こんにちは。数学講師の大塚志喜です。
今回の記事は「文系受験生の学習法」がテーマです。
文系の皆さんは国語・英語・社会に加えて数学を学習しなければならず,理系受験生よりも少し負担が大きくなります。
しかし,そこまで深く学習するわけではありません。
理系で本格的に数学に手をつけなければならない受験生とは違い,しっかりと基礎を固めたらそこから先はそんなに遠くありません。
どのようなことを意識して,どのレベルを目標に勉強していけば良いかをお話ししていきたいと思います。
目次
文系受験生の数学学習①:兎にも角にも基礎の徹底
スタートは文系だろうと理系だろうと変わりません。
兎にも角にも基礎の徹底です。
大学受験数学での「基礎」とは「どんな問題にもぶつかっていける土台」のことである
基礎とは「問題集で各分野の最初の方にある『基本問題』の答えが出せるようになることだ」と思う人がいるかもしれませんが,それは「基礎」とは言いません。
基本問題が解けるようになることは非常に重要です。
しかし,それをやる前に他にやることがあります。
大切なのは「基本問題が解けるようになるまでの根本をおろそかにしない」こと
その基本問題が解けるようになるまでの根本を絶対におろそかにしないことです。
実際おそらくほとんどの高校入試はそれで突破できてしまいますし,ものすごい暗記力がある人なら大学受験もそれで乗り切れるようことだってあります。
必ずどこかで覚えきれなくなったり,知っている知識では解けない問題に直面します。
もし入試会場本番で出題された問題が,すべてそんな問題だったらどうしますか?
すべてでないにしても,ほとんどの問題がそんな問題になる可能性は低くありません。
そうなってしまったら受験まで一生懸命積んできた努力がすべて無駄になってしまいかねないのです。
文系受験生の数学学習②:土台を作るための普段から持つべき意識
ではどのような意識を持って数学の勉強をしていけばいいのかについてお話ししていきます。
一番大切なのは「なぜ」を忘れないこと
一番大切なことは「なぜ」を忘れないことです。
常に「この問題を初めて解いた人は,なぜこのようにこの問題を解こうと思ったのだろう?」という「なぜ」という気持ちを持ってください。
その「なぜ」を自分の中で「そりゃそうするか」にしていくのが土台作りです。
頼れる人に頼りながら,いつしか自分が頼られる側へ
しかし,一人でやる必要は全くありません。
皆さんの周りには数学が得意な友達や先輩,そして何よりも,数学をこれまでたくさんの学生に指導してきた先生がいます。
頼れる人にはどんどん頼ってもいいじゃないですか。
そうしてどんどん力をつけていくと,助けてもらう頻度もどんどん減っていき,いつの間にか自分が助ける側になっていると思います。
そうなっている頃には,数学は足を引っ張る科目ではなく,むしろ他人との差をつける武器になっているのではないでしょうか。
文系受験生の数学学習③:計算力をつける
さて,ここまでは数学の土台についてお話ししてきましたが,数学を受験で武器にするためにはもう少し大切なものがあります。
それが「計算力」です。
こればかりは他人に助けてもらうことはできません。
純粋に努力です。
普通の加減乗除の筆算や分数の計算,比の計算など,高校数学では当たり前のように使います。
ですが,「数学が苦手だ」と言う皆さんはとにかくこの当たり前の計算に難があることが非常に多いです。
文系数学の学習で,「当たり前の」計算技術は必須の力
数学は論理の科目ですが,最終的な解答数値まで辿り着くには兎にも角にも「当たり前の」計算技術が必須です。
休んではいけません。
速く正確に手を動かす習慣をつけることが非常に大切です。
一応高校数学の計算練習におすすめの本を紹介しておきます。
駿台文庫から出ている「カリキュール数学」シリーズです。
頭を使ってじっくり考える問題ではなく,計算で答えを出していく問題が多く載っていて,計算練習には最適です。
単なる計算問題だけではなく,考える問題も載っていますから,単純な計算力だけでなく土台作りにもなりますのでおすすめですよ。
おわりに
さて,今回の記事はいかがだったでしょうか。
それゆえ楽そうに見える方法にすぐ飛びついてしまいたくなる気持ちもよくわかります。
しかしそれは一時的な対策にしかならず,すぐに点数が取れなくなってしまいます。
しかも一生懸命覚えたかもしれない知識は,何の土台もない状態でただ頭に詰め込んだものでしょう。
そんなものはすぐに忘れてしまいます。
何も残らないのです。
勉強しようと心に決めた日から,しっかりとした土台をコツコツ作り地道に計算力をつけてきた人が,最後に勝てるようになっています。
楽に見える方法に安易に飛び付かず,しっかりとした得点力をつけるために日々努力しましょう。
では今回はこの辺で失礼します。
また次の記事でお会いしましょう。