今回は生物の学習において最も重要な教科書の活用について話をしたいと思います。
目次
出題者は〝教科書を見て〟問題をつくっている
生物を学習する上でなぜ教科書が重要なのかというと、入試の出題者は〝教科書を見て〟問題をつくっているからです。
当然のことですが、入試問題は、知識問題でも考察系問題でも、必ず教科書(および資料集)上の知識のみで解けるようにできている必要があります。
そうなると、出題者は教科書を見なければ入試問題をつくれないのです。
よって、教科書をマスターすることは、入試で合格点をとる上でマストな課題となります。
生物の学習は「参考書」よりもまず「教科書」
よく参考書や問題集を中心に勉強している方、また、そのような学習を促す指導者の方を見かけますが、これはちょっと危険に感じます。
参考書で得た知識は「二次的なもの」にすぎない
市販の参考書や問題集で得た知識というのは、あくまでもその執筆者がもっている知識を二次的に得ているものになります。
これは伝言ゲームに似ています。
最初の人が発信した情報というのは最後の人に回る頃には全くの別モノになっていることがありますよね。
当然、参考書などに書かれている解説というのは、「わかりやすさ」が重視されているので、説明が正確でなかったり、あるいは細かい情報が省略されていたりする場合もあります。
したがって、皆さんが参考書で得た知識というのは、(かなり極論ですが)伝言ゲームのように一時的な情報とは違ったものになっている可能性があるということは忘れないでください。
参考書や問題集の情報が最新の教科書と異なる場合もある
また、参考書や問題集に書かれている情報が最新の教科書のものと異なる場合もあります。
生物は、毎年のように新たな発見があり、それは高校生物にも反映されつつあるというのが現状ですので、大学受験に必要な最新の情報は教科書に書かれているということを覚えておいてください。
生物の教科書は用語の定義や現象の流れを覚える時に使う
ただ、ここまでで言いたいことは参考書や問題集を使うなということではありません。
むしろ、世の中には素晴らしい参考書や問題集が多くありますのでどんどん活用すべきです。
では、どのタイミングで教科書を使うべきかというと、用語の定義や現象の流れ(図)を覚える時です。
単に用語を暗記するだけなら参考書や問題集で良い
受験生の場合、単に用語などを暗記するだけなら参考書や問題集で確認する程度で構わないと思います。
用語の定義や現象の流れというものはわかりやすさを追求するほど、どうしても細かい説明などは省略されやすくなりますので、参考書などである程度理解できている知識について、改めて確認する際に教科書を利用しましょう。
非受験生は、まず教科書を読み進めて理解できない部分を参考書でカバーする
非受験生(受験まで1年以上ある方)の場合は、まず教科書を読み進め、理解できない部分を参考書でカバーしていくというスタイルがお勧めです。
参考書は教科書ガイドでも良いと思います。
そして、1単元(あるいは1テーマ)終わるごとに、学校で配られる問題集(セミナーやリードなど)を確認として解き、解答を確認する際に教科書も読んでおくと非常に効果的です。
上記の教科書の使い方はあくまでも教科書活用法の一例です。
まずは、何よりも教科書に触れることが大切なんだという認識をもっていただければと思います。