昨年の夏、新しい参考書を出版しました。
タイトルは『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』(学研プラス)です。
おかげ様で重版出来となった本作ですが、一般的な一問一答集とは作りが異なるため、そのコンセプトについては周知し続ける必要を感じています。
コンセプトの内容は本書の「まえがき」に総括されているのですが、ぜひ多くの方にご覧いただきたく、ここにに全文を掲載することにしました。
以下、まえがきの転載です。
「まえがき」
世界史の学習では、「一問一答集をやるだけでは不十分だ」とよく言われます。
それは、多くの一問一答集が単純に「用語そのもの」を覚えるよう設計されているからです。
そのような単線的な学習は、たしかに初学者が取り組むには手軽で良い面もあるのですが、ある程度以上の得点力向上は望めません。
本書を手に取った皆さんにも、次のような経験があるのではないでしょうか?
⑴ 過去問や模試の答え合わせをしてみたら、知っているはずの用語にもかかわらず、なぜか正解できなかった。
⑵ 一問一答集で覚えたはずの用語にもかかわらず、正誤判定問題になると、なぜか間違えてしまった。
こうした状況に陥る原因はじつにシンプルです。それは、用語の「多面的な問われ方」を理解していないからです。
大学入試では、一つの用語に対してどれだけの情報を記憶しているかが求められます。ただ用語を知っているというだけでは、得点に結びつきにくいのです。
この⑴⑵の悩みに対して、従来の学習法では「実戦的な問題集や過去問に取りくむこと」や「用語集を読みこむこと」などが、主たる処方箋でした。
しかし、一問一答集のような用語網羅性のある体裁で、かつ実戦的な問題演習を兼ねた学習効果をあげられる「用語問題集の決定版」は作れないものか?
この問いに対する答えをひっさげて、『世界史単語の10秒暗記 ENGRAM2250』は誕生しました。
本書は、世界史参考書の歴史ではじめて、「用語集」と「一問一答集」の機能を一冊に集約することに成功しました。
「用語がどう問われるかのまとめ」と「用語を定着させるための問題演習(一問一答)」を、ちょうど英単語帳のようなレイアウトで、見やすい見開きページに整理しています。
本書は、用語集による学習の「多面的な内容理解」をふまえたうえで、出題キーワードを精選することで単純明快かつ効率的なインプットを可能にしています。
また、見開き右ページに一問一答を掲載しており、一問一答集ならではのスピーディーなアウトプットは本書にも健在です。
本書を使って学習すれば、標準的な「問われ方」はもちろん、難関大にみられるような角度を変えた「問われ方」にも正解できる総合力が身につきます。
本書を活用した多面的で骨太な学習により、用語を使いこなせる受験生、入試で点が取れる受験生へと生まれ変わりましょう。
本書があなたの第1志望校合格の手助けとなることを願ってやみません。