[小論文]今からできる「はじめの一歩」②――読解スキル

その1の続きです。

課題文の読解スキル

課題文つきの小論文の場合、課題文の読解が的確にできるかが小論文の質を左右します。ここでは課題文つき小論文に取り組むための二つの読解スキルを紹介します。

課題文の読解スキル①―― 要約法

課題文つきの小論文では課題文の要約が求められることが多くあります。しかし要約を苦手にしている人も多いのではないでしょうか。
文章を要約するには二つのアプローチがあります。

要約の二つのアプローチ
ボトムアップ型アプローチ
→段落ごとに要点をとらえてつなげる
トップダウン型アプローチ
→文章全体の論理構造をとらえてまとめ直す

課題文が短い場合にはボトムアップ型アプローチが、長い場合にはトップダウン型アプローチが有効になる場合が多いようです。

ボトムアップ型アプローチとトップダウン型アプローチを併用して、いわば“いいとこ取り”をすることもできます。
まず段落ごとに要点をとらえます。そしてその要点どうしの論理関係を考えながらまとめ直すのです。

三つのアプローチを知り、さまざまな文章でこれらのアプローチを活用して要約の練習をしましょう。自分が取り組みやすい方法を見つけられるといいですね。

課題文の読解スキル②――  批判的読解

文章が正確に読解できたとしても、それだけでは合格できる答案を作ることはできません。小論文で求められるのは自分なりの意見を提示することです。したがって文章を正確に理解したうえで、そこから自分なりの問いを発見するような読み方をしなければなりません。
そのための読み方が「批判的読解」です。
批判的読解とは、「筆者が述べていることは本当にそうなのだろうか?」と検討しながら読むことです。その結果「やっぱりその通りだ」と納得しても、「いや、それはおかしいのではないか」と疑問に思っても、どちらも批判的な態度だと言えます。

批判的読解の着眼点は次の四つです。

批判的読解の着眼点
課題文とは別の例や根拠を考える
課題文とは別の例や根拠を見つけることで、課題文の主張を補強したり、新しい切り口を発見したりできます。

課題文の反例や反証を考える

課題文の内容と矛盾する例や証拠を見つけることで、筆者の見落としを指摘し、反論することができます。

課題文とは異なる立場から考える

たとえば課題文がAIの発達を肯定する立場に立っている場合、それを否定する立場に立つことで、反論に繋がります。課題文とは異なる観点から考える
課題文と目のつけどころを変えることで新たな切り口を発見できる可能性があります。たとえば課題文が「温暖化が地球全体に与える影響」について論じていたら、「温暖化が私たちの身のまわりに及ぼす影響」考えてみるのです。

どの着眼点から考えるにせよ、批判的読解では課題文の内容を踏まえたうえで、課題文には書かれていないことを自分で考えることになります。そして、この「課題文には書かれていないこと」こそが課題文との差異につながり、そこから自分なりの意見が生み出されるのです。

 

終わりに――『身近なテーマで考える力をやしなう 小論文 はじめの一歩』

課題文の読み方が変われば、小論文の質も変わります。読み方の工夫を通して、合格答案を書けるようになりましょう。
本記事は根岸の著書『身近なテーマで考える力をやしなう 小論文 はじめの一歩』の第2章をもとにしています。より詳しく学びたい人は同書で勉強してください。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメントは利用できません。

ページ上部へ戻る