安田です。
今回は漢文の学習において「大切」なんだけど「あまり意識されない」ことについてお話しします。
特に、漢文がよくわからない、伸び悩んでいるという人には特に役立つと思います。
目次
漢文の文構造を意識するメリット
また、「句法はだいたい覚えているのに、読解となると内容がつかめない、読めない」ということはないでしょうか?
いずれも、「漢文の文構造」をきっちりと捉えることで解決の糸口が見えてきます。
日本語の「主・述・修飾語」は小学校から学習しますし、英語の5文型も中学・高校で学習していることと思います。
同じくらいの重要度で、「漢文の文構造」について認識を持って学習していきましょう。
漢文の文構造の基本――「主語」「述語」「目的語」「補語」
大前提となる漢文の文構造は、「主語+述語」です。英語のSVと同じく、主語と述語が並びます。
- 花開。
花(主)開く(述)。
ただし、英語と違って、述語部分には動詞だけではなく形容詞がくることもあります。これは日本語と一緒ですね。
- 草木深。
草木(主)深し(述)。
述語に続く「目的語」と「補語」
そして、述語に続くものとして、「目的語」と「補語」があります。
- 我看月。
我(主)月を(目)看る(述)。 - 遊子入徐州。
遊子(主)徐州に(補)入る(述)。
「目的語」は「~を」と送り、補語は「~に」と送るのが基本です。
日本語の語順(主→修飾語→述)で読むわけです。
補語は直前に置き字があることも多い
補語の場合は、直前に置き字があることも多いです。
- 良薬苦於口。
良薬は(主)口に(補)苦し(述)。
述語の後ろに目的語や補語が2つ並ぶこともよくある
また、目的語や補語が述語の後ろに2つ並ぶこともよくあります。
- 師教弟子学。
師は(主)弟子に(補)学を(目)教ふ(述)。 - 孔子問礼於老子。
孔子(主)礼を(目)老子に(補)問ふ(述)。
ここは少し英語とは違って、目的語と補語の順番に厳密なルールはありません。
なんならわりといい加減な(目的語なのか補語なのか厳密な区別がつけられない)ものも多々あります。
漢文の文構造を把握するために意識しておきたい2つのポイント
ここまでがごく基本的な文構造のパターンです。
(詳しくは手元にある句法集や参考書、学校の教科書を参照してくださいね。)
これらを常に意識しながら一文一文を精査していくと、だいぶ漢文というものが見えてくるはずです。
必ずしも「基本パターン」に沿って読めば分かるとは限らない
……しかし。
これで実際に文章を読んでみると、「結局なにがなにやらわからん!」となることがしばしばあると思います。
実際の文章ではもっと複雑な構造をしていたり、接続を示す助字(「而」など)で文が連結していたりなどがあって、必ずしも基本パターンに沿って読めば分かるとは言えない部分もあります。
そこで、私なりに「こういう点を意識して読んでいこう」というのを2点ほどご紹介しておきます。
- まず述語を探すべし
- 述語の後ろには「目的語(~を)」か「補語(~に)」がくる!
まず述語を探すべし
漢文は、日本語と同じように主語が省略されることがしばしばあります。
文の核である述語をまずはキャッチすることが解読の鍵になります。
漢文に出てくる漢字を「動詞や形容詞で使われているな」と、出会った文ひとつひとつで地道に確認していくと、よく使われる字も分かってくるので、さらに読む力がついてくるでしょう。
述語の後ろには「目的語(~を)」か「補語(~に)」がくる!
特に、補語の場合は「於」「于」「乎」といった置き字の後ろにくることも多いので、目印として活用しましょう。
おわりに
いかがでしょうか。
きっと読む力は伸びます。
漢文の文構造に意識を少し向けられるようになってくれれば嬉しいです。
頑張って勉強してください。