どうも、みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
今回は数学が得意な人に向けて、数学Ⅲの学習進度の目安についてお話します。
おそらく数学が得意な人は高校2年生の12月くらいには数学ⅡBの内容を習い終えていると思います。
なので高校2年生の1月から数学Ⅲの内容を学習することを想定します。
目次
受験生になる前に最優先で取り組むべき事項
数学Ⅲにおいて、極限の計算、微分の計算、積分の計算は最優先で仕上げてもらいたいです。
数Ⅱで扱うものより難易度が上がり、テクニックを要するものもあります。
まずは計算力を強化しましょう。
「数列の極限」「無限級数」の計算から
いろいろな数列がどのような値に近づいていくか、あるいは特定の値には近づかないかを調べる「数列の極限」から始まり、無限に続く数列の和について考える「無限級数」の計算を教科書や参考書で見ながら解いてみましょう。
数学Bでやっていた数列と同じような話がたくさん出てくるので親しみやすいと思います。
数学Ⅲらしい部分は、解けない漸化式で定められる数列の項がある特定の値に近づくことの証明です。
是非チャレンジしてみましょう。
∞の概念に慣れてきたら、「関数の極限」へ
数列の極限で$\infty$の概念に慣れてきたら、次はいよいよ「関数の極限」です。
いろいろな公式が出てくるので証明を考えながら計算できるようにしましょう。
これは導関数を定義に従って求めるときに必要であり、またグラフを書くときにも必要になります。
極限計算が一通りできるようになったら「微分計算」
極限計算が一通りできるようになったらいよいよ「微分計算」です。
このとき、“合成関数”や“逆関数”という言葉が出てくるので、このときに数学Ⅲの別の章「関数」のところで学習しましょう。
ここでは分数関数や無理関数がでてきます。
この単元は「極限」の単元と同時並行でもよいと思います。
微分計算がある程度できるようになったら微分法の応用に
微分計算がある程度できるようになったら、「微分法の応用」に進みます。
ここでは数学Ⅱのときと同じように接線の方程式を求めたり極値を求めたり、グラフが描けるようになります。
いろいろなグラフを描けるようになると、最大値や最小値が求められるようになり解ける問題が大幅に増えます。
是非チャレンジしてみましょう。
最後に「積分計算」
最後に「積分計算」です。
微分の計算に慣れていることが前提になります。
微分して元の関数に戻ることを確かめながら丁寧に積分していきましょう。
数学Ⅱで扱った積分よりもテクニカルなものもありますから時間をかけてまずはしっかり計算できるようになることが目標です。
受験生になる前にここまで仕上げておけば、かなりゆとりをもって受験勉強を進められます。
また、計算を先にやることで別の単元の勉強中でも微積の計算演習をすることができます。
数学Ⅲでは計算力がとても大切です。
受験生の1学期
いよいよ受験生です。
微分や積分の計算の復習をしつつ、積分と不等式、積分と漸化式などまだまだやるべきことはあります。
積分法の応用
積分の計算がある程度できるようになったら、「積分法の応用」に進みましょう。
面積を求めるのは数学Ⅱと被る部分もありますが、$y$軸方向での積分など新しいものもあるので原理をしっかり考えながら学習しましょう。
積分が落ち着いたら「複素数平面」と「式と曲線」へ
積分が落ち着いたら、数学Ⅲの飛ばしていた単元に戻ります。
「複素数平面」と「式と曲線」です。
「複素数平面」はベクトルと似た部分もあるので、そちらを復習しながら進めます。複素数の計算にも慣れましょう。
「式と曲線」はいわゆる二次曲線といわれる放物線、楕円、双曲線です。
これらの定義を理解し問題を解きましょう。
この単元は、入試では微積と融合されることも多いです。
極限や微分、積分の計算演習を続けながら残りの単元も仕上げましょう。
1学期の間に一通りの単元に触れ、極限、微積の計算は継続して演習しましょう。
また、「複素数平面」、「関数」、「式と曲線」は高校2年生のときに、極限計算や微分計算と平行してもよいと思います。
受験生の夏
1学期までに一通りの内容に触れることで、夏に勉強すべきことが分かるのではないでしょうか。
夏はその内容の強化と、繰り返しにはなりますが微積分の計算演習をしっかりやりましょう。
ここまで計算をやっていればやや発展的な問題や論証問題にもチャレンジできると思います。
志望大学の過去問を1度解き、自分が勉強すべき単元を見つけるのも有効です。
夏前までに基本的な知識がついていればこれ以降、自分の勉強をコントロールできると思います。
標準的な問題集などを使って実践的な問題にも対応できるようにしましょう。
受験生の2学期
1学期までに稼いだアドバンテージがあるので夏、2学期は自分で勉強がコントロールできると思います。
自分には何が必要なのか、どの単元を強化すべきなので把握し、学習しましょう。
実践的な問題を通し、きちんとした答案が書けるように演習問題を重ねます。
問題集を1冊完璧に仕上げてもよいですし、単元ごとに使うのもよいでしょう。
早ければ秋から過去問演習を通し、実戦形式の問題に慣れましょう。
数学に余裕があるのであれば、きちんと苦手科目とも向き合ってください。入試は総合点で合否が決まります。
おわりに
数学が得意な人は、おそらく数学Ⅲの内容もある程度すぐに理解できると思います。
ただ、理解することと自分で解けることは違うので早い段階から計算力をつけましょう。
これが大きなアドバンテージです。
単元を仕上げることに追われることなく、実践的な演習を自分のペースで行えるので、計算はできるだけ早くに手をつけましょう。
ここまでお話したことは理想のペースです。
実際には学校生活などで思うようにいかないかもしれません。
遅くとも夏までには数学Ⅲの内容を一通り仕上げましょう。
実践的な問題演習の時間をきちんと確保して、きちんと得点することを意識した勉強時間をなるべく多く取りましょう。
数学が得意なことが入試において大きな武器になることを祈っています。
それでは、今回はこの辺で!
理学部数学科を卒業した後、首都圏の塾や予備校で受験数学を指導。
定義を大切にし、定理や公式の原理から問題解決の突破口を見つけ、実際に問題を解くときの考え方を示しながら答案を作成していく授業には定評がある。