
こんにちは、羽場です。
現代文、特に評論文を読んでいて「文章の中の言葉が難しすぎて頭に入ってこない」という経験をしたことはありますか?
今回はそんな状況を克服するためにどう取り組んでいくか、「語彙」に焦点を当ててお話ししたいと思います。
目次
現代文の内容理解と語彙力との関係
文章を読む際に、そこで用いられている言葉の意味を知らなければ、なかなか内容理解には結びつきません。
でも、あまりにも知らない語句ばかりだった場合は全体の内容をつかむこと自体難しいものです。
そもそも、そんな遠回しのことを言わずとも「知らないよりは知っておいた方が良い」というのは明白でしょう。
現代文の語彙力を強化するために意識すべきこと
さて、語彙力を強化するために取り組むべきことはなんなのでしょう。
先日、Twitterでアンケートをとってみました。
現代文の問題演習中に「意味を知らない語句」と出会ったときは
— 羽場 雅希 (@k_hmiyabi) May 20, 2020
ひとまずこの結果を見る限り知らない単語に出会ったら調べるという人が大半のようですが、そのタイミングは様々ですね。
自分なりに類推→辞書などで意味を確認する
先ほどの選択肢の中で最もおすすめするのは「一旦自分なりに意味を類推して後で調べる」ということです。
だからまず自力で考える習慣をつけておきましょう。
そして、そのようにして類推した語の意味が正しいかどうか必ず確認してください。
「わからない単語は一旦飛ばして読む」のはおすすめできない
ちなみに僕は、「調べない」というのは言うまでもなく、「一旦飛ばす」も基本的にお勧めしません。
たしかに、「本文の中でちょっとくらい意味わからない語句があったところで全体の意味はわかるし……」という主張も一理あるかもしれません。
しかし普段から「わからない語句は読み飛ばす」という読み方をしていると、いざと言う時に太刀打ちできないでしょう。
まずは自分なりに類推してみる、そして必ず正しい意味を確認するということを意識してみることをおすすめします。
現代文の語彙力を強化するために取り組むべきこと
では、現代文の読解に必要な語彙力を強化していくために普段から取り組んでおくべきことは何なのでしょうか。
- 参考書を活用する
- 本文中で出会った語を確認する
- 辞書を積極的に使う
- インターネットを活用する
語彙の学習方法はさまざまですが、主にこれらの方法を意識し、活用していくのが良いでしょう。
語彙強化用の参考書を活用する
語彙力を強化するためにまずおすすめなのが、語彙強化用の参考書を活用することです。
参考書を用いた学習は網羅性という点で優れています。
要は、自分で調べていくだけではカバーしきれない単語を拾っていくことができるということです。
おすすめの語彙強化用参考書
語彙の参考書は多く、どれを選べば良いのかわからないという人もいるでしょう。
個人的にお勧めするものは、『イラストとネットワーキングで覚える 現代文単語 げんたん 改訂版』か『現代文キーワード読解』です。
もちろんこれ以外のものでも非常に優れた参考書は多くあります。
それぞれの参考書にそれぞれの特徴・特長があるので、自分の目的や使いやすさに応じて選んでいくと良いでしょう。
本文中の語句を確認する・辞書を活用する
「参考書は網羅性に優れている」というようなことを書いたばかりですが、その一方で参考書だけではカバーしきれない語彙も存在します。
人によってすでに身につけている語彙のレベルは当然違います。
また、現代文の学習をしている中で「頻出」とは言えないものに出会う機会も多いものです。
文章内で出会う知らない語句、理解があやふやな語句についてはしっかりと辞書を確認していきましょう。
テーマについての知識を身につける
大学入試の現代文で出題される文章の中には、難解なテーマにまつわるものも多いものです。
難解というわけではないとしても、自分が慣れていないテーマであれば理解しづらく感じたり、そもそも文字を記号として追いかけるだけになったりしてしまいがちです。
一般書や専門書・テーマ解説のある参考書を使用する
そこで、出題されやすい頻出テーマについての知識を補充していきましょう。
その際、できれば一般書や専門書などを通していろいろな知識を取り入れていきたいところですが、時間は限られています。
そこで、まずは頻出テーマについての解説がある参考書に取り組んでみることをおすすめします。
そしてできることなら、同時並行で興味のある分野に関する一般書にも手を伸ばしてみてほしいところです。
テーマ理解に役立つおすすめの参考書
頻出テーマについての学習をしていく上で活用できる参考書としては、『現代文キーワード読解 改訂版』、『イラスト図解でよくわかる! 現代文読解のテーマとキーワード』などが挙げられます。
もちろん他にも多くのものが出版されているので、ここで紹介したものが「自分には合わない」と感じるのであれば他のものを手にとってみても良いでしょう。
また、学校でこのような参考書が配布されている人はそれをしっかりと活用していってください。
「自分に合わない」原因は単なる語彙力不足のこともある
ただ、「自分には合わない」と感じている原因が実は自分の語彙力不足が原因だっただけという場合もよくあります。
全く知らなかった分野の知識を新しく入れているときは覚えづらいと感じたり、理解しづらいと感じたりするものです。
最初はなかなか進まないと感じるかもしれませんが、語彙や知識が増えていくうちに理解するペースも上がっていきます。
まずは手に取った一冊をしっかりと読み込んでみてください。
おわりに——電子辞書は意味がない?
最後に、「辞書の活用」についてよく聞かれる質問をご紹介します。
それは
「電子辞書と紙の辞書ってどっちが良いの?」
「『電子辞書は意味がない』って言われた」
というものです。
電子辞書・紙の辞書それぞれのメリット/デメリット
電子辞書にも紙の辞書にもそれぞれメリット、デメリットがあります。
一例を挙げてみましょう。
電子辞書のメリット | 電子辞書のデメリット |
・持ち運びやすい ・調べたいことをすぐに調べられる ・読み方を知らない語句も手書き入力で調べられる ・ブックマークなど、機能が豊富 | ・調べたい語句以外の情報に触れる機会が少ない ・辞書に書き込むことができない ・値段が高価 |
次に、紙辞書のメリット/デメリットです。
紙辞書のメリット | 紙辞書のデメリット |
・調べたい語句の周りの語句も目に入る ・読書感覚で「辞書を読む」ことができる。 ・辞書に直接書き込むことができる。 ・使ううちに手に馴染む | ・持ち運びが大変 ・読み方のわからない語句を調べる工夫が必要 |
これらはあくまで一例にすぎませんがそれぞれに良いところ、ちょっと使いづらいところがあるわけですね。
強いて選ぶなら電子辞書
そこで、結論から言えば「両方あり、どちらも使えるのが一番良い」ということになるのですが……どちらかしか選べない場合もあるでしょう。
その場合、電子辞書の方が受験生にとってのメリットは大きいのではないかと思います。
紙の辞書にこだわり、結果として調べるのが面倒になってしまうよりも、電子辞書によって手軽に調べられる方がはるかに良いはずです。
「調べる」という行為に対するハードルを下げてくれるという効果だけでも非常に意味のあるものだと言えるのではないでしょうか。
気になった時にすぐ調べられる環境を整えていくことが、現代文学習の最大のポイントです。