どうも, みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
今回は数学Ⅱで触れる三角関数の攻略法についてお話しします。
目次
数学Iの三角比と数学IIの三角関数
数学Ⅰで学習する三角比は, 図形の問題を解くために$\rm{sin},\rm{cos},\rm{tan}$を考えます。
一方で, 数学Ⅱで学習する三角関数は関数として捉えるので, グラフや方程式, 不等式, さらに最大値や最小値を考えるのが主題となります。
数学Iでは図形の問題を考えているため, 角度は$0^\circ$以上$180^\circ$以下を考えれば十分です。
直角三角形の辺の比から鋭角の三角比, $\rm{sin},\rm{cos},\rm{tan}$を定義し, そのあと鈍角三角形等の図形を考えられるようにするために定義を拡張しました。
そして, 三角形の面積を求める公式や, 正弦定理や余弦定理を学習し, 線分の長さや, 図形の角度を求められるようになります。
このように, 数学Iでは図形に関することを学びます。
実例で確認する
ここで, 例えば$\rm{sin}\theta$の値について具体的に考えてみましょう。
$\theta=30^\circ$とすると$\rm{sin}30^\circ=\frac{1}{2}$であり,$\rm{sin}=45^\circ$とすると,$\rm{sin}45^\circ=\frac{1}{\sqrt{2}}$となります。
さらに$\theta=90^\circ$とすると,$\rm{sin}90^\circ=1$で,$\theta=120^\circ$とすると,$\theta=120^\circ=\frac{\sqrt{3}}{2}$となります。
このように, $\theta$を$1$つ決めると, $\rm{sin}\theta$の値が$1$つ決まります。
このような関係を関数とよびます。
つまり, $y=\rm{sin}$$x$とすれば, $y$ は $x$ の関数です。
数学Ⅱで学習する三角関数
ここから数学Ⅱで学習する三角関数に入っていきます。
数学Ⅱでは, $\rm{sin}$$x$を関数として考え, 定義域を実数全体に拡張します。
三角関数は周期関数になるので, 定義域を$0^\circ \leqq x <360^\circ$にすることも多いです。
ここで, 関数の学習において, 意識すべきことを確認しましょう。
数学Iで学習した二次関数を思い出してください。
この単元では二次関数のグラフの概形, 二次方程式· 不等式, 最大値· 最小値を学習しました。
高校数学で新しい関数を学習するときもこれと同じです。
グラフの概形, 方程式· 不等式, 最大値· 最小値を意識しましょう。
つまり, 三角関数においてもグラフの概形を頭に入れ, 方程式や不等式の解法を習得して,$\rm{sin},\rm{cos},\rm{tan}$を含む関数の最大値や最小値を求められるようにしましょう。
数学Ⅱの三角関数を学習するうえでのポイント
上でも触れたように, 三角関数の学習のポイントはグラフの概形, 方程式· 不等式, 最大値· 最小値です。
数学Ⅱでは角の表し方が弧度法に変わります。
定義を理解し, 慣れましょう。
弧度法のありがたさは数学Ⅲで実感できます。
そして, 定義域が拡張されたことによって, 似たような公式が10種類以上でてきてきます。
$$\rm{sin}(\pi+\theta)=-\rm{sin}\theta$$$$\rm{cos}(-\theta)=\rm{cos}\theta$$$$\rm{tan}(\theta+\frac{\pi}{2})=-\frac{1}{\rm{tan}\theta}$$
などたくさんあります。
これらを1つずつ覚えるのは大変ですし効率が悪いです。
公式の成り立ちを理解するとたくさんの公式が瞬時に導けます。
理解の仕方はまたの機会にしましょう。
数学IIの便利な新たな公式, 三角関数の加法定理
さらに数学Ⅱでは, 便利な新たな公式, 三角関数の加法定理があります。
符号はすべて複合同順で
$$\rm{sin}(\alpha\pm\beta)=\rm{sin}\alpha\rm{cos}\beta\pm\rm{cos}\alpha\rm{sin}\beta$$$$\rm{cos}(\alpha\pm\beta)=\rm{cos}\alpha\rm{cos}\beta\mp\rm{sin}\alpha\rm{sin}\beta$$$$\rm{tan}(\alpha\pm\beta)=\frac{\rm{tan}\alpha\pm\rm{tan}\beta}{1\mp\rm{tan}\alpha\rm{tan}\beta}$$
が成り立ちます。
このあとに出てくるいろいろな公式のベースになる公式です。
倍角の公式, 3倍角の公式, 半角の公式, 和積の公式, 積和の公式は上の加法定理から導いてみましょう。
三角関数の合成も加法定理の考え方を使います。
これらは, 方程式や不等式, 関数の最大値や最小値を求めるときに, 角度を統一したり, $\rm{sin},\rm{cos},\rm{tan}$の種類をそろえたりできるので非常に大切です。
加法定理を学習することによって, 式変形の可能性が広がります。
いろいろな問題を解いていると, 三角関数の方程式· 不等式, 最大最小問題に帰着することもあります。
つまり, 三角関数を道具として使っているイメージです。
なので, 上で紹介したことは是非マスターしましょう。
おわりに
今回は数学Ⅱで触れる三角関数の攻略法についてお話ししました。
今後の勉強の目安になれば幸いです。
公式の多さや式変形の方法など重要事項がたくさんありますが, 1つずつ理解し, 定着させましょう!
それでは, 今回はこの辺で!
理学部数学科を卒業した後、首都圏の塾や予備校で受験数学を指導。
定義を大切にし、定理や公式の原理から問題解決の突破口を見つけ、実際に問題を解くときの考え方を示しながら答案を作成していく授業には定評がある。