国公立大学記述対策⓪ーーセンター試験で記述力を鍛える

こんにちは。
現代文の講師をしております武川晋也(タケガワシンヤ)と申します。

この度、縁あって「国公立大学記述対策」についての記事を書かせていただくことになりました。

「字数さえ埋めれば良い」
「なんとなく傍線部の前後をまとめる」

という作業ではない記述答案の作成のための適切なプロセスをお伝えし、皆様の合格に役立つような記事を作っていけると良いなぁ、と思っております。

センター試験の問題が記述対策になる??

さて、この記事の執筆時点で残すところセンター試験まで十日余り。

国公立大学を志望している皆様はセンター試験に向けての対策が佳境に差し掛かっていると思います。
思い返せば15年前、受験生だった私は苦手だった数ⅡBと、対策の着手が遅かった生物の勉強で四苦八苦しておりました。

そんな個人的な感慨はさておき、

国公立大学の問題は記述だからマークシートのセンター試験は別作業だし無関係

と選択肢だけを見て答えを出そうとしたり、傍線部の前後だけを見てテキトーに答えを出そうとしていませんか?

それ、非常にもったいないですよ!
センター試験の現代文の問題も記述対策になります!!

今回は傍線部分析という観点から国公立大学の記述解答に繋がるようなセンター試験の対策法についてお話しつつ、今後の記事内容の方向性を示していきたいと思います。

 

センター試験 第1問で記述対策をしてみる

どの大学でも出題されるといっても過言ではない評論の問題ですが、基本的に以下の二つの方向性の設問に分類されます。

A 換言 : 「どういうこと」/「説明しなさい」
B 理由 : 「なぜ」/「どうして」

 

それぞれの問題の記述作成のアプローチ方法は次回以降に細かく触れていきます。このA・Bはともに選択肢であろうと記述であろうと解答の根拠を考えるところまで作業としては同じになることに気づいていただくことが今回のテーマです。

なお、Bの理由につきましては先日の羽場先生の記事にて紹介されておりますので、ここではAの換言の問題について実際のセンター試験を用いてアプローチの方向性について確認をしていきます。

傍線部X「タケちゃんのいじられ方が変容している」とあるが、それはどういうことか。その説明として最も適当なものを、次の①~⑤のうちから一つ選べ。

 

設問へのアプローチ①ーー設問分析

「どういうこと」と聞かれているので「換言」の問題です。

換言問題は傍線部、または指定された条件を「言い換える」問題です。
(当たり前のようですが、この方針策定はとても重要です。)

 

よって、傍線部/条件が「A+B+C」という内容であるとき、「A′+B′+C′」という内容の答えを書く(記述)/探す(抜き出し)/選ぶ(選択肢)作業が求められます。

ここで、答えを作る方向性が定まります。
当たり前のことをしているようですが、「何を答えるかわからないまま作業をする」ことにならないようにしましょう。

 

設問へのアプローチ②ーー傍線部分析

上記の方針が定まると、皆さんがまずすべきことは「傍線部の分析」になります。

いきなり選択肢を見る、前後を見るなどの作業をした上で、結果として正解したとしても、再現性や汎用性に欠ける「その問題だけに正解する解法」になります。結果として国公立の記述用に解法を戻すなどの無用な手間がかかりますので非効率的です。

 

絶対にやめましょう。

 

設問へのアプローチ③ーー作業方針を決める

では、実際に傍線部(下線部)を分析しましょう。

X タケちゃんのいじられ方が変容している

ここで、この設問は何を言い換えさせようとしているか、わかりますか?

傍線部の「変容」という語に注目です。
ここを「作問者」は言い換えさせたいのですよね。

「変容」の語には、変容する「前と後」があることが前提。

では、

昔(=「前」)はどのように「いじられ」ていて、それが現在(=「後」)どのようにいじられるように「変化」(=「変容」)してきたのか。

 

を本文の中に根拠を求めていきましょう。
(実際、変わってきたなあ…)

…というような作業の明確な方針が立ちます。この作業方針の確定こそが記述答案を作る上でもとても大切になってきます。

 

おわりに

今回は実際の作業に至る前の段階までの大まかな方針のみの提示でしたが、設問をよく分析し、傍線部の分析をして解答の方針を立てるという作業をセンター試験の過去問を通してしっかりと定着させてください。

次回はセンター試験後に「記述答案作成の基本」と題した記事を寄稿予定です。

ひとまず、センター試験で目標点が取れるように頑張りましょう!

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