どうも, みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
この記事では「2022年共通テストから見る数学ⅡBで求められる力【問題分析編】」で紹介したポイントを踏まえ, どう勉強するかを解説していきます。
今回の問題を通して, 今後受験するに当たって日頃の勉強の仕方を改めて考えてみましょう。
目次
共通テストから見えてきた、数学ⅡBの勉強法
教科書に出てくるような定義, 定理, 公式等は使えるようにする
大前提として, 教科書に出てくるような定義, 定理, 公式等は使えるようにしましょう。
1 つの問題を解くときに, 学校や予備校などの担当の先生が何を知識として使っているかに注意してください。
共通テストの中では知識があるとさくさく答えられる問題も出題されますから, このような問題に対応するために必要な知識を習得しましょう。
答えに至る過程をしっかりと記述する癖をつける
そして, 次の段階にいきます。共通テストの勉強においても, 日常の勉強では答案を意識して作ってもらいたいです。
答えに至る過程をしっかりと記述する癖をつけましょう。
普段の勉強で問題を解くときに,「計算だけして答えを出して終わり」という状態になっていませんか?
この状態だと「2022年共通テストから見る数学ⅡBで求められる力【問題分析編】」で見た
・1 つの問題に対して2 つのアプローチを考える
・数学的に言えることをきちんと選べる
・式を選択肢から選ぶ
・式から読み取れることを選択肢から選ぶ
これらに対応できない可能性があります。
▼参考:「2022年共通テストから見る数学ⅡBで求められる力【問題分析編】」
さらに, 共通テストでは
・不等式の解き方と結果が書いてあり, それを利用する
・必要な計算は結果が書かれている
ということもありますから, 計算だけできても意味がないですね。
数学の問題を解くことは, 答えが求まる過程を論述していることである
ここで, 改めて数学の問題を解くということはどのようなことか, 考えてみましょう。
計算というのは, 数学の問題を解くために必要な手段で, 数学の中の一部と捉えてください。
答案作成の練習を通して根拠を確認する癖をつける
例えば「$· · · · · · a $の値を求めよ」という問題に対し, いろんな計算を経て「$a = 1$」と出たとします。
これを普段の勉強から,「$a = 1$」であることを数学の知識や計算を使って示す, と捉えてください。
そして, それを答案に起こしましょう。
何かを示すときには根拠が必要になります。
つまり, 答案ではある式が成り立つ理由や, ある値に定まる根拠が記述されていることになります。
共通テストでは, この「理由」の部分を聞かれることがあるわけです。
▼参考:「数学III の記述答案を書けるようになりたい人が取り組むべき学習法」
こういう勉強を繰り返すことで,
・数学的に言えることをきちんと選べる
・式を選択肢から選ぶ
・式から読み取れることを選択肢から選ぶ
これらのことに対応できるようになります。
別解も参考にする
そして, 模範解答などで別解が紹介されている場合はそちらも参考にしましょう。
きちんと読み, 検討し, 自力で答案を起こしてみましょう。
別解を検討することで
・1 つの問題に対して2 つのアプローチを考える
・数学的に言えることをきちんと選べる
・式を選択肢から選ぶ
・設定の複雑な問題を, 誘導に乗って解く
・式から読み取れることを選択肢から選ぶ
これらのことにも対応できる可能性が高くなります。
このように日頃から日頃から答案をつくることを心掛けていると, いろいろな問われ方に対応できる力がつくはずです。
▼参考:「大学受験の数学を勉強していると出会う「別解」を学ぶ意義と活用法とは?」
「数学は1 つの言語」であるという考え方
自分が大学時代にお世話になった教授の言葉を借りれば,「数学は1 つの言語」です。
数学の問題を解くということは, 答えが求まる過程を文章と数式を使って論述しているということになります。
その教授は「理学部の数学科の入試に現代文も課したい」と仰っていました。
「日本語が読めない, 書けない人が多すぎるから」だそうです。
普段から答案とはどのようなものなのか知らずに,計算ばかりで答えを出すことだけに集中した勉強をしている人が多いせいでしょうか。
▼参考:「数学III の記述答案を書けるようになりたい人が取り組むべき学習法」
「数学は1 つの言語」であるという考え方
今回の共通テスト数学IIB の受験生の中に, 第4 問の問題文が長く, 設定が読み取りにくいという感想がありました。
確かに制限時間がある試験の中であの問題設定の分量は多いかもしれません。
ただ, 普段から数学を読んでいない, 書いていない人は, このことも原因の1 つになっていると考えられます。
共通テストでは問題を解くのに必要な不等式の解き方と結果が書いてあったり, 必要な計算は結果が書かれていることもあるので, 計算以外もとても大切です。
是非, 日頃の勉強から答案を意識し, 数学を書き, 模範解答などで数学を読むことを心掛けてください。
情報量が多いものに対するアプローチ
さらに, 情報量が多いものに対して, どのようにアプローチが考えられるのでしょうか。
今は数学をやっていますから,
・数式で表現する
・表に整理する
・図にする
・グラフにする
ということがあります。
問題で表や図, グラフなどが与えられている場合,条件を整理してあるものが与えられています。
そのことを意識しましょう。
問題文を読みながら表や図, グラフなどと見比べると,「 問題文だけ読んで解く」よりずっと解きやすくなると思います。
今回の共通テスト数学IIB では第4問でグラフが与えられていましたね。
普段の勉強では必要に応じて自分で整理しましょう。
実際に共通テストの出題形式の対策をするのは秋以降で十分です。
上で述べた勉強をしていれば, 共通テストで問われることは日頃の勉強の部分的なものになります。
おわりに
今回は2022 年度(令和4 年度) 共通テスト数学IIB から見る現高1,2 年生の学習方針についてお話ししました。
問題を解く上で, 知識や解法は多い方が有利ですから, まずはいろいろな定義や定理, 公式を覚え, 使えるようにしましょう。
その上で問題を解くときに答案を作ることを心掛けてください。
数学を読み, そして書いてください。
それでは, 今回はこの辺で!
理学部数学科を卒業した後、首都圏の塾や予備校で受験数学を指導。
定義を大切にし、定理や公式の原理から問題解決の突破口を見つけ、実際に問題を解くときの考え方を示しながら答案を作成していく授業には定評がある。