日本史の受験勉強を夏から始める場合は何からやれば良いか悩んでしまう方が多いと思うので、今回はそれについてアドバイスしようと思います。
特に今年は休校期間があったこともあり、学習ペースに個人差が出てしまっていると思いますので、以下の2パターンに分けて解説しましょう。
①11月(遅くとも12月)までに通史学習が終わりそう
②通史学習が12月までに終わりそうにない
それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。
目次
①11月(遅くとも12月)までに通史学習が終わりそう
このような人は、基本的に学校や予備校の授業の進度に合わせて復習をしつつ、夏は1学期までの既習範囲の総復習を行いましょう。
まとめノート作りはNG
日本史の学習で12月までに通史が終わりそうな人は、1学期までの既習範囲の総復習を行う際に一問一答集を1からやる、まとめノートを作るといった復習はやるべきではありません。
これらの勉強をやってしまうと、時間がいくらあっても足りず、結局既習範囲を全て復習することができなくなってしまうからです。
問題集を活用した既習範囲の復習に取り組む
既習範囲の復習には、問題集を使用することをおすすめします。万が一、通史学習用の問題集をまだ用意していない場合は、早急に購入しましょう。以前の記事で問題集の選び方を紹介していますので、自分のレベルに合った問題集購入し、取り組んでください。既習範囲の問題集の解き方は以下の通りです。
(1)取り組むテーマの簡単な復習
自分が問題集で解く範囲を簡単に復習しましょう。教科書やまとめノートを確認するといいでしょう。
ただし、ここで完璧に覚えようとする必要はありません。
制限時間を設け(僕が普段教えている生徒には20分以内と指定しています)、取り組んでください。
(2)問題を解き、正答できなかった問題は周辺事項まで復習する
簡単な復習が終わり次第、問題を解きましょう。
間違えてしまったとしても全く問題ありません。ここからの復習が大切です。
なぜ正答できなかったのか徹底的に考え、覚えていないのであれば覚える、理解ができていなかったのであれば、用語集や教科書を確認しましょう。
さらに、正答できなかった問題の周辺事項の復習もしましょう。
例えば、日明貿易の勘合に関する問題を間違えてしまったのであれば、日明貿易全体を復習すると効果的な総復習ができます。
(3) 正答できなかった問題は数日空けて、再び解いてみる
正答できなかった問題は必ず、数日空けてもう一度解いてみましょう。
解き直しの際も間違えてしまった問題があれば、それは苦手な問題となりますので、しっかり復習すると同時に、今後も定期的にそのテーマを見直すようにしましょう。
予備校や学校のペースで通史が終わるなら先取りは不要
なお、予備校や学校のペースで通史が終わるのであれば、夏に焦って先取りをする必要はありません。
夏は既習範囲が武器となるように、腰を据えて総復習に取り組んでください。
さらに余裕がある方は文化史や戦後史に取り組んでいただければと思いますが、今年は休校期間が長引いたこともあり夏にそれほど余裕がないと思いますので、まずは総復習を最優先に取り組んでください。
②通史学習が12月までに終わりそうにない人
このような人は一般的な受験生に追いつくことが最優先事項となります。
細かな知識よりも基本的な知識を身につける
もちろん、じっくりと取り組む余裕はありませんので、細かな知識はこの段階では切り捨てて、基本的な知識を身につけていくことが大切です。
おすすめのインプット用の教材を紹介します。
この教材は、左ページに図解や地図などが掲載されており、右ページは空欄補充問題となっています。
右ページの空欄補充問題の問題文はとてもよく練られていますので、よく読んで理解したうえで、空欄を覚えると効果的です。左ページの図解も理解を助けてくれると思います。
こちらの教材を使い、旧石器時代から学習を始めている方は江戸時代まで、近現代史から学習を始めている方は、旧石器時代~平安時代、明治時代~戦後史を終わらせるようにしてください。
予備校の夏期講習の受講を検討する
この教材だけでは理解できないという方は、予備校の夏期講習を使うことも検討してみましょう。
多くの予備校の夏期講習には、1学期予備校へ通うことができなかった受験生や日本史の授業を取ることができなかった受験生のために、1学期に扱った範囲の大まかな流れを解説する速習講座が用意されています。
このような速習講座を受講して、大まかな日本史の流れを理解した上で上記の教材に取り組むと効果的な復習ができるでしょう。
今年の夏は、例年以上に受験生にとって過酷な夏となると思います。
夏休みが始める前からしっかりと計画を立て、できるだけ早く受験勉強に取り掛かりましょう。