どうも、みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
今回は数学があまり得意でない、苦手な人に向けて、数学Ⅲの学習進度の目安についてお話します。
目次
数学の苦手を克服するために意識すべきこと
数学の苦手を克服するために意識してほしいことは、なぜそういうやり方で計算したのか、そもそもどういう原理で計算が成り立っているのかを理解することです。
是非、日頃の勉強からそういったことを意識してみてください。
解法暗記や答えを出すことだけ考えていても、いろいろな問題に対応することは難しいと思います。
たくさん頭を使って考えてください。
実はこのことが一番大事だと思います。
知識や解法は書いてありますが、頭を使って考えることは自分で実践するしかありません。
訓練が必要です。
ただ、一から定義を確認し原理を考えることは実際には内容が複雑であったりして思うようにいかないと思います。
そういった場合、例題等の問題を先に見て解き方を確認しましょう。
解き方をみて原理が理解できることもあると思います。
具体的な問題を通して原理を理解し、問題を解けるようにしてもらいたいです。
受験生になる前に計算力と教科書の例題レベルの問題を
とにかく計算力をつけましょう。
そして教科書の例題レベルの問題を理解し解けるようにしましょう。
平方完成や因数分解、二次方程式や二次不等式などの計算をスラスラ解けるようになるまで教科書、教科書傍用の問題集等を使い完璧にしましょう。
とにかく復習あるのみです。
■数学Ⅰ
1章の計算
2章の二次関数
3章の三角比の定義
■数学Ⅱ
1章の計算
2章の複素数と方程式
4章の三角関数
5章の指数関数・対数関数
■数学B
数列
これらを念入りに復習しましょう。
数学Bの数列では特に等比数列、シグマ計算や漸化式を意識しましょう。
さらに数学Ⅱの微積分、数学A、数学Bのベクトルも復習が必要です。
これらの復習をなるべく早い段階から手をつけていたいです。
数学ⅠAⅡBで出てくる式変形は数学Ⅲでは当然のようにでてきます。
そのことを踏まえ、計算は完璧にしておきたいです。
極端な話ですが、難しい内容は2週目の復習にまわして、1週目は計算に特化してもよいと思います。
1学期の学習はⅠAⅡBを復習しつつ数学Ⅲに。
ⅠAⅡBの復習もしつつ、数学Ⅲに入っていきます。
数学Bの数列の単元の復習後、数学Ⅲの単元「数列の極限」が理解できるようになります。
数Bの数列の知識なしではこの単元は理解しきれません。
さらに数列の和を考える「級数」のお話に進んでいきます。
このあと「関数の極限」という単元で指数や対数、三角関数の式変形が必要になります。
ここまで計算単元なので、ⅠAⅡBの復習とともに計算を習得しましょう。
計算が一段落したら「微分法」へ
計算がひと段落したら「微分法」に進んでいきます。
ここでは数学Ⅱの微分の知識が必要になりますから、同時にあるいは数学Ⅲの微分法に入る前に復習しましょう。
数Ⅲでは様々な関数を微分することができるようになります。
さらに、合成関数の微分など数Ⅱに比べると考えることが増えます。
とにかく計算に慣れましょう。
公式だけみていても理解しづらいこともあると思いますから、そのときは具体的な問題でやり方を確認しましょう。
例題を通して意味が理解できることもあると思います。
微分計算がスラスラとできないようであれば、数Ⅲの積分は手が出せません。
積分の準備にもなりますから、ここはしっかりと計算できるようにしましょう。
微分計算がある程度できるようになったら「微分法の応用」へ
微分計算がある程度できるようになったら、「微分法の応用」に進みます。
ここでは数学Ⅱのときと同じように接線の方程式を求めたり、関数の極値を計算できるようになったりします。
数学Ⅲでは変曲点というものを考え、グラフの増減、凹凸が調べられるようになります。
いろいろなグラフを描けるようになると、最大値や最小値が求められるようになり解ける問題が大幅に増えます。
方程式や不等式の応用なども解けるようになります。
これらは確実にできるようにしましょう。
最後に「積分計算」へ
最後に「積分計算」です。
微分の計算に慣れていることが前提になります。
積分をする際、微分して元の関数に戻ることを必ず確かめながら丁寧に積分していきましょう。
数学Ⅱで扱った積分よりもテクニカルなものもありますから時間をかけてまずはしっかり計算できるようになることが目標です。
数学ⅠAⅡBの復習も忘れずに
式変形ではⅠAⅡBの知識も必要になりますから、その復習もかかせません。
「部分積分」や「置換積分」は数学Ⅲで初めて出てくる方法です。
慣れることも必要だと思うので、問題をたくさん解きましょう。
ここまで、とにかく計算に力を入れています。
数学Ⅲの極限、微分、積分は計算力が必要になります。
ⅠAⅡBの復習とともに時間をかけてしっかり計算できるようにしましょう。
数学Ⅲ、夏の学習
夏がやってきました。
1学期に学習したⅠAⅡBの復習、数学Ⅲの計算演習もしつつ数学Ⅲの「積分法の応用」を考えてみましょう。
数学Ⅱの積分とリンクする図形の面積は理解しやすいと思います。
数学Ⅲでは体積が求められるようになります。
「式と曲線」「複素数平面」の学習へ
さらに飛ばしていた単元に戻ります。
「式と曲線」と「複素数平面」です。
「式と曲線」の単元では、曲線の定義を覚え、曲線の方程式を求められるようにしましょう。
焦点や準線など新しい言葉も出てくるので覚えることも増えます。
実際、入試では微積と融合されることも多いです。
ここでもまずは教科書基本レベルをきちんと仕上げ、発展問題はあとまわしでもよいでしょう。
「複素数平面」はベクトルと似た部分もあるので、そちらを復習してから進めます。
複素数の計算法則に慣れ、図形への応用を考えます。ここでもまずは計算を完璧にできるようにしましょう。
夏までに数学Ⅲの極限、微分、積分の計算演習を徹底し計算力をつけましょう。ⅠAⅡBの復習もしつつなのでとても大変だとは思いますが、何より計算力は重要です。
数学Ⅲ、2学期の学習は実践的な問題演習を
いよいよ2学期です。
秋のうちに受験用の基本的な問題集を1冊完璧に仕上げることを目標に実践的な問題演習をしましょう。
知識の抜けがあるか確認し、その都度内容を復習してください。
極限、微分、積分の計算演習も忘れずに。
問題集にある問題を1題1題しっかりと考え、粘ってください。
とにかく手を動かしてやってみることが大切です。
やってだめなら他の方法を考えましょう。
頭を使って考える練習をする
解法を覚えることも大切ですが、頭を使って考える能力をつけないと初見問題には対応できません。
頭を使う練習を日頃からやりましょう。
どうしても解けなければ、どんな流れで答えを導いているのかに注意しながら解答を読んでみましょう。
そのあと必ず、自分で答案を再現してみます。
そして解けなかった理由を分析し、自分の言葉でコメントを残すことをお勧めします。
残ったコメントは自分の弱点なので、次からはそれを意識して問題演習や復習をしましょう。
1つずつ自力で答案が作れるようになるまで何度も問題を解いてほしいです。
冬になったら過去問演習を
冬になったら過去問演習をしてみます。
現在の力で制限時間内にどのくらい問題ができるのか把握しましょう。
なかなか思うように解けない場合、原因を考えてみましょう。
分野ごとの知識、総合問題に対するアプローチ、時間配分など様々だと思います。
入試では満点を取る必要はないので、どの問題が解けるようになるべきかを考え、復習しましょう。
おわりに
数学が苦手な人は、とにかく計算力をつけましょう。
いろいろな問題を解くために、展開や因数分解、平方完成、さらに数学Ⅲでは微分計算や積分計算など計算力が必要になります。
これらがスラスラできなければ、その先の問題にたどり着くまでに時間がかかります。計算の土台はⅠAⅡBの中にあるので、なるべく早い段階からこれらの復習をしてほしいです。
少なくとも計算分野を完璧に理解し、解けるようにしておきましょう。
数学Ⅲの学習をしながら、その都度復習も忘れずにしてほしいです。
特に1学期と夏のうちは、基本的な問題に焦点を絞りましょう。
2学期以降に必ず復習し、とばしてきた内容を確認してください。
焦ってはいけません。基礎を徹底し、原理を理解しましょう。
ここまで、お話したことは理想のペースです。
思うように進まないこともあると思いますが、焦らず丁寧にしっかりと考え抜いてほしいです。
それでは、今回はこの辺で!
理学部数学科を卒業した後、首都圏の塾や予備校で受験数学を指導。
定義を大切にし、定理や公式の原理から問題解決の突破口を見つけ、実際に問題を解くときの考え方を示しながら答案を作成していく授業には定評がある。