現代文学習のはじめに確認したい「現代文学習の『正しい』イメージ」

こんにちは、羽場です。

これまで塾・予備校で指導してきた中で数多くの受験生と接してきました。
そして、初講で接する多くの受験生が誤解しているというか、見落としている点があると毎年感じています。

それは「現代文もきちんと学習することで成績向上が見込める」ということです。

拙著『スマートステップ現代文』の制作もその信念を担当編集者と常に共有しながら進めていきました。
本書の第1章第1節で詳しく解説していますが、本記事ではそのダイジェスト版をお届けしたいと思います。

『スマートステップ現代文』

現代文学習の第一歩を踏み出そうとしている皆さんに宛てて、2023年3月にZ会から拙著『スマートステップ現代文』が刊行されました。

現代文の学習に悩んでいる受験生、これから現代文学習を始めようと思っている受験生はぜひ手に取ってみてください。

現代文に対する大きな誤解

『スマートステップ現代文』の「はしがき」にも記した通り、現代文という科目は捉え所のないように感じることがあります。

普段から使っているはずの日本語を使って書かれた文章なのに、内容が理解できない。
勉強しなくてもなぜか常に高得点を取る人がいる。

こんな印象から、「現代文はセンスがあるかないかの勝負だ」と感じ、勉強する気が起きないという人もいるかもしれません。

さらに言えば、「筆者の主張を読み取れ」と言われるけれど、筆者が解けない問題が出題されることだってあります。
つまり、書き手の思いと出題者の解釈が一致するとは限らないわけです。

このように、「勉強しても無駄なのではないか」と感じかねない要因が自分の周りにたくさん転がっているのが現代文という科目の特徴の一つでしょう。

それでもやはり現代文も勉強する必要・価値のある科目である

そんな「つかみどころのない」ように感じる科目であっても、現代文はきちんと勉強していくことで成績を上げていくことが十分に可能です。

ただし、「ただ問題を解き続けるだけ」で良いわけではありません。
きちんと頭を使いながら、「成績を上げるための学習」を積み上げていく必要があります。

どんなことを意識しながら、そして具体的にはどのように学習を進めていくかについては、本書『スマートステップ現代文』の第1章を通して理解してください。

本記事では最も重要な点に絞ってご紹介します。

「わかる」だけでなく「自分でできる」状態を目指す

現代文の学習をする上で、最も重要な点。 それは、

「わかる」だけでなく「自分でできる」状態を目指すことです。

これは現代文に限ったことではないでしょうし、多くの先生方から伝えられている内容でもあると思います。
それでも、それだけ多くの方が同じことを言うからには、ある程度の信ぴょう性があると言えるのではないでしょうか。

本書のP18でも詳しく述べていますが、大学入試の現代文においては基本的に「初めて読む文章をその場で理解し、設問に対して的確な解答を出す」ことが要求されています。

入試本番、自分の力で正解を導き出していくためにどうするのかを理解し、身につけていかなければならない

のです。

「考え方」を意識し、身につける

「自分でできる」状態になるためには、正解/不正解を気にするだけでなく、その解答に至る過程を理解することが必要です。

どうしたらそこに注目できるのか、どうやったらその解答が導けるのか……

こうした一つ一つの「考え方」を理解し、意識しながら演習を積むことが欠かせないのです。

▼参考:「現代文が「わかる」から「できる」に変えるための本文読解の復習法」

問題演習だけでなく授業の受け方も見直してみたい

これは授業を受ける際も同様です。

現代文の力を伸ばしていくためには、「学校や塾・予備校の授業を通して学んだことが自分で活用できる状態」を目指す必要があります。

ここで、自分の授業の受け方・復習の仕方を振り返ってみましょう。

授業で学んだ内容を最大限活用することを意識していますか?
教科書・テキスト・先生方から得られるものを最大限得ようとしていますか?
そして、同じような読み方・解き方が「自分でできる」ようになることを意識していますか?

こうしたことを常に自問自答しながら、授業を最大限活用することを意識していくことが必要不可欠です。

細分化すべきことを細分化せず、細分化すべきでないことを細分化しがちである

最後に、もう一つだけ、受験生を見ていてよく感じることを記しておきます。

それは、「細分化すべきことを細分化せず、細分化すべきでないことを細分化しがち」であるということです。

たとえば、模試の成績。

本来であれば、「どこができていて、どこができていないのか」「何が原因で間違えているのか」など、細かく分析をしながら次に繋げていく必要があるはずです。

でも、気づけば合計得点・偏差値や志望校判定ばかりを見て一喜一憂していませんか?

現代文の力を伸ばすためには「不要な分断」を避ける必要がある

現代文の学習も同様です。
受験生を見ていると、「知識の連関」という点に意識が向いていないように感じる場面が多々あります。

たとえば、「漢字の学習は漢字の読み書きを学ぶもの」と考えてしまっていませんか?
その場合、漢字はとにかく書ければ/読めれば良いと思ってしまいがちです。

でも、漢字の学習は「語彙の理解」という点でも非常に大きな力を発揮します。

見出し語や例文の中に登場する語句の中には、日常的に使っているはずなのに正確な意味を理解できていないものが含まれていることも多いはずです。

それらを一つ一つ習得していくことが、現代文読解の基礎となる語彙力を養ってくれるはずです。

あらゆることが現代文に繋がる

他の科目についても同じことが言えます。

外国語の学習が、数学の学習が、理科科目や社会科目の学習が、現代文で扱われる文章を理解しやすくする「前提知識」を学ぶきっかけにもなっていることでしょう。

現代文は現代文、などと割り切って考えるのではなく、あらゆることが現代文に繋がるという意識で、貪欲にさまざまな知識を吸収していってください。

おわりに

このような「現代文学習の心構え」は、現代文の学習をする上で非常に重要であるにもかかわらず見落とされがちなものです。

本記事では触れていない部分も含めて、『スマートステップ現代文』でもこの「心構え」から解説をスタートしています。

ぜひ、本記事と『スマートステップ現代文』の学習を通して現代文に対する誤解を解き、現代文は学習する意味・価値のある科目であることをきちんと理解しながら、現代文学習と前向きに向き合っていって欲しいと願っています。

『スマートステップ 現代文』書籍情報

  • 書名:『スマートステップ現代文』
  • 出版社:Z会
  • 著者:羽場雅希[著]・Z会編集部[編]
  • 発売日:2023年3月10日
  • 定価:1,100円(税込:1,210円)

第1章「学習法編」補講
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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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