どうも, みなさんこんにちは。
高橋佳佑です。
今回は数学Ⅲの記述解答の学習法についてお話しします。
そもそも数学とは, 答えを求めるまでの過程を含めて論証した上で, 「その結果答えはこれになる」というように記述するものです。
ですから, 今回の「記述解答の学習法」は数学全般に通じるお話だと思ってください。
実際の入試を見ると, 途中式は書いてあるものの日本語での説明がないような答案もあるそうです。
その場合, 答えが合っていたとしても点数は半分にも満たないということもあるそうです。
きちんとした答案を作ることを日頃から心がけましょう。
目次
数学の記述答案は「答えに至る過程を論証できているか」を見るもの
数学の問題を解く上で定理や公式が正しく使え, 計算して答えを出すことはとても大切です。
答案でもその記述は必要になります。
数学の記述答案では「どういう理論, 原理で答えが求まるか」を論述する
では, 数学の入試問題で記述試験を課している理由はなんでしょうか。
その理由の1 つは, 「どういう理論, 原理で答えが求まるか」を論述してほしいからです。
受験生に求められているのは計算ができるかどうかだけではないのです。
計算ができるかどうかをチェックしたいのであれば, 答えのみを解答する形式や, 共通テストのようにマークシートで解答する形式を選んだ方が採点も速く楽になります。
あえて記述試験を課しているのは, きちんと答えに至る過程を論証できているか見たいからです。
(例)方程式や不等式が成り立つ根拠
たとえば、答案に書いてほしいことの1 つに, 方程式や不等式が成り立つ根拠があります。
具体的な例を見てみましょう。
これは、$$\frac{z-\alpha}{\beta -\alpha}=\frac{\bar{z}-\bar{\alpha}}{\bar{\beta}-\bar{\alpha}}$$が成り立つ根拠を文で書いています。
$f(x)>0$という結論が得られるのは,$f(x)$が単調増加で$f(0)=0$であるから, $f(x)$が単調増加であるのは$f′(x)>0$であるからなので, これらの根拠をきちんと文として書いています。
数学の記述答案の学習法
まずは, 授業で板書された解答や, 問題集, 参考書などの解答を真似ましょう。
これらには実際に答案で書いてほしいことが載っています。
きちんと自分で再現できるように練習しましょう。
練習するときに, 解法はもちろんですが実際に答案を書くことを想定し, 数学的な表現の仕方や日本語の使い方, 論証の仕方などに注意して書き起こしましょう。
模範解答と見比べ, 記述が足りているか考える
そして自分の答案と模範解答を見比べ, 記述が足りているかきちんと考えます。
毎年受験生の答案を見ると記述の不足があったり, 日本語がおかしい部分や証明すべきことを証明せずに使っているところがあったりします。
また、不等式の証明で「等号成立条件」を書くかどうかや「場合分けの仕方」など, なかなか独学では正誤判定が難しいものもあります。
身近にいる講師に聞いたり,「Z会の通信教育」などの通信添削サービスなどを利用したりするのもよいでしょう。
記述答案の書き方やシンプルに解答できるように意識するいい機会になると思います。
おわりに
今回は数学Ⅲの記述解答の学習法についてお話しました。
数学ができるようになるためには根拠を明確にし, それを記述して論述する練習が必要になります。
最初から上手く書くのは難しいと思うので, 模範解答などを見ながら練習し,「文章を書く」ことに慣れましょう。
計算力も必要ですからそれは別物として捉えて演習を重ね, その上で答案を書く練習をしてみてください。
▼参考:「高校数学で必要な計算力をつけるために今すぐ取り組みたい問題集と学習法」
それでは, 今回はこの辺で!
理学部数学科を卒業した後、首都圏の塾や予備校で受験数学を指導。
定義を大切にし、定理や公式の原理から問題解決の突破口を見つけ、実際に問題を解くときの考え方を示しながら答案を作成していく授業には定評がある。