こんにちは。数学講師の大塚志喜です。
今回の記事では,これから受験勉強を始める人や,数学Ⅲを勉強し始める人が,数学 IA の総復習をする際に意識して欲しいポイントについてお話ししていきます。
全て満遍なくやれるのが一番よいのですが,それでは先の内容になかなか進むことができません。
効率よく復習し,先の内容に早く入っていけるようなアドバイスができればいいなと思います。
目次
数学ⅠAの総復習はとにかく2次関数の復習から
具体的に分野の話をすると,とにかく2次関数をやってもらいたいと思います。
その理由は簡単で,2次関数を利用する場面があまりにも多いからです。
「グラフの頂点の情報がすぐに手に入る」
「グラフがサッと描ける(「サッと」が大切)」
「最大値と最小値がグラフから読み取れる」
「文字定数が含まれていても最大値や最小値をグラフから読み取れる」
こうした技術は,他の分野においても必須になります。
▼2次関数の学習で意識すべきポイントはこちらの記事で詳しく説明しています。
2次関数の計算や読み取りの技術がないと効率が悪い
2次関数の計算や読み取りの技術がない状態で先に進んでしまうと,どうなるのでしょうか。
全然難しくない問題で,本来はすぐに次に進めるところでも,何度も何度も止まってしまいかねません。
そしてその度に,IAの振り返りをしなければならなくなるのです。
それではあまりにも効率が悪くなってしまいます。
これは他の分野でも起こりますが,登場頻度は2次関数と比べ物にならないほど低いです。
まずは2次関数についてしっかりと復習して,そこから先に進む方が効率よく先に進みやすくなります。
とにかく2次関数の復習を最優先しま しょう。
2次関数以外の分野の数学 IA 総復習は同時並行で
しかし,2次関数以外の分野を疎かにしていいというわけではもちろんありません。
他の分野に関しては,数学IA以外の範囲の勉強と同時並行で少しずつでもしておいた方がいいと思います。
初めて学習してから間があきすぎないようにする
当然,入試では全分野から満遍なく出題されます。
たとえば「データの分析」の分野で考えてみましょう。
初めて勉強してから受験対策まで,全く「データの分析」に触れていない状態で勉強を始めるのと,ほんの少しでも復習済みの状態で受験勉強を始めるのでは,どちらの方が効率よく学習を進めることができるでしょうか。
データの分析は,学校では高校1年のときしか扱われないことも多いようです。
ここから何もしないまま受験勉強に突入すると,2年近く触れていない状態で学習が始まります。
高校数学に慣れてから触れると「違った見え方」をすることもある
1年生のときは高校の数学に慣れていない人が多いものです。
だから,文字をたくさん使った計算など覚えていなかったり,その場ではよくわからずとにかく結果の公式だけを覚えて乗り切ったりした人がほとんどではないでしょうか。
ある程度高校の数学に慣れた状態で触れると,また違った見え方をしてきます。
できるだけ間をあけずにその状態で過ごしていれば,いきなりデータの分析の話を始めることになってもそんなに困ることはないと思います。
※データの分析の学習方法は「[数学I ]データの分析を学習する時に意識しておきたいポイント」の記事で紹介しています。
公式は期間をあけずに手を動かす機会をきちんとつくることで覚えていく
これはデータの分析だけの話ではありません。
たとえば,余弦定理も覚えていない状態の人が共通テストの勉強などそもそもできるレベルではありません。
このような公式は,毎日呪文のようにブツブツ唱えて覚えるものではありません。
使っていくことで手で覚えていきます。
手を動かす期間が開けば開くほど自分から離れてしまいます。
期間をあけないことと, 手を動かす機会をきちんと作ることが大切です。
ですから,他の分野と並行して学習を進めることが,効率の良い復習の仕方です。
おわりに
今回の記事はどうだったでしょうか。
しっかりと手を動かしての計算を繰り返すことが,結局はかなり効率のよい復習になります。
効率を楽とごちゃ混ぜにしてはいけませんよ。
継続して触れる機会を増やせば増やすほど,最後の最後に自分に大きく返ってくることになります。
できるだけ触れていない期間を作らないように復習を頑張ってください。
ではこの辺でおしまいにしたいと思います。
また次の記事でお会いしましょう。
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