
大学受験をする上で、「科目選択」はしっかりと考えて行いたいものです。
とはいっても、自分だけではどうすれば良いのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこで、特に悩みの声を聞くことが特に多い日本史と世界史について、日本史講師の河原先生、世界史講師の鈴木悠介先生にそれぞれの科目の特性やどんな人に合っているかを紹介してもらいました。
今回から2日にわたってお送りします。
受験科目選びで迷っている人も、すでに学びたい科目が決まっている人も必見です。
(編集:N)
目次
中学社会との繋がりも踏まえた科目選択のヒント
今回は世界史とのコラボということで、科目選択において日本史と世界史のどちらにしようかと悩んでいる方に向けて、科目選択のヒントをお伝えしていきましょう。
僕は中学社会も教えているので、中学社会との繋がりも踏まえて考えてみたいと思います。
中学社会の歴史はほとんど日本史だから日本史を選択した方が良い?
まず、高校で扱う日本史・世界史は覚える量が非常に多いということはどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
それは事実です。
もちろん、全てを丸暗記すれば良いかというとそうではないのですが、中学社会とは比べものにならないくらい覚える量が多いです。
では、日本史と世界史で覚える量は変わるのでしょうか?
つまり、日本史と世界史で覚える量はほとんど変わりません。
ちなみに、中学の社会では日本史が中心なので、日本史の方が有利と思われがちです。
しかし、高校日本史の分量は非常に膨大なので、中学社会の歴史が得意だったのであれば、多少有利に働くかもしれませんが、苦手であったり、丸暗記で乗り切った人は日本史でも世界史でも負担自体はあまり変わらないと思います。
中学社会で扱った日本史の全時代が時代順に言えるか確認してみる
1つの指標として、中学社会で扱った日本史の全時代が時代順に言えるか確認してみましょう。
大学受験日本史でも時期を区別できるか問う問題は非常に多いので、そのベースができている分、勉強がスムーズになるでしょう。
逆に、全時代がすぐに言えない方は、日本史と世界史でそれほど負担は変わらないと思うので、このあとお話する別の視点で考えてみると良いと思います。
中学の公民分野が得意なら日本史学習を進めやすい
意外に思われるかもしれませんが、中学社会の公民分野が得意であれば、日本史を選ぶと有利になるかもしれません。
理由をお話しする前に、日本史と世界史の科目の特性を説明する必要があります。
世界史と日本史の科目特性
先ほど述べたように、日本史と世界史で覚える量自体は変わりません。
一方で日本史は1カ国の歴史ですので、非常に深く掘り下げていきます。
イメージとしては、世界史は広く浅く、日本史は狭く深くといった形でしょうか。
日本史の近現代史を学習するのに中学公民の知識が不可欠
日本史は、近現代史になると中学公民の知識が不可欠です。
この記事を読んでいるあなたは以下の質問に答えられるでしょうか?
・与党と野党の違い
・インフレとデフレの違い
・円高と円安で何が変わるの?
これらの質問になんとなくでも答えられるのであれば、日本史を選択すると学習が進めやすいでしょう。
逆に全然答えられないという方は日本史を選択すると近現代史以降特に苦労するかもしれません。
特に進学校では、これらの知識はある程度わかっていることを前提で授業は進行します。
そのため、もし日本史を選択した方の中で、中学社会の公民分野に不安があるのであれば、政治分野と経済分野だけでも時間のある高1高2のうちに確認すると良いでしょう。
科目選択で最も大切なのは「学ぶモチベーションが保てるかどうか」
日本史・世界史の科目選択をする際に、みなさんが参考にするであろう中学社会との関連を中心に科目選択の考え方をお伝えさせていただきました。
しかし、これまでの質問に答えることができなかったからといって日本史を選択するなといっているわけではありません。
科目選択で一番大切なことは学ぶモチベーションが保てるかどうかだと僕は考えています。
例えば以下に当てはまるケースであれば、これまでのお話よりも重視すべきでしょう。
・将来行きたい学部で日本史の知識が必要(歴史学科に行きたい・日本文学に興味がある)
・学校の先生の中にすごく興味のわく日本史の授業をしてくださる先生がいる
もちろん、世界史でも同様だと思います。
長い受験勉強を戦い抜くためにも、モチベーションは非常に大切です。
どうしても決められないという時は、どちらが学ぶモチベーションが湧くかで考えるのも一つの手だと思います。
そして、受験で使う科目が決まった場合は、ぜひE Lの記事を参考に受験までの大まかな計画を立ててみましょう。
決まったその日から受験勉強を始めてくださいね!
