現代文の理由説明問題に潜む大切な「考え方」を意識していますか?

現代文の勉強をしていて,理由説明問題が難しいと感じることはありませんか?

「『なぜか』と言われるとどこを見れば良いかわからない」
「どんな考え方をすれば良いのかわからない」

実際,現代文の指導をしていると受講生たちからそんな悩みをよく聞きます。

そこで今回は,現代文の中でも理由説明問題について考えていきたいと思います。
この記事で紹介したポイントを意識して学習することで,理由説明問題はもちろん,現代文全般に当てはまる大切なポイントを意識していくことができるようになるはずです。

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現代文の理由説明問題に潜む大切な「考え方」を意識していますか?

Case1:雨が降ってきたから。

まずは次の例題を考えてみてください。

例題

雨が降ってきた。だから,傘をさした
[問]下線部「傘をさした」とあるが,それはなぜか。

いかがでしょうか。
ひとまず,この問題に解答するなら,

雨が降ってきたから。

と答えるのではないでしょうか。
(別の解答も考えられますが,ここでは一旦置いておきます)。

今回のような問題で「雨が降ってきたから」と答える場合,私たちはどのような思考回路をたどっているのでしょうか。

過程をたどる:「雨が降ってきたから。」

この場合おそらく,

直前に『だから』って書いてある! だから,前が理由だ!!!!

と考えているのではないでしょうか。

この考え方自体は別に問題ではありません。
たしかに「だから」は,その前に書かれている内容が,「だから」の後ろに続く内容の理由を表す働きを持つわけです。
でも,この考え方だけだと少しうまくいかないこともあるんですよね。

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Case2:雨が降ってきたから…????

では,続いて以下の例題を考えてみてください。

例題

雨が降ってきた。だから,傘を捨てた
[問]下線部「傘をさした」とあるが,それはなぜか。

いかがでしょうか。

先ほどと同様,下線部の直前に「だから」がありますね。
ということはこちらも解答は,

「雨が降ってきたから。」

でOK ……ということにはならなそうです。

過程をたどる:「雨が降ってきたから…????」

なぜこの解答には違和感を覚えるのでしょう。
ざっくりと言うならば,

「雨が降ってきた」ということと「傘を捨てる」という行為との結びつきが弱いから

ということが言えるでしょう。
では、どう考えるべきなのでしょうか。

Case2の捉え方

例題2では,例題1のように単純に「だから」の前を解答にすれば良いというわけではなさそうでした。
とはいえ,我々は文章で表現されている内容から様々なことを読み取っていかなければならないわけです。

したがって,ここで意識しておかなくてはならないことは,「それでも『だから』が使われている」ということ。
つまり、「だから」が用いられている以上,「雨が降ってきた」ことと「傘を捨てた」ことの間には何らかのつながりが想定されていると考えることができるのではないかということです。

単純にこの二つの文だけを見るとつながりなどないように見えるかもしれませんが,おそらく繋がっているはず。
そのように考えてみると少し視野が広がるでしょう。

たとえば,次のように書かれていたらどうでしょうか。

私は昔から,雨の日には傘を投げ捨て,とにかく雨に濡れたいと思っていた。
ある日,家まで続く道を歩いていると,急に雨が降ってきた。だから,傘を捨てた

もし文章にこう書いてあったとしたら…?

あっ!「私」は昔から雨が降ったら傘を捨てて雨に濡れたいと思っていたのか!だから傘を捨てたのか!!

と把握できるのではなかろうかと。

もちろん,こんなに単純な話ではないことも多いですし,このケースもなぜそれが理由だと判断できるかはまた別の問題であるわけですが。

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おわりに

今回皆さんにお伝えしたかったのは,

理由説明に限らず,現代文読解では接続表現がヒントになることが多い。
それでも,
「接続表現があるから答えはこれ!!!」などと単純化しすぎたり,視野を狭めすぎたりすることなく,視野を広く保ちながら文章を捉えていきたい。

ということでした。
「こうだからこう!」と決めてかかるのではなく,常に広い視野を保って現代文と向き合っていきましょう!

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