共通テストでも私大・国公立入試でも出題される「漢字」の問題。
「漢字の問題集はどれを選べば良いかわからない」
そんな悩みを抱えている人はいませんか?
学校で漢字の問題集は配られているケースも多いでしょうし、僕たちも授業で「漢字・語彙の勉強をしよう」という話をするわけですが、「漢字テストの前だけ頑張る」「結局使っていない」という人も少なくありません。
そんな皆さんに朗報です。
2022年3月24日、漢字学習の決定版と言うべき一冊が刊行されました。
目次
漢字学習の決定版!『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』
その一冊とは、『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』(かんき出版)です。
著者は土井諭先生。
あの『イラストとネットワーキングで覚える現代文単語 げんたん』の著者でもあります。
▼『イラストとネットワーキングで覚える現代文単語 げんたん』のレビュー記事はこちら。
実際に手に取って確認してみても、やはり間違いない一冊です。
ここからは『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』の特徴を少しずつご紹介していきます。
徹底したデータ主義! 約40,000件の出題データベース
よく「効率ばかりを追い求めるのは良くない」と言われます。
たしかにそう思います。
受験勉強に限らず、人生では一見「非効率的なもの」が実は大切だったなんてことはしょっちゅうあるわけです。
しかも「やらなければならないこと」は膨大です。
となると、入試に向けた漢字学習をする上で「実際に入試に出るもの」から優先的に取り組んでいくべきなのは言うまでもありません。
「これは大切だろう」という著者の主観で選ばれたわけではなく、実際のデータに基づいて構成されているというのは時間の限られている受験生にとって非常に重要なポイントでしょう。
「よく出る漢字で間違えた」ということのないように……
講師としての個人的な感想としてはこのデータベースを一人で構築されたというのは「すごい」の一言なのですが、受験生にとっては「『講師がどれだけ労力を割いたか』というのは全く関係がない」というのは、もっともな話です。
ちなみに、もとになったデータベース化作業の一部を著者の土井諭先生がご自身のnoteで紹介されています。
(土井先生の投稿の画像内では「斬新」「暫定」「疾病」……など)
「よく出る漢字なのに間違えた」ということのないようにやりこんでおきたいものです。
受験生が「効果的に」漢字学習を「やり続けられる」工夫
読解につながる漢字学習
『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』のプロローグ「本書の5つの強み」でも書かれているのですが、本書は全ての漢字に意味と例文が掲載されています。
結果として、それぞれの「分断」が起こりがちです。
受験生であれば
「現代文は現代文、古文は古文の勉強なんだ」
こんな意識で学習していませんか?
でも、実際にはあらゆるものが「実はつながる」可能性を秘めたものです。
漢字学習を通して読解に不可欠な「語彙力」を手に入れる
また、世界史で学んだ知識が読解に役立つ場面に遭遇したことがある人も多いでしょう。
漢字の学習も、現代文読解につながっていきます。
漢字学習を通して理解した語彙が文章読解の中で役立つことは非常に多いものです。
これらの語句の意味をきちんと確認していくことで、実は現代文読解の足を引っ張っていた「語彙」を身につけることができ、読解力向上にも役立つことでしょう。
もちろん、「!」がついていない語句についても意味は確認していきたいものです。
漢字の学習法についても解説
「漢字はとにかく何回も書いて覚える!」と決意して、必死に書き続けているという人もいるのではないでしょうか。
たしかに、漢字を書くことは重要ですが、「何も考えずに全ての漢字をひたすら書き続ける」というのは効率の良い勉強とは言えなそうです。
ここに書かれている漢字学習の仕方を意識しながら漢字学習に取り組むことで、これまでよりも効率よく漢字・語彙を身につけていくことができるはずです。
他にも、『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』の中には、受験生がメリハリをつけながら効果的に学習し続けられる工夫がいたるところに散りばめられています。
そうした仕掛けをうまく活用しながら、ぜひとも漢字学習を効果的に進めていってください。
秀逸な「インターバル」
『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』にはCHAPTER(章)の間に「インターバル」というページがあります。
このページは「インターバル」と銘打たれていますが、必見のページです。
Amazonに出ているサンプルの目次にも掲載されているので、インターバルの内容をご紹介します。
- 書き誤りやすい漢字(P44)
- 混同しやすい漢字①(P76)
- 混同しやすい漢字②(P114)
- 混同しやすい漢字③(P136)
- 難読漢字①(P158)
- 難読漢字②(P180)
今回は、この中でも「書き誤りやすい漢字」「混同しやすい漢字」のページをご紹介します。
「書き誤りやすい漢字」
まず、「書き誤りやすい漢字」のページ。
タイトルの通り、このページには受験生が書き誤りやすい漢字がまとめられています。
「『柳』と『仰』の『ノ』」「『喪』に『ノ』がついている」なんて典型例じゃないでしょうか。
多分、現代文・国語の先生ならわかってくれるはず。
受験生のみなさんも「あ、いつも迷う!」と感じる人も少なくないでしょう。
本当によく見る「書き誤り」をカバーしているページです。
「インターバル」だと軽く考えず、じっくり見てよく確認することをおすすめします。
「混同しやすい漢字」
こちらもタイトル通り、「字形が似ていて、どれを使えば良いかわからなくなりがちな漢字」がまとめられています。
センター試験、共通テストの漢字の問題はこのあたりの「使い分け」というのを絶妙な形で問う問題です。
このページを通して、例文とともに漢字の使い分けを確認していきましょう。
漢字の対策に最適な一冊
いかがでしょうか。
ここまで『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』の内容をご紹介してきました。
おそらく「難点」と思われそうな点を一つだけ述べておくとすれば、「大きい」ということでしょうか。笑
電車の中で確認できないじゃないかと。
たしかに大きいんです。
でも、漢字の学習ではやはり「書く」ということも重要な要素であることを考えると、漢字の学習は机に向かって行うのが最適だと思っています。
※もちろん10〜15分程度で構いません。
むしろゆとりのあるレイアウトになるので、取り組みやすいでしょう。
追加情報・学習支援ツール
ちなみに、著者の土井諭先生のnoteで『高校の漢字・語彙が1冊でしっかり身につく本』に関する追加情報や学習支援ツールも公開されています。
こちらも併せて活用してみてください。