「日本の良いものを紹介しよう」という軸はブラさないようにしています。

伝統陶器を眺めながら食事が楽しめる 眞か2F

伊藤:伝統陶器との出会いは高校生のときでした。親友のお母さんが骨董品屋さんをやっていて、そのときに器をもらったり、「眺めていると人生のいろんなことが感じられるでしょう」というようなことを言われたりしていたんです。正直、その時はまだ何とも思っていなかったのですが、アパレルを経験してみて見方が変わりました。アパレルって同じような商品でも、ブランドによって価格が全然違うじゃないですか。そうした「価値」というものをアパレルを通して学んでいったときに、「器ってすごく面白いな」と思うようになりましたね。ただ、その時はやはり、伝統陶器と言えば大抵が高いお店の観賞用という形でしか取られていなかったんで、自分たちはそれをもう少し広げていきたいと思ったんです。だから、「眞か」を立ち上げるときから、食事を提供する器に伝統陶器を使おうと決めていました。

――伝統陶器については、オンラインショップでも扱っていらっしゃいますよね。
伊藤:初めから「いずれは伝統陶器のECサイトもやろう」と思っていました。

作家さんのいらっしゃる地方に行くと、家族でやられていたり、ITにそれほど強くない方もいらっしゃいます。作家さんはやはりデザイナーさんなので、デザイナーさんの発想と商売人の発想の両方を持っている人ってほんの一部だと思うんですよね。そこで、プロモーションやサポートの部分を自分たちができないかなと思って、あのような形でリリースしました。

▼FIREWORK ONLINE STORE

伝統を築いていくのはものすごく大変だと思うんですよ。当然「守らなくてはならない決まり事」というのはあるにしても、逆にそれでがんじがらめになっている場面もあったり、そのまま進んでいくと徐々に消えていってしまうのではないかと思うこともあったりするので、自分たちが「とにかく広げていく」という役割を担っていくのが正しい立ち位置なのではないかと思っています。

とはいえ、メインというよりは付属の事業として、じっくりやっていこうかなとは思っていますね。
この事業も含めて、自分たちには「日本のいいものを紹介しよう」という軸があるので、そこはブラさないようにしています。

――コロナ禍は飲食業界に大打撃を与えたと思います。様々な面で工夫を強いられたその時期、会社や伊藤さんご自身はどのようにお考えでしたか?
伊藤:いろいろやりましたね。通販をやってみたり、「できることをそこでやろう」と通販商材を研究してみたり、新しい事業のベースを作るような施策をやったり、研修システムを構築したりと、何かしら動いていました。

売り上げ以外ではスタッフの考え方が一番変わったように感じています。業界全体で見ても、今後の飲食業界に対して不安を拭い切れずに離脱してしまった人も多いと思いますし、うちの会社でも次の人生というか、ビジネスライフ、ライフスタイルをちょっと見直してみようという考え方をみんなが持ったという感覚がありました。
フォローアップや会社の方向性も含めて、そこが一番悩んだところですね。

僕自身、「今後どうなってしまうのかな」とは当然思いましたし、しっかり会社を経営していかなければならないので、生き残る資金の面も含めてありとあらゆる索を講じました。でも、実はやること自体はあまり変わらないとも思っていました。

「眞か」という名前の根源になっている「日々進化」という言葉には、「変化に柔軟であって、どういった物事が起きても修正して突き進んでいこう」という気持ちを込めています。そういう面でいくと、やることはこれまでと変わりません。

今後の不安材料も沢山ある状況ではありますが、結局「今、何をするの?」という話だと考えて、もう始動しています。やはり何か具体的な行動があると気持ちが前に向いてくると思うので、突き進むだけですよね。

――今後の展望をお聞かせいただけますか?
伊藤:今、うちの会社は3店舗展開していて、小さいながらも組織になってきているので、会社としての骨組みや制度など、働いてくれている人たちに対する環境をしっかりまず整備して、人にしっかり投資していく、半年にしていこうかなと短期的には思っています。
中長期的には、やはり「日本の良いもの」をより広く、、、、認知してもらえるようにしていきたいので、海外の展開も視野に入れたチャレンジをしていきたいですね。

 

次ページ
「大切にしているのは『圧倒的スピード感」と『生きた情報』」

広告

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事