高校2年生の冬は受験生にとって勝負の時期だよね。
受験勉強は3年生から始めて余裕で間に合うものではないよ。
その証拠に高校3年生はおろか,浪人生でさえも時間が足りないと嘆いているんだ。
もちろん,配点が大きく,成績が伸びるまでに時間がかかる英語を優先することに異論は全くないけど,日本史を完全にあと回しというわけにもいかない。受験勉強は他の生徒が本気を出していない時にやるのが,最も効率的だよ。プロサッカー選手の本田圭佑選手も雑誌の記事で「部活の練習が休みの日はチャンスだと思った。他の選手に差をつけられるから」と語っていたのを覚えている。周りより早く受験勉強を始めることが3年生になってからでは出来ない合格への近道なんだ。そこで,今の時点で高校2年生に日本史学習で取り組んでおいてほしいことを2つ紹介しておくよ。
日本史の時代概観をつかもう
例えば,奈良時代に起きた長屋王の変という出来事を知っているかな?
藤原四子(武智麻呂・房前・宇合・麻呂)が長屋王を自害に追い込んだ事件で,四子が事件を起こした目的は妹の光明子を皇后に立てることで藤原氏の血を引く阿倍内親王を皇太子にすること。結果,藤原氏の企みは成功し,事件後に阿倍内親王は女性初の皇太子となり,その後即位して孝謙天皇になったんだ。つまり,藤原氏の権力アップのために計画された出来事だったんだね。
もちろん,このような事実を理解することも大切だけど,細部にばかり目を当てすぎると日本史の全体像が掴みづらくなる。このような細かいことは,今後に加えていくとして,まずは時代の大枠をつかむことを意識しよう。
例えば,奈良時代であるならば,天皇と天皇のもとで政権を担当した人物を列挙できるようになろう。
政権担当者を順番に並べると,藤原不比等→長屋王→藤原四子→橘諸兄→藤原仲麻呂(恵美押勝)→道鏡→藤原百川。
並べてみると気がつくと思うけど,奈良時代は藤原氏と藤原氏以外の勢力が交互に政権を担当しているんだ。奈良時代は藤原氏と藤原氏以外の勢力が権力を争った時代なんだね。その事を意識できると,藤原四子が長屋王を自害に追い込んだり,藤原仲麻呂政権の時に橘奈良麻呂が事件を起こしたりしている理由が理解できるよね。
このような大きな流れをざっくりと把握することが,今後の日本史学習で大きな力になるよ。学校や予備校の授業ノートや教科書を用いて,日本史の大枠を書き出してみよう。ポイントは細かい単語にこだわらず,とにかく大きな流れを抜き出すこと。抜き出したら,学校や予備校の先生にみてもらうと良いんじゃないかな。努力している生徒をみて嫌がる先生はいないよ。使えるものはトコトン使っていこう(笑)
入試傾向を知ろう
これから本格化する受験勉強。
がむしゃらに勉強するだけでは競争に勝つのは難しいよ。
勝つためにはどうしたら試験に勝てるのかを知らなくちゃね。
そこで,次のセンター試験をうまく利用してみよう。
先輩の声としてよく聞くのは,
「センター試験の問題は英語や国語は学校で解かされたけど,日本史は解いていません」という声。
これはとてももったいない。
日本史もぜひ解いてもらいたいんだ。
もちろん,高2生の段階で日本史で高得点を取るのは難しいよ。
でも,確認して欲しいのは,全体の点数じゃない。今の自分の勉強方法が正しいかどうか。
おそらく君たちには今,学校で勉強している時代があるでしょ?前回頑張った定期テストの範囲でもいい。センター試験は大問ごとに出題される時代が分かれているから,その時代の大問だけでも解いてみて欲しいんだ。〔大問1は時代を跨またいだテーマ史,大問2は原始・古代史,大問3は中世史,大問4は近世史,大問5は近代史(江戸幕末~明治時代中心),大問6は近現代史(大正時代~昭和戦後史中心)〕
勉強した範囲がちゃんと得点できてればOK,でも問題が解けなかったら勉強の仕方に問題があるわけでしょ?それを早いうちに掴めるのは大きな意味があるよ。受験直前まで頑張って努力したのに,勉強の仕方を間違えてましたでは泣くに泣けないよね。