日々の演習の中で、「長文読解のスピードが思うように上がらない」「演習していて解く時間が足りない」と思う人はいませんか?
今日は、そんな方のために「英文を読むスピード」と「時間の壁」についてお話ししていこうと思います。
目次
速読の簡単なテクニックはないし、必要もない。
大学受験の英語「速読」にテクニックは存在しません。
厳しい話に聞こえるかもしれませんが、こうすれば速く読める! のような方法論はないのです。
でも、安心してください。
現在の大学入試に合格するために過度な「速読」は必要ありません。
時間が足りない人に必要なのは「英文を読むために必要な基礎学力」
でも「共通テスト模試や過去問で時間が足りない」という人も多いです。
時間が足りない人に欠けているのは「速読の技術」ではなく、「英文を読むために必要な基礎学力」です。
「英文を読むために必要な基礎学力」とは次のことを指します。
・イディオムの知識
・文法の知識(特に、準動詞・関係詞・接続詞・比較)
・英文の構文把握能力 / 精読力
これらの知識のうちどれかが大幅に欠けていると、英文を読むこと自体ができません。
そして、これらのことを意識して毎日ある程度の長さの英文を読んでいれば、合格に必要な「速読力」は自然と身につきます。
文章を読むのが遅い人がやるべきトレーニング
「英文を読むために必要な基礎学力」を意識して英文を読むには、以下の手順でトレーニングしていきましょう。
② この英文について語彙・文構造などを確認し、全て意味が取れるようにします。
③ その後、何も書いていない同じ英文を、試験に必要な速度でもう一度読みます。
この作業をしていると、理解が曖昧なところが出てきます。
その際に、先ほどの項目のうちどこで詰まっているのかを確認し、一度語彙・文構造をチェックし直します。
この作業を繰り返すことが、「速読力」向上につながる日々のトレーニングです。
これでは内容が頭に入ってきません。
これは、「速読」を意識しすぎるあまり、アルファベットを目で追いかけているだけです。
その状況を1日でも早く脱することが大切です。
内容理解を目指して
速読が苦手な人は、英単語 / イディオム / 文法 / 英文の構文把握能力のいずれかに脳のエネルギーを多く消費していてしまい、内容理解に脳のエネルギーを使えていません。
もしかすると、読むのに時間を使っているのではなく、解くのに時間を使っているから時間が足りないのかもしれません。
内容理解をするためにいくつかの重要なポイントがあります。
以下のことを意識すると、内容理解を促す手がかりになるかもしれません。
英語長文理解のポイント①――「わからない」と思ったことは、どこかで説明される。
英文を読むときには、
と考えるのが基本姿勢です。
1番まずいのは、
となってしまうこと。
英語長文理解のポイント②――左から右へと訳し下げる。
英文を読んでいる際に、視線が英文の中を行ったり来たりしているうちに、ごちゃごちゃになってわからなくなってしまうのはNG。
英語長文理解のポイント③――文章を読むときには、先の展開を予測しながら読む。
英単語・文法・文構造に関する自分の知識を使い、理詰めで考えていきましょう。
英語長文理解のポイント④――文と文 / 段落と段落の関係性を捉える。
英文やパラグラフの内容理解をするために、文と文 / 段落と段落がどのような関係にあるのかを把握しましょう。
そして段落と段落がどのような関係にあるのかを把握することは内容理解の上で非常に大切です。
これをできるようにするためには、日々の演習でパラグラフ毎の要約を(頭の中で)作ることが大切です。
おわりに
今回は「速読」をテーマに話をしました。話をまとめると、
● 入試突破に必要な速読力は日々の意識的な演習で培われる
というものでした。
この2つを踏まえた上で、いくつかの具体的な方法論を示したので参考にしてもらえると嬉しいです。
受験勉強はここからが正念場。
焦らず・たゆまず・着実に実力を伸ばしていきましょう!
首都圏の塾・予備校で英語科講師として活躍。大学院時代の専門は19世紀イギリスの倫理学。好きな思想家はJ.Sミル。読解の精密さを追求する授業は上位生を中心に熱い支持を受けている。