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受験学年本格スタートの今、取り組んでおくべきこと
多くの学校や予備校が休校になり、家庭学習が主となった今、英語の学習では一体何をやるべきなのでしょうか。
辞書を活用して頻出単語についての理解を深めていく
まずはやるべきは[英単語]でしょう。
前回も書いたように、1学期の英単語学習は、「頻出範囲を広く浅く何回も」がテーマです。
とはいえ、最初のうちは「頻出単語についての理解を深めていく」ことを目指します。
特に、なかなか覚えられない単語については、辞書でひいて確認するのがかなり効果的。
時間がある今だからこそやってほしい単語の勉強です。
英文法の基礎固め
次に英文法です。
この時期の英文法学習で何をやったらいいかわからない場合は、「やるべき教材」や「やり方」を紹介した前回の記事を参考にしてみてください。
これから進める人は、『英文法基礎10題ドリル』(駿台受験シリーズ) をコツコツ進めましょう。
今から始める場合、4月中に1回目、GW期間で間違えたところを中心に2回目をやりましょう。
「この参考書がなかなかに難しい、もう一歩前からやる必要がありそうだ」という人は、『英文法入門10題ドリル』(駿台受験シリーズ) に1回取り組んでから、『英文法基礎10題ドリル』の2回目に取り組むと良いです。
この2冊は、英語力の基礎固めには最適です。今の時期にやっておくことを強くオススメします。
「今」だからこそ、英文も読もう。
英語の学習の基礎は、単語と文法です。
そして、この英語の基礎を鍛えるのは「今」です。
しかし、時間があるときは単語と文法の勉強だけだと単調になってしまいがちです。
時間がある「今」だからこそ、単語と文法の学習に加えて、英文を読むことに挑戦して欲しいです。
センター試験/第1志望の過去問に取り組んでみる。
英文に取り組むなら、以下のものからまず1つ選んでやってみるとよいです。
② センター過去問(1年分)
③ 第1志望の過去問(1年分)
英語が苦手な人は、『基礎からのジャンプアップノート 英文読解 演習ドリル』からやりましょう。
センター試験/ 第1志望の過去問の取り組み方
この2つは英語が苦手ではない人、得意としている人向けです。
自分の英語力を確認して、自分が「今」何をすべきなのかを確認するのにうってつけです。
やり方は以下の通りです。
② 自分が持っている参考書(単語帳 など)で調べながら、もう一度解く。(青ペン)
③ 答え合わせをして、解答解説を見ながら理解を深める。(赤ペン)
4月・5月の段階で、時間内に解き終えることができる人はなかなかいません。時間は気にせずいきましょう。
ことで、自分の今の実力がわかります。
ことで、その参考書が身についたときに、どこまで自分の実力が伸びるのかがわかります。
ことで、自分に足りないものが何なのかを見つける手がかりになります。
このやり方をした生徒さんからよく出てくる反応に、「英単語が身についてなかった」「読解と文法がうまく結びつかなかった」などがあります。
英単語や文法の知識がそもそも足りない場合は、この時期にあらかた身につけてしまいましょう。
でも、文法と読解が結びつかないのはどのようにすれば良いのでしょうか。近道は、構文(精読 / 英文和訳)に取り組むことです。
構文(精読 / 英文和訳)
文意を正確に把握するために、構文(精読 / 英文和訳)の理解が大切です。
例題をやってみたいと思います。
以下の文の訳として正しいのはどちらですか。
(A) 彼はその本を簡単に見つけた。
(B) 彼はその本を簡単だと思った。
正解は(B)です。
(A)と(B)では意味が大きく異なっているので、これを間違えると誤読の可能性が出てくるのが分かるのではないでしょうか。
そして、easyは形容詞なのでCとなり、動詞のfindと合わせて考えると、find O C「OをCだと思う」という意味になります。
こうした関係をとる練習が構文の初歩です。
このように、品詞や語法などを気にしながら読み、文意を正確にとることが正確な長文読解へとつながります。
この2個目のbeenの後ろに、in the wrongが省略されているのがわかりますか?
わからなかった人は、省略の仕組みが分かっていません。このままでは構文でつまずき、長文がうまく読めない可能性があります。
構文の理解のために取り組みたい問題集
以下の2冊のうち、どちらかに取り組んでみることから始めましょう。
①『基礎からのジャンプアップノート 英文読解 演習ドリル』(旺文社)
②『英文読解入門 - 基本はここだ!』(代々木ライブラリー)
英語が苦手な人は、『基礎からのジャンプアップノート 英文読解 演習ドリル』からやりましょう。
『基礎からのジャンプアップノート 英文読解 演習ドリル』の使い方
この参考書は、英文読解の基礎となる考え方を非常にわかりやすく解説してくれています。
文法の説明や英文構造の説明、それに単語のリストまで付いていて、初学者に向けた配慮が「これでもか!」というくらいになされています。
日頃の単語の勉強で、単語力がどれだけ付いているのか確認することもできて、一石二鳥です。
最初から順番に、この参考書のやり方に沿ってやいきましょう。
『英文読解入門 - 基本はここだ!』の使い方
品詞の解説から、英文読解でつまずきそうなPOINTとその対処法の基礎が網羅的に解説されています。
この参考書は、ある程度、単語と文法学習が進んでからやると効果的です。したがって、今すぐに始めよう!と思わなくても大丈夫です。
夏期講習で演習をする際の用意をするのに、この参考書は最適です。
構文学習もキリを気にせず進める
基本的な発想は文法と同様、キリを気にせず進めることが大切です。
構文は文法と違い、少し難しいと感じることがあるかもしれません。
文法を踏まえた上で、構造を理解し、意味を考えるという作業になるからです。
ゆっくり読んで、考えてもよくわからない英文が、速く読んだらわかるということはありえません。
じっくり・じんわりと理解を深めていくことが大切です。
このように勉強を進めていくと、「今日はもう頭を使えない」「もう内容が入ってこない」という状態に陥る場合があります。
そんなときは、[すでに理解した単元の英文を音読]すると良いでしょう。
意味と構造を把握した文を音読することは、リスニングや読解力の向上の効果が期待できます。
頭が働かないときの学習 → すでに理解したところの音読で理解を深める!
すでにやったところの音読であれば、そこまで学習負荷はかかりません。これなら毎日何かしら続けられますね!
春の学習がうまくいかなかった人へ
春を終えた今、英語の学習は進みましたか?
ここでは、春の学習がうまくいかなった人へのアドバイスをお話ししたいと思います。
うまくいかなかった原因と対処法を書き出す
ルーズリーフを1枚用意してください。
そこに、まず箇条書きで自分の学習を阻害している原因を思いつくだけ書いてみてください。
朝決まった時間に起きれない、すぐ横になってスマホを見てしまうなど、「なぜうまくいかなかったのか」の原因は人それぞれです。
次に、その原因に対する対処法を書いてみてください。大きめに書くのがオススメです。イメージはこんな感じです。
● すぐ眠くなる → 15分だけ机に寝て、15分たったら起こしてもらう
● 集中力が切れやすい → 30分につき5分休む
このように原因とその対処法が書けたら、机の見えるところに貼りましょう。
家庭学習が主となった「今」、自分でも気づかなった原因に目を向け対応することが必要な時期なのかもしれません。
そして対処法は必ず守りましょう。したがって、
のような対処法を書いてしまった人は、その対処法は現実的ではないので、対処法を見直しましょう。
家ではできないなら工夫してみる
やらなきゃいけないのはわかっているし、やることもわかっているけどでもできない…。
こんな人もいますよね。そんな人は、たとえば次のようにしてみるのはいかがでしょうか。
② 軽く身体をストレッチ
③ 外出用の服に着替える
④開始時間を決め、飲み物・軽食などはすべて机の上に置く
(机から離れる口実を作らない)
⑤ ダラダラしないように時間割を決める
スウェットを着て作業をしていたら、休憩ですぐ布団へGoですが、外出用の服を着ていればそうはなりません。
また机の上にすべての必要なものを置いてあるので、トイレ以外で席を立たないようになっています。そうしたらもう勉強をするしかない。
まずは身の周りでできる工夫をしてみましょう。
少しやる気が出ない…と思っても、やってるうちに集中できたりします。
いろいろ考えて、まずは行動に移してみましょう!
首都圏の塾・予備校で英語科講師として活躍。大学院時代の専門は19世紀イギリスの倫理学。好きな思想家はJ.Sミル。読解の精密さを追求する授業は上位生を中心に熱い支持を受けている。