皆さんこんにちは。
新年度が始まり、世界史の学習を本格的にスタートさせた人も多いのではないかと思います。
世界史学習の基本は通史の理解です。
通史とは教科書の構成のように、古い時代から順にまとめられた歴史の体系だと考えてください。
もちろん入試世界史を攻略する上では、各国史・地域史(いわゆる「タテ」の世界史)や同時代史(いわゆる「ヨコ」の世界史)へのアプローチも欠かせませんが、どのような切り口で学習するにせよ、ベースとなるのは通史の知識です。
目次
世界史の通史知識を習得するために「学習サイクル」を確立する
では、世界史の通史知識を効果的に習得するにはどうすればよいのでしょう。
それにはきちんとした学習サイクルを確立することが大切です。
世界史の通史学習の基本的な流れは、
①歴史の流れや用語の意味を理解⇨②流れを思い出しつつ用語を暗記⇨③問題集を解く
となります。
世界史の通史知識の習得①――歴史の流れや用語の意味を理解する
まず「歴史の流れや用語の意味を理解」します。
それには自分に向いている「理解のためのツール」に出会うことが大切です。
世界史の通史を「理解」させてくれるツールは、今の時代、非常に多くのものがあります。
皆さんも塾予備校・参考書・YouTube・漫画などがすぐに浮かぶことでしょう。
どれも一長一短ではあるため、実際に活用してみて判断すると良いでしょう。
『ナビゲーター世界史』を活用する
参考書であれば、以前も紹介した『ナビゲーター世界史』(山川出版社)がおすすめです。
▼参考:「大学受験生が世界史学習で使いたい、オススメの参考書【ジャンル別】」
この本はかつて山川の世界史用語集の執筆にも携わっていた、元都立高教諭・鈴木敏彦先生の著作です。
初版は90年代の終わりになりますが、改訂を重ねつつ、今では世界史受験生のバイブルとしての地位を築いています。
おすすめポイントとしては、シンプルに記述の質が極めて高いことです。
細かすぎず、荒すぎずの絶妙なラインを突く鈴木先生の筆致は名人芸というべき出来です。
さらに全編にわたり「一発でスッと頭に入る言葉」が紡がれており、膨大な内容でありながら不思議と過度な負担は感じません。
こういった点から、どこの大学を志望する受験生にも広く推奨できるシリーズといえます。
世界史の通史知識の習得②――流れを思い出しつつ用語を暗記する
次に、用語を覚え込んでいく段階になります。
多くの受験生が使っている一問一答集も、もちろん有効です。
ただし、覚え込むべき知識が集約された「知識の核」となる教材は必ず一つ用意するようにしましょう。
「知識の核」となる教材を使う
一問一答集は、あくまでこの「知識の核」となる教材の内容を習得するための手段として活用します。
「知識の核」となる教材とは、学校や塾予備校で配られる通史プリントや、市販のサブノート系参考書のことです。
サブノート系参考書とは、歴史事項が箇条書きなどでまとめられた参考書のことです。
おすすめは『改訂版 ひと目でわかる 茂木誠の世界史ノート』(KADOKAWA)です。
世界史の通史知識の習得③――問題集を解く
最後に「問題集を解く」段階です。
「流れを思い出しつつ用語を暗記」する過程で「知識の核」となる教材の内容を覚えてもらいましたが、その全てを覚え切る必要はありません。
目安ですが、おおよそ6割から7割程度を理解・暗記できたと思ったら、③の「問題集を解く」段階に進みましょう。
この段階では、問題集を解くことによって、「知識の核」の習熟度をさらに向上させることを目指します。
強い負荷をかけることによって知識の完成度を高める
問題集は一般に収録問題のレベルが一問一答よりも高いため、間違えたり、解答を思いつかない(思い出せない)ことも多いでしょう。
しかしそうした強い負荷こそが、知識の完成度を高める上で役立つのです。
「用語を暗記する」の段階で6割から7割程度だった理解度・定着度は、問題集を解く経験を積むことで自然と8割程度に向上しているものです。
そこからさらに9割以上を目指すなら、一段上のレベルの問題集に取り組んでみましょう。
これこそが、安定して世界史の得点力を上げていく黄金サイクルです。
おわりに
今回は世界史の通史学習のコツについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
世界史の通史が完璧になったら、ぜひヨコやタテの視点での知識整理に挑戦してみましょう。
さらに骨太な世界史の実力が身につくこと間違いなしです。