この度、 『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』(KADOKAWA)を刊行しました。
古文を長年指導してきた中で、文法学習から読解学習に移行する際につまずいて古文が苦手になってしまう受験生を毎年目にしてきました。
この『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』執筆のきっかけは、そのような受験生を何とか救いたいという思いからでした。
「文法をしっかり学習しても読めないのだから結局文法を学習する意味はないのではないか」といった誤解を払拭したい
という思いで執筆しました。
目次
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』 の特徴
基礎単語・重要文法・品詞分解までカバーする丁寧な解説
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』の1つ目の特徴は、
読解ドリルでありながら、本文に出現する基礎単語を全て解説し、設問に関わらず重要文法はピックアップして品詞分解しながら丁寧に解説している点にあります。
単語(ミクロ)が集まって一文になり、その一文が集まって文章(マクロ)になっている。
まずはこのことを知ることが古文学習の始まりです。
各テーマで短い文章を用いた設問別の訓練ができる
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』は8章20テーマから構成されています。
そして、それぞれのテーマは短い文章を使いながら設問別の訓練ができるようになっています。
具体的には、各テーマで
①そのテーマのベースとなる思考方法を「イントロダクション」で確認
②それを使って「基礎レベルのA問題」→「標準発展レベルのB問題」と演習できる
構成になっています。
〔例〕第1章「主語判別」
一例として、第1章「主語判別」をご紹介します。
この章は次のようなテーマで構成されています。
テーマ1「会話主の主語判別」
テーマ2「一人称描写の主語判別」
テーマ3「文脈からの主語判別」
テーマ4「敬語からの主語判別」
テーマ5「主語判別の総合問題」
それぞれのテーマが全て「イントロダクション→A問題→B問題」で構成されているので、段階を踏んで学習できる
ようになっています。
短い文章の中で、レベルを上げながら同じ解き方を訓練していける
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』の特徴の3つ目として、非常に短い文章を扱っているという点があげられます。
これは一つのテーマに特化し、解き方を集中して訓練してほしいという思いからです。
短い文章の中で、レベルを上げながら同じ解き方を訓練していける古文の本は今までなかったのではないかと思います。
その点で本書は画期的な本と言えます。
テーマの網羅性の高さ
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』の特徴の4つ目は、テーマの網羅性の高さです。
主語判別や現代語訳の仕方など、読解や解法の基礎をはじめとして、『枕草子』や『蜻蛉日記』の背景や和歌修辞法の基礎、さらに評論文型の文章の読解まで設問パターンを幅広くカバーしています。
特に背景知識は頻出のものに厳選している点が本書の特徴といえます。
背景知識を全て学習しようとすると広範囲を学ばなくてはなりません。
そこで、『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』では、「受験頻出のもの」、特に「最低限これはおさえておくべきもの」に厳選しました。
本書を使い、ぜひ古文の力の基礎固めを行なってほしいと思います。
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』の使い方
2.イントロダクションを意識してA問題を解く
3.最後にB問題を解く
まずはイントロダクションを熟読する
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』は、各章、各テーマ内は、「イントロダクション→A問題→B問題」となっています。
まず、イントロダクションをしっかりと熟読し、このテーマでどんな知識や技術を得るのかを把握してください。
イントロダクションを意識してA問題を解く
次に、イントロダクションを意識して、別冊のA問題を解いていきます。
ここで最も重要なのは、イントロダクションにある知識や技術を自分で再現していくことです。
本書の最初にある「記号凡例」を参考にしながら、問題を解くだけでなく、本文にマークをつけていってください。
解説編ではテーマに沿った解説以外にも、重要文法事項と単語も解説していますので、こちらも学習できるようになっています。
最後にB問題を解く
最後にB問題を解きます。
手順はA問題と同じですが、A問題よりも難易度が高くなっています。
より精緻にイントロダクションを再現することを心掛けてください。
『田島圭祐の古文読解が面白いほどできる基礎ドリル』を通じて、みなさんの古文読解力が飛躍的に上がることを願ってやみません。
首都圏の予備校や高校の教壇に立ちながら、行政書士の有資格者として法律予備校の映像講師も務める。
古典だけでなく現代文や小論文、政治経済の講座も担当。
暗記に頼らず成り立ちや語源から理解させる古典文法の指導、設問分析と精読による古文読解の指導は多くの受講生から絶大な支持を受けている。文学部出身でありながら30代で法律の学習を最初から始め、週34コマの授業をこなしながら1年半で行政書士の資格を取得した経験を持つ。