![2023年度 共通テスト[世界史]から見る高1・高2の学習指針](https://sp-ao.shortpixel.ai/client/to_auto,q_glossy,ret_img,w_4999,h_3124/https://www.educational-lounge.com/wp-content/uploads/2023/02/eyecatch_2023wh.jpg)
皆さんこんにちは。
今年も受験シーズンがやってきました。
ぼんやりとした受験勉強のイメージをより鮮明で具体的なものにするためにも、共通テストに関しては、その問題にざっと目を通しておくことをオススメします。
今回は、最新の共通テスト世界史問題を概観した上で、高1・高2の皆さんがどういう学習を積み重ねていったら良いのかについて述べていきます。
なお、問題を解き、答え合わせをした上で読んでもらうとなお効果的です。
問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。

目次
2023年共通テスト世界史B(本試)全体概観
全体の構成は大問5題・マーク数34個で、2022年の本試験と変化はありませんでした。
また会話文を活用した問題が目立ち、その出題数は2022年の5題に対して今年は10題と、大幅に増加しています。問題のページ数も昨年と比べ4ページほど増加する結果となっています。
対策が手薄となりやすい分野が集中的に狙われた
出題範囲としては、概ね全時代・全地域を視野に入れた出題がなされていますが、戦後史に関する直接的な知識を問う出題はやや少ない傾向が続いているといえるでしょう。
さらに大問5に見られるような社会経済に関する設問も多く、受験生にとって対策が手薄となりやすい分野が集中的に狙われた形といえます。
こうした傾向に「大量の資料の読み取り」が重なり、思うような点が取れなかった受験生も多そうですね。実際、平均点は昨年と比べ大幅に下がりました。
世界史共通テスト対策の高校1・2年生向け学習指針
共通テスト対策は、以下の①②が王道です。
- 質の高い通史知識をムラなくインプットする
- インプットした知識を使って実際の問題を解く訓練を積む
2023年の問題を見ると①の完成度が大切なことは変わりませんが、②の重要性はより増したといえます。
制限時間60分間で、膨大な量の資料を処理する技術は、一定期間以上の継続的な訓練を要します。
以上を念頭に置いた上で、①と②について解説します。
質の高い通史知識をムラなくインプットする
共通テストが会話文・史料・図版・グラフなど様々な資料を文字通り「読解」しなければならない、「処理能力」が問われる問題なのは確かですが、それは世界史の知識定着を疎かにしてはいいということではありません。
教科書の隅々までを幅広く学習することが求められる点は、センター試験時代とほぼ変わりません。
いわゆる「地域史」や「文化史」や「戦後史」といった単元は、受験生が直前期まで手が回りにくい分野の筆頭格です。
世界史は2年計画でムラなく学習する
このような分野までを完璧に仕上げるためには、最低でも「2年計画」で世界史の受験勉強計画を立てるのが現実的です。
学校の定期試験で出題された内容を完璧にしておくだけでも、高3になってからの負担が大きく減ります。
学校で習った単元に関しては、歴史的事象の背景・原因・経過・結果・影響を意識しながら教科書を読み直してみましょう。
世界史図説を使いこなす
また時間に余裕のある今のうちから、ぜひ図説を使いこなしておきたいですね。
文化史のページも絵画などの解説を読みながらじっくり鑑賞してみましょう。
基本的な用語の概念を理解する
そして基本的な用語の概念をしっかりと理解しておきたいところです。
このような学習の積み重ねにより、単なる知識の寄せ集めのような「死んだ知識」ではなく、共通テストの攻略に役立つ「生きた知識」が蓄積されていきます。
インプットした知識を使って実際の問題を解く訓練を積む
そうした下準備と並行して、できれば高校1・2年のうちから共通テストの過去問に触れておきたいですね。
習った知識で解けそうな問題だけでも良いので、資料を読んで答えを出すという経験を積んでおきたいところです。
これが受験学年になってからの②の対策に直結します。
ぜひ今から有益な学習を積み重ねて、余裕を持って受験を迎えてください。