英語の勉強をしていて、「構文」という言葉を聞いたことはありますか?
また、英語の「精読」に対してどんなイメージを持っていますか?
実は、これらの学習を支えているのが「英文精読/構文」。
とはいえ、「なんで精読や構文の勉強が必要なの?」「どんな勉強をすれば良いの?」と思っている人もいるかもしれません。
そこで今回は、英語学習を支えている「英文精読/英語構文」の学習についてお話しします。
ちなみに、ここで言う「英文精読/英語構文」とは、S ・V ・O・ Cなどを把握し、カタマリを捉えながら英文を読むことです。
目次
英語において、精読は「文の意味」を正確に把握するために必要である
英語の学習で構文学習が必要なのは、英文を読むときに文の意味を正確に把握するためです。
S Vを中心に文構造を捉える練習が構文の初歩
次の英文の意味は(A),(B)のどちらでしょうか?
He found the book easy.
(A) 彼はその本を簡単に見つけた。
(B) 彼はその本を簡単だと思った。
正解は(B)です。
なぜでしょうか。
easyは形容詞なのでCとなり、動詞のfindと合わせて考えると、find O C「OをCだと思う」という意味になります。
(A)と(B)では意味が大きく異なっているので、これを間違えると誤読の可能性が出てきます。
このようにS Vを中心に文構造を捉える練習が構文の初歩です。
品詞や語法などを気にしながら読み、文意を正確にとることが、正確な長文読解へとつながります。
英文精読 /構文の学習を通してカタマリの把握をする
次の英文を見てください。
共通テストの試行調査からの抜粋です。
The survey also reports that students have part-time jobs because they need money for going out with their friends buying clothes, and helping their families.
この英文は共通テストに出てくる英文の中でも標準的な難易度の英文です。
しかし、少し長めで、どう読んでいけばいいのかわからない…という人のいるのではないでしょうか?
その場合は、文構造の把握に加えて、カタマリの把握が弱い可能性があります。
構造を意識して精読してみる
この英文に対して、精読を意識して読むと、以下のようになります。
この英文では、主語がthe survey「その調査」で、動詞がreports「報告している」、そしてその内容がthatから始まるカタマリ(節)で表されています。
そして、このthatカタマリ(節)の中に、さらにbecauseから始まるカタマリ(節)が入っています。
このように、英文はマトリョーシカのように、カタマリの中にカタマリが入ってしまうことがあります。
このように、S V O Cを把握し、カタマリを捉えながら英文を読むことが英文精読には必要です。
実際に長文を読むときにS Vとかの記号は振らないですよね……?
「でも実際に長文を読むときにS Vとかの記号は振らないですよね…?」という疑問があるかもしれません。
たしかに、実際の入試で全ての文に記号を振る時間的余裕はないでしょう。
無意識に構造が取れているので、文章の内容把握に頭を使えているのです。
英語の文章をたくさん読めば文構造の把握ができるようになるわけではない
英文をたくさん読めば自然と文構造の把握ができるようになるのはなかなか難しいもの。
意識的に英語の文構造を取ろうとすることは非常に大切です。
でも、これは英語長文を「速く・正確に」読む上では欠かせない作業です。
ゆっくり読んで考えてもよくわからない英文が、速く読んだらわかるということはありえません。
まずは、じっくり・じんわりと理解を深めていくことが大切です。
英文精読/構文学習の参考書はこれ!
「英文精読/構文」の参考書は多くありますが、以下の2冊をお勧めしておきます。
- はじめて「英文精読/構文」に触れる人は『英文読解が面白いほどできる基礎ドリル』(KADOKAWA)
- ある程度「英文精読/構文」のトレーニングを積んでいる人は『英文熟考(上・下)』(旺文社)
一気に全部終わらせるよりも、毎日少しずつやる中で、英文の文構造を取りながら英文を読むクセをつけていきましょう。
おわりに
このように、自分が「文構造と意味」の両方を取れた英文を、左から右に読むことを意識して復習・音読をすると読解力やリスニング力も向上していきます。
英文の構造を意識した「英文精読/構文」の学習に積極的に取り組んでみてはどうでしょうか?