学校で配布される数学ⅠAの教材を効果的に活用する方法

こんにちは。
数学講師の大塚志喜です。

今回の記事では,『チャート式』のような分厚い教材が学校で配布されたときの効果的な学習方法についてお話ししていきます。
巷では大人気のシリーズもありますが,それを使いこなしている受験生はかなり少ないのではないかと思います。

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今回の記事を参考に,学校に用意してもらった環境をより効果的に活用できる受験生になってもらいたいと思います。

数学IAの学習で『チャート式』をメイン教材にしてはいけない

数学IAの学習でチャート式をメイン教材にしてはいけない

まずいちばん伝えたいことからお話ししていきます。
『チャート式』などの分厚い問題集は,メイン教材にして学習を進めると大抵の人が失敗するので避けた方がいいということです。

 

数学の問題集は載っている問題がきちんと解けるようにならなければ意味がない

数学の勉強で『チャート式』系の教材をメイン教材にすべきでない理由は非常に簡単です。

掲載されている問題があまりにも膨大で最後まで到達できる人がほぼいないからです。
どんなに網羅性の高い問題集を使っていても,使うだけでは効果がありません。

数学の問題集は、そこに載っている問題がきちんと解けるようにならなければ意味がないのです。

分厚い問題集は非常にたくさんの問題が載っているので網羅性は最高なのですが,載っている問題の解き方や考え方をすべて頭の中に入れるのは至難の業です。

メイン教材として学習を進めるのは避けましょう。

 

現在の実力からかけ離れたシリーズを使ってしまっていることも

数学の勉強で『チャート式』系の教材をメイン教材としてお勧めしない理由がもう一つあります。
それは,自分の力とのギャップが激しすぎる問題が多数載っている点です。

たとえば『チャート式』だと,青色(青チャート)を使っている人が多い印象です。
しかし,青色は完全に上位生向けの問題集です。
数学がかなり得意な受験生でないと,章末問題にはほぼ手が出ないでしょう。

(特に『チャート式』では)明らかに利用者の現在の実力からかけ離れたものを使っていることが非常に多いです。

 

数学の学校配布教材を活用するためには、「どの問題をやれば良いか」相談することが不可欠

数学の学習では、自分にとって適切な難易度の問題集を利用するのがいちばん重要です。
数学が苦手だという自覚のある受験生はいちばん難易度が低いと言われている白色で十分すぎるくらいです。

自分に合った問題集を購入するのがいちばん良いのですが,学校配布教材となるとなかなかそうはいきません。

身近にいる,信頼できる先生に「自分ならこの問題集のどの問題をやれば良いか」「これらの問題を解く前にやっておくべき問題はないか」と相談するのが大切です。

 

数学の分厚い問題集は「問題辞書」として利用しよう

数学の分厚い問題集は「問題辞書」として利用しよう

ではどのように分厚い問題集を利用していくのかというと,僕はいつも「辞書」のように利用するように生徒に勧めています。

『チャート式』などの分厚い問題集は掲載されている問題数が非常に多く,全ての問題を扱うことは物理的に困難です。
一方で,「網羅性」は非常に魅力的です。
「こんな問題ないかなあ」と探してみると大体載っ ています。

これをうまく利用してほしいと思っています。

 

まずは教科書の問題,教科書準拠問題集の問題が確実に解けるようになることを目指す

まずは教科書の例題,練習問題が確実に解けるようになることが重要です。

ただ,教科書だけでは問題数が少なくなかなか身につきません。

次は教科書準拠問題集(『4STEP』などの薄い問題集のことです)の問題で,ある程度の問題数をこなしてみましょう。

するとだんだんと,解き方をマネする感覚ではなく,自分の頭で考えて問題が解けるようになってくると思います。

 

数学では,問題数をこなすときに網羅性の高い問題集を部分的に活用するのが有効

ただ,ここには当然個人差があります。
一発でその系統の問題が自分の頭で解けるようになる人もいれば,数学の教科書だけではなく薄い問題集までやってもなかなか自力で解けるようにならない人もいます。

繰り返し同じ問題を解いても良いのですが,それでは答えそのものを覚えてしまいかねません。
これでは「本当に解けているのか」が少し疑問です。
繰り返すにしても,ある程度の問題数を繰り返さないと「見たことのない問題」を解く能力が鍛えられません。

網羅性の高い問題集は,ほぼ同じような問題が大体載っているだけではなく,解き方や考え方はあまり変わらないが見た目がかなり違う問題など,実践力をつける問題がたくさん載っています。

『チャート式』など、網羅性の高い問題集のそうした「実践力をつける問題」を部分的に活用すると,より力のつく学習ができるのではないかと思います。

このように,「メインの学習ツールとして最初から全て解く」使い方ではなく,あくまで「補助」「追加教材」として活用していくのが効果的な使い方です。

 

おわりに

いかがだったでしょうか。

教材をどう使っていくかは非常に重要です。
使い方によっては時間と労力をただ消費してしまう全く効果のないものになってしまいます。

効果を最大限出すために,自分に合った使い方を早く見つけましょう。

そして一番気をつけなければならないことなのですが,使い方や勉強法を考えるだけで絶対に終わらないでください。
「こうすると効率が良い,無駄がない」と方法論ばかり考えてそれを実行しない人は,効率が悪くてもちゃんと手を動かす人に必ず負けます。

予定を立てて終わる受験生ではなく,それをきちんと実行できる受験生になるようにしてくださいね。
では今回の記事はこのくらいにしておきます。

また 次の記事でお会いしましょう。

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