現代文の学習をする際には『わかる』だけでなく『自分でできる』状態を目指さなくてはならない――。
こうしたことを我々のような指導者からもよく言われているでしょうし、自分でも理解している人は多いでしょう。
拙著『スマートステップ現代文』の中でも言及しているように、この「わかる」だけでなく「自分でできる」状態を目指すことが、現代文学習の最大のポイントです。
そこで今回は、現代文が「自分でできる」ようになるために意識しておきたい「設問の復習方法」をご紹介します。
▼本文読解の復習については前回の記事で詳しく解説しています。
現代文学習の第一歩を踏み出そうとしている皆さんに宛てて、2023年3月にZ会から拙著『スマートステップ現代文』が刊行されました。
現代文の学習に悩んでいる受験生、これから現代文学習を始めようと思っている受験生はぜひ手に取ってみてください。
目次
現代文の成績を上げるために取り組みたい「設問の解き直し」の方法
前回の記事でもご紹介したように、現代文の復習を行う際に意識しておきたいのは次の4つです。
- 学んだことを意識しながら問題演習を行う
- 本文を再読し、内容を理解する
- 語句・知識を確認する
- 本文を図式化・要約してみる
- 学んだことを意識しながら設問を解き直す
- 語句・知識を確認する
- ①に戻る
大前提として、問題演習をする際は必ず「それまでに学んだことを意識しながら問題演習を行う」ことを心がけましょう。
今回は④〜⑥の「設問」に関する復習の具体的な手順を掘り下げていきます。
▼本文読解の復習については前回の記事で詳しく解説しています。
学んだポイントを意識して解き直す
本文の再読、内容の確認をした後は設問の解き直しにも取り組んでみましょう。
意識するべきポイントを意識しつつ、考え方を身につけていく意識で臨みましょう。
ポイントは「解答のイメージが浮かぶかどうか」
現代文の復習をする際に答えの記号を覚えているかどうかは、効果的な復習ができるかどうかということとほとんど関係ありません。
具体的には
- 設問・傍線部などから「解答のイメージ」をつかむ
- その「解答のイメージ」に合う選択肢を選ぶ
というイメージで解き直してみてください。
答え合わせ→根拠の確認
解き直したら、解答・解説を確認します。
この「なぜ注目するか」「どうしたら注目できるか」自分で考えるのは大変だと感じるかもしれませんが、参考書や授業で学んだ内容を思い出しつつ当てはめながら確認していくとよいでしょう。
語彙・知識を確認する
設問の中に「理解があやふやだ」と感じる語句や知識があった場合、それらを確実に習得していきましょう。
本文読解でも「語彙力」は重要ですが、特に設問の中に知らない語句が出てきてしまった場合は致命傷になりかねません。
例えば、空所補充問題の選択肢がこうだったらどうでしょう。
- 躍動
- 生動
- 反動
- 陽動
- 流動
全ての語句をきちんと理解できていますか?
選択肢の中の知らない語句に足を引っ張られる……という事態は避けたいものです。
理解があやふやな語句を辞書で確認する
知らない語句や理解があやふやな語句に出会うたびに辞書で確認するという作業が欠かせません。
知らない語句だけでなく、「見たことはあるし知っているけれど,意味はあやふや」という語も辞書で確認してみることをおすすめします。
知らない語句はまだしも、「理解があやふやな語句」についてはスルーしてしまいがちかもしれません。
それでも丁寧に文章を確認して、理解があやふやな語句を見つけたら辞書を引くということを意識していきましょう。
語彙・知識の学習に活用したい参考書
文章内で出会った語彙や前提知識を確認していくのと同時に、参考書を用いてみるのも一つの手です。その場合、これまでEducational Loungeの中でも何度か触れていますが、以下の参考書を用いてみるとよいでしょう。
- 現代文キーワード読解(Z会出版)
- イラストとネットワーキングで覚える 現代文単語 げんたん(いいずな書店)
おわりに——「わかった」から「自分でできる」へ
あらためて、現代文の学習で最も重要な意識は
ということです。
もちろん簡単なことではありませんが、今回の記事を通して紹介した現代文の復習手順をベースにして丁寧な学習を積み、文章や設問と向き合いながら、より充実した現代文学習を進めてもらいたいと思っています。
- 学んだことを意識しながら問題演習を行う
- 本文を再読し、内容を理解する
- 語句・知識を確認する
- 本文を図式化・要約してみる
- 学んだことを意識しながら設問を解き直す
- 語句・知識を確認する
- ①に戻る
▼設問の復習については前回の記事で詳しく解説しています。
『スマートステップ 現代文』書籍情報
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第1章「学習法編」補講 | |