[9・10月]現代文の実戦力を養う
これまでに身につけた力をもとに、より実戦的な力を養っていきます。
ここでも、「解くだけ」「こなすだけ」にならないように注意してください。
丁寧に文章を読み、丁寧に問題を解き、丁寧に復習をし、次の問題を解く際に生かす意識を持ちましょう。
本文内容についての理解にもこだわってください。
現代文では「苦手なテーマの文章」というのがそれぞれにあるものですが、そうしたテーマにも慣れていくことが必要です。
[11月〜]過去問演習/形式になれる
この時期からは、それぞれの志望大に合わせて過去問演習をしていきます。
最大の目的は、大学が要求する現代文の水準の確認と、形式に慣れることです。
大方の予想と異なり、令和3年度の共通テスト現代文では実用文の出題や韻文の出題等が見られませんでしたが、今後も出ないとは限りません。
また、問われ方が新しくなった問題も見られました。
これらの問題についてはある程度の「形式慣れ」も必要です。
過去問や問題集を通して形式に慣れていきましょう。
知識事項の確認も忘れずに
この時期も、漢字・語彙・さらには文学史等の知識事項の確認は忘れずに行いましょう。
これらの対策は手薄になりがちですが、短時間の学習でも構わないので毎日継続して行うことが重要です。
他科目の学習から現代文に切り替える際、漢字に取り組んでから読解演習を行う、朝起きた直後に漢字の問題に取り組んでみるなど、隙間になるであろう時間を有効活用しましょう。
おわりに
現代文という科目を扱っていて、たまに聞かれることがあります。
曰く、
筆者までも間違える問題に何の意味があるのか
曰く、
解釈は自由だ
たしかにそうかもしれません。
でも、誤解を恐れずに言えば、私にはそれだけが真実だとは思えません。
文章には適切な書き方があり、適切な読み方がある。
あるいは、文章には妥当な書き方があり、妥当な読み方がある。
それを私たちは一生かけて学び取っていくものなのではないかと思っています。
今の自分に「妥当な」読み方ができているのかを自問自答しながら文章と向き合い続けるのではないかと。
その一つの指針というか、補助線になるのが大学入試現代文の設問なのではないかとも。
そういえば以前、友人がこんなことを言っていました。
今の課題はプリセットの知識量もそうだけど、いかに目の前の課題を把握して、知らない知識の調べ方が分かっていて、資料を読み込んで理解する能力だと思うんだよなぁ…
※プリセット――ここでは「あらかじめ持っている」の意
この友人は教育業界にいるわけではないのですが、様々な企業と関わる中でこう感じたそうです。
文章は言葉を用いている以上、「唯一絶対の解釈」というのはなかなか決まらないものではありますが、「適切な理解」「妥当な解釈」というのは重要です。
大学入試に向けた現代文の学習がその土台を築いていくことにもつながるのかもしれません。
もちろん、大学での学びの基礎になるのが「文献を適切に読み、適切に理解する力」であるのは言うまでもないことですが。