに注目すれば良いのかわからない」
という悩みを持つ受験生は
今すぐ取り組んでおきたい参考書です。

『池上の短文からはじめる現代文読解』(学研プラス)

こちらも,センター試験対策の定番教材
『センター試験 国語[現代文]の点数が面白いほどとれる本』
(通称黄色本)の著者としても知られる,
学研プライムゼミ特任講師の池上和裕先生の参考書。
9章に分かれた各章で読解のルールについて
丁寧な解説がなされているだけでなく,
それぞれの章で扱われる問題は

「HOP」「STEP」「JUMP」

の3段階に分かれているため,
無理なく確実に,
読解の着眼点を養っていくことができるものです。
[詳しいレビューはこちら]

現代文読解に対する苦手意識が強い場合は①→②の順に取り組むと良いと思いますし,ある程度は大丈夫だとは思うものの…という人は②から始めても良いかもしれません。

いずれにせよ,
きちんとした「考え方」「読み方」
このタイミングでもう一度
確認しておきたいところです。

B.特定のテーマに苦手意識がある人にオススメの問題集
読解技法については安定しているものの,
ある特定のテーマに関する文章になると途端に読めなくなってしまう…という人は,自分の苦手なテーマに慣れていくということも必要なことでしょう。
そんなあなたにおすすめしたいのは以下の2つの参考書です。

大学入試問題集 柳生好之の現代文ポラリス[1 基礎レベル] [ 柳生 好之 ]多くの受験生が悩みがちな「本文読解時にどのようなチェックをするか」という点についてもカバーしつつ,テーマごとに問題演習を積んでいける問題集。

設問に解答するためにはどのように本文を読解していくのかを,実際のチェック例を参考にしながら練習することで、「構造的に読解する」という視点を養っていくことが可能です。

(テーマからは逸れる気もしますが…)
文法・構造的な解釈って英語だと多くの人が意識する(多分)のに,現代文だとおろそかにされがちなんですよね。
そんな点も含めて上(A)で紹介した2冊に取り組んだ後でこちらに取り組んでみると良いのではないかと。


現代文(7)4訂版 (河合塾series 入試精選問題集7) [ 河合塾国語科 ]
難度は少し高めではありますが,それぞれのテーマごとにA問題とB問題という2つのレベル設定の問題が用意されている、難関大志望受験生は是非取り組んでおきたい問題集。

河合塾シリーズの現代文書籍の特徴といえばその本文解説の丁寧さ。この『入試精選問題集』においてもそれは例外ではなく,丁寧な本文解説がついているため,自分の「読み」を解説とよく照らし合わせながら見直すことで,本文内容をきちんと読み取れているかどうか確認していくことができます。

過去問をベースに演習しつつ,これらの問題集に取り組むことでより高いレベルで現代文の得点を安定させることが可能になるはずです。

取り組みたい学習③「知識事項」

漢字・語彙・文学史等の知識事項の確認も忘れずに。
これらの対策は手薄になりがちですが,
短時間の学習でも構わないので
毎日継続して行うことが重要です。

たとえば,他科目の学習から現代文に切り替える際,漢字に取り組んでから読解演習を行う,朝起きた直後に漢字の問題に取り組んでみるなど,隙間になるであろう時間を有効活用しましょう。

語彙についてはこちらで熱く語っています(笑)。重要な部分だけかいつまんで述べるなら,「知らないかも…」と思う度に必ず辞書を引く。そして覚える。使いこなせるようになる。ということです。

一段下がる勇気を持つ

いずれにしても大切なことが1つ。

これは私が毎年受験生たちに言うことなのですが,
「一段下がる勇気を持つ」こと。

この時期に少し戻るのは勇気がいるかもしれません。
それでも,自分が思っているレベルより一段下(という言い方が適切かどうかは置いておくとして)のレベルに立ち返る勇気を持つことは忘れずにいてください。
一段ずつ,一歩ずつ昇っていく以外に安定への道はありません。

「現代文は成績の上がりにくい科目だ」
「現代文はコスパが悪い」

という意見も散見しますが,
きちんと学習していけばしっかりと得点できる科目です。

さらには,
大学入学後も「文章が読める」ことによって
世界は格段に広がっていきます。

この機会に現代文としっかり向き合ってみるのはいかがでしょうか。

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羽場雅希——Masaki HABA

首都圏の予備校・高校・映像授業オンライン予備校に出講。

誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。

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