共通テスト[数学IA]で失敗しないための対策方法

こんにちは。数学講師の大塚志喜です。
今回の記事は共通テスト数学 IA についてです。

何が出てくるかわからないからこそ、やっておきたい対策について書いていこうと思います。

共通テストで大事だと考えられる能力

まだ本番の試験が一度も行われていないので本当に何が起こるのかわからないのですが、とにかく数学 IA で大切になってくるのは、

技術があるのは当たり前。
その技術をどう使うのか、そしてそもそもその技術が正しい技術だと言う保証はどこにあるのか

ということになるのではないかと思います。

 

答えさえ出ればそれでいいという考え方では通用しない

本番ではありませんが、大学入試センターが作成した試行調査問題では、センター試験と大して変わらない問も見られましたが、「どのようにして自分の知識と目の前の課題を結びつけるか」や、知っている公式や定石の根本を聞いてくる問題も多数見られました。

答えさえ出ればそれでいいという考え方では通用しないような問題が多数あり、普段からしっかりと数学をやっていくことが大きな対策になります。

「なぜそのやり方で解けるのか、なぜその公式は正しいのか」と、なんでも当たり前だと思わずに「なぜ」を大切にして普段の学習をすることが、共通テストのいちばんの対策になるのではないかと思います。

 

問題例――共通テストで求められる力

ではすこし具体的に見ていきましょう。
穴埋めに拘らず、普段からこのように意識することが大切です。

△ABC において、
$a^2 =b^2 +c^2 -2bc~\text{cos}A$
が成り立つ。
なぜ成り立つのか説明してみましょう。

 

自分の言葉で相手にしっかり説明する練習をする

どうでしょうか。

余弦定理は知っていますね?
しかしその余弦定理をしっかりと証明できる人は、どのくらいいるでしょうか。

そもそも何をやっているかわからなない人もいれば、場合分けに不備のある人など多数見受けられます。
垂線を引いて三平方の定理を2回用いるだけなのですが、一応場合分けもあり、しっかり書こうとすると意外と大変です。

しかしこれが会話形式になって出題される可能性もゼロではありません。
少なくとも共通テストでは、センター試験よりは高い確率で出てくることが予想されます。

大切なのは、教科書に載っている証明を覚えて書き写すことができるようになることではなく、自分の言葉で相手にしっかり説明する練習をすることです。

普段から意識していろんな公式や定石を見てみると、理由がしっかりしていないものがたくさんあるはずです。
直前期の今だからこそ、当たり前に覚えている公式や定石を見直してみても良いのではないでしょうか。

 

もう一つの大切な能力

試行調査のような出題形式になるのであれば、もう一つ大切な能力を鍛えなければ大きく点数を落としてしまう恐れがあります。

 

文章をいかに早く正確に読み、与えられた情報を整理するか

それは、「文章をいかに早く正確に読み、与えられた情報を整理するか」という能力です。

試行調査の大きな特徴として、問題文が非常に長いことが挙げられます。
実際にやろうとしていることは全然大したことでなくても、長い状況説明のせいでとても難しい設定だと勘違いしてしまう生徒が非常に多いように感じます。

過去問のない共通テストといっても、高校数学IA、IIBの試験です。
試験範囲がそれを超えることはありません。
しっかりと数学の勉強をしてさえいれば、勉強してきたこと以上の内容が出題されることはまずないわけです。

すると問題になってくるのは、「問題内容をいかにはやく理解するか」ということです。

文章を読むスピードには当然個人差があります。
遅い人ほどしっかりと訓練を積んでいかなければ、そのせいで点数を落としてしまうことになります。

これは本当にもったいないことですので、しっかりと訓練していきましょう。

 

問題内容をはやく理解するポイント

まず絶対にやってはいけないことをはっきり言っておきます。

必要な情報だけを拾い読みするような、所々読み飛ばす読み方は絶対にやめましょう。

いつどこに重要な内容が書かれているか全くわからない文章で読み飛ばしをするなど言語道断です。

読まなければ問題内容はわかりません。
必ずしっかり全文読みましょう。

本当に大事なところを読み飛ばして問題の解釈を間違えてしまうようなギャンブルは絶対にやめましょう。

 

スピードを鍛えるための訓練方法

それを踏まえた上で、おすすめの訓練方法を一つ紹介しようと思います。

・市販の予想問題集を制限時間無制限で解いてみる
・丸つけ
・ 解けなかった問題の復習
・ かかった時間が制限時間をどのくらい超えていたのか確認する
・超えてしまった原因を検証する
・ 何を改善すればそこで時間を短縮できるか検証する
・ もう一回同じ問題をやってみる
・次のセットへ

時間がかかりすぎるのには必ず原因があります。

例えば上のやり方のように、ただ問題が解けるようになる復習だけでなく、自分はどこで時間を使いすぎたのか、こういうときはどう対処すればより短い時間で切り抜けられぬのかなどを検証することが大切です。

適当にセットをこなすのではなく、次にどう生かすかを検証してから次のセットに進むようにしましょう。

 

おわりに

今回は共通テストについて色々と書いてみました。
いかがだったでしょうか。

今年の受験生の皆さんは本当に不安だと思います。
姿の見えない敵を相手にするのは一番怖いことでしょう。

しかし、所詮は範囲が決まった高校数学です。
形式にとらわれることなくしっかりと勉強してきた内容が出せるように、普段の勉強を精一杯頑張ってください。

では今回はこの辺で失礼します。
また次の記事でお会いしましょう。

広告

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事