理由説明を考える

みなさま明けましておめでとうございます。
本年もEducational Loungeをどうぞよろしくお願いいたします。

さて,今回はですね,
新年一発目の記事ということで,
現代文の中でも理由説明問題について考えてみることを通して,「視野を広げていきたいよね」というお話を少ししてみたいと思っております(どうせまた少しじゃないだろうとか言わない。

Case1:雨が降ってきたから。

まずは次の例題を考えてみてください。
「これだけじゃ判断できない」とは言わないお約束。笑

例題1

次の文章を読んで,後の問いに答えなさい。

雨が降ってきた。だから,傘をさした

問:下線部「傘をさした」とあるが,それはなぜか。

いかがでしょうか。
おそらくですが,解答するなら,

雨が降ってきたから。

と答えるのではないでしょうか。
(別の解答も考えられますが,ここでは一旦置いておきます)。

さぁ,今回のような問題で
仮に「雨が降ってきたから」と答える場合,
私たちはどのような思考回路をたどっているのでしょうか。
少し考えてみたいと思います。

過程をたどる①「雨が降ってきたから。」

この場合おそらく,

「直前に『だから』って書いてある!」
「だから,前が理由だ!!!!」

と考えているのではないかと思うのです私は。
で,この考え方自体は別に問題ではないんですね。
たしかに「だから」は,その前に書かれている内容が,「だから」の後ろに続く内容の理由を表す働きを持つわけですし。

それに,以前私が更新した記事でも,
一文に注目せよと言っていたわけで,
傍線部(下線部)を含む一文の中に接続表現があったら注目しておきたいというのは当然のように私の中にもあるわけですよ。

でも,この考え方だけだと少しうまくいかないこともあるんですよね。

Case2:雨が降ってきたから…????

では,続いて以下の例題を考えてみてください。

例題2

次の文章を読んで,後の問いに答えなさい。

雨が降ってきた。だから,傘を捨てた

問:下線部「傘を捨てた」とあるが,それはなぜか。

いかがでしょうか。
先ほどと同様,下線部の直前に「だから」がありますね。
ということはこちらも解答は,

「雨が降ってきたから。」

でOK ……ということにはならなそうだということにはお気づきなのではなかろうかと。

過程をたどる②「雨が降ってきたから…????」

なぜこの解答には違和感を覚えるのでしょう。
ざっくりと言うならば,

「雨が降ってきた」ということと「傘を捨てる」という行為との結びつきが弱いから

ということが言えるでしょう。
もちろん,ここでの「結びつきが弱い」というのが主観的な話だろうと言われればそれまでのことではありますし,実はそれが例題1で少しだけ触れた「別の解答も」に繋がるのですが。

でもまぁ,その件(別の解答)については別の機会に。

さて,本題。
ここではどう考えるべきなのでしょうか。

Case2の捉え方

例題2では,例題1のように単純に「だから」の前を解答にすれば良いというわけではなさそうでした。
とはいえ,我々は文章で表現されている内容から様々なことを読み取っていかなければならないわけです。

したがって,ここで意識しておかなくてはならないことは,「それでも『だから』が使われている」ということ。
何が言いたいかと言うと,

「だから」が用いられている以上,「雨が降ってきた」ことと「傘を捨てた」ことの間には何らかのつながりが想定されている

と考えることができるのではないかということです。
単純にこの二つの文だけを見るとつながりなどないように見えるかもしれませんが,おそらく繋がっているはず。
そのように考えてみると少し視野が広がるでしょう。

たとえば,次のように書かれていたらどうでしょうか。

例題2ー2


私は昔から,雨の日には傘を投げ捨て,とにかく雨に濡れたいと思っていた。
ある日,家まで続く道を歩いていると,急に雨が降ってきた。だから,傘を捨てた

ちょっと無理がある設定かもしれませんが……。笑
でも文章にこう書いてあったとしたら…?

あっ!「私」は昔から雨が降ったら傘を捨てて雨に濡れたいと思っていたのか!だから傘を捨てたのか!!

と把握できるのではなかろうかと。

もちろん,こんなに単純な話ではないことも多いですし,このケースもなぜそれが理由だと判断できるかはまた難しい問題であるわけですが……。
それについてはまた別の機会に(2度目の先送り。

とはいえ,今回皆さんにお伝えしたかったのは,

接続表現はヒントになることが多いけれど,
「接続表現があるから答えはこれ!!!」
などと単純化しすぎたり,
視野を狭めすぎたりすることなく,
視野を広く保ちながら文章を捉えていきたい。

ということでした。

あ,先送りにした問題はいずれ書きます。
きちんと。

それでは,2019年が皆さんにとって良い一年となりますように。

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羽場雅希——Masaki HABA

首都圏の予備校・高校に出講。

誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。

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