12月の学習指針—AO・推薦対策②(非受験生)

12月の学習指針—AO・推薦対策① の続きです。

前回紹介した、志望系統を決定するために「読んでおくべき本」を見つけるための視点は3つありました。

「読んでおくべき本」を見つける視点
①『高校生のための○○入門』といったタイトルの本
②  新書
③  小説、詩歌などの文学作品

では、それぞれについて見ていきましょう

①『高校生のための○○入門』といったタイトルの本

これは「高校生のため」「入門」と銘打っているのですから、当然○○という分野について高校生にわかるように解説されている本です。

それぞれの学問分野は現在専門分化していて、どこから手をつければよいのかまだ大学で学んでいない高校生にはイメージしにくいでしょう。そこでまずはその学問分野全体をわかりやすく説明してある本から入るのが合理的です。そしてその学問分野の全体像を把握したうえで、特に興味深い分野を深掘りしていけばいいわけです。

何事も学ぶには一定のプロセスがあります。その「取っ掛かり」としてはこのような本が最適でしょう。

② 新書

新書って知っていますか? 本屋や図書館に行くと、文庫本より少し縦長で、表紙のデザインが同じようになっている本がありますよね。あれが新書です。

新書とはわかりやすく言うと、その分野の専門家が一般の読者にもわかりやすく解説する本です。ですから、ある特定分野の内容を理解する一番手っ取り早い本なのです。

世の中にはさまざまな「○○新書」があります。その中でも特に中学生・高校生を読者として想定しているのが「ちくまプリマ―新書」です。

まずはこのあたりからスタートして、徐々に通常の新書を読み進めていくのがよいのではないでしょうか。

③小説、詩歌などの文学作品

これはもしかしたら意外に思うかもしれません。しかし、文学作品もAO・推薦入試を目指すうえで非常に役に立ちます。

まず、人文系学部に進もうと考えている人にとって文学作品は必読です。日本文学、英文学、フランス文学などに関心があるのであれば、それに合致する作品は読んでおく必要があると言えます。

次に、他の系統に進学しようと考えている人にも文学は重要です。現在の世界は過去の延長線上にあります。過去に何があったか、どのようなことが現在に繋がっているのか。こういうことを先に挙げた入門書で理解することはもちろん可能です。しかしそれはただの知識であって、それぞれの時代の人達がどのように考えていたのか、リアルにイメージできるものではないのです。その「リアル」感を理解させてくれるのが小説に代表される文学作品です。過去の人たちの考えをいきいきと表現しているものとして文学作品を捉えなおしてみると、文学の意義も際立ってくるでしょう。

そして最後に、有名な文学作品はあなたに「教養」を与えてくれます。教養というのは単なる知識ではなく、知識を身につけることによって養われる心の豊かさです。あなた自身が魅力的な人間になるためのヒントを与えてくれるのが文学作品なのです。

AO・推薦入試ではあなたがその大学で学ぶにふさわしい人間であるかどうかが問われます。自分が大学で学ぶにふさわしい人間として大学に選抜してもらうためにも、豊かな教養をもち、魅力的な人間になる必要があります。高3になって受験勉強に追われるようになる前に、文学作品に触れる意義はここにあります。ぜひ文学作品を手に取ってみてください。

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根岸大輔——Daisuke NEGISHI[小論文]

現代文・小論文・AO推薦入試対策講師。

基本的な読解スキル・解答スキル・論述スキルをいかにして活用するかを授業の主軸に据えている。同時に大学入試頻出の知識・テーマをわかりやすく説明。その方法論と知識は多くの生徒の信頼を得ている。