英語の大学受験対策は、単語、文法、構文、長文、英作文……というようにやることがたくさんあります。
そこで今回は、 英単語に焦点を当てて、春休みから1学期の英語学習についてお話ししたいと思います。
英語学習の「三つの柱」——教材、やり方、継続
英語学習の最初の段階では、まず次の3つのことを意識する必要があります。
②時期に合ったやり方
③毎日少しでもやり続けること
これらがうまく組み合わさっている状態が、英語学習がうまくいっている状態です。
そして、1学期にやるべきことは何なのでしょうか。それは単語と文法、(できれば)構文です。
英単語の学習方法
まずは英単語から考えていきたいと思います。
英単語の学習①――使うべき教材は何か
世の中には、基礎的なものから応用的なものまでさまざまな単語帳があります。
もちろんそれぞれに特長があり、それぞれの好みもありますが、大学受験のための1冊目の単語帳に選ばれるものであれば、それぞれの特長にあまり大きな差はないでしょう。
基本的には、いわゆる最難関大学でも英単語帳は1冊を完璧にすれば戦えます。まずは一つのものを使い上げることが肝心です。
・強いて言うなら『システム英単語』(駿台文庫)を使おう!
『システム英単語』(駿台文庫)では、頻出度などに応じたレベル分けが4段階になされているので、段階的な学習が可能です。
個人の学力に応じた英単語の学習を始めることができます。
英単語の学習②――3秒を意識して頻出範囲を広く浅く何回も
1学期の英単語学習は、「頻出範囲を広く浅く何回も」がテーマです。最初のうちは、よく出る頻出単語についての理解を深めていくことが大切です。『システム英単語』(駿台文庫)では、このようなレベル分けが4段階になされているので、段階的な学習が可能です。個人の学力に応じた英単語の学習を始めることができます。
ところで、
英単語帳の学習をダラダラやっている人はいませんか?
単語帳を開きながらスマホをいじっているとかないですか?
これはとてもモッタイナイです。
英単語の学習は「何を意識して単語帳を学習するか」が非常に大切です。単語帳を眺めるだけではなく、以下のことを意識してみましょう。
これを意識して英単語学習をすることにはメリットがたくさんあります。
3秒を意識するメリット①――長文読解に活きる
英単語の学習で「3秒」を意識するわかりやすいメリットは、長文読解時に「あれ、この単語なんだっけ…」と止まる回数が少なくなることです。
長文では、英単語の意味を[速く][正確に]理解しなければなりません。[パッと聞かれたときにサッと答えられるもの]が(受験に必要な)学力です。このように時間を意識した英単語学習は、長文読解につながります。さらに頻出単語を反復するので、模試等での英単語のヒット率も上がっていきます。
しかし、
代表的な意味を1個覚えるだけでいいの?それで受験はOKなの?
と思う人がいるかもしれません。
たしかに、最終的な目標としてはある単語を様々な意味で捉えられることは大切です。しかし、夏以降の学習でこのように英単語の意味が捉えられるようになるためにも、まずはある英単語の代表的な意味が1つ出てくることが大切なのです。
3秒を意識するメリット②――毎日続けられる
英単語の学習で「3秒」を意識するもう一つの大きなメリットは、毎日続けられるということです。
たとえば、単語帳の中に掲載されている基礎頻出英単語600語を1日50個の単語をチェックするとします。3秒ごとに1単語学習すると、50個勉強するのにかかる時間は、150秒(2分30秒)です。
実際、絶対に1日50個新しい単語をやる! という自分ルールを作ったと仮定すると、
① No.1 - 50をザーッと確認(2分30秒)[2日目]
① No.1 - 50をチェックする → 間違えたものにはバツをつけていく[5分]
② ×のところを覚える[最大 10分]
合計 最大15分[3日目]
① No.1 - 50を再チェック→ 間違えたものにはバツをつけていく[5分]
② No. 51 - 100 をザーッと確認(2分30秒)
[4日目]
① No. 51 - 100をチェックする → 間違えたものにはバツをつけていく[ 5分]
② ×のところを覚える[最大 10分]
「すぐにチェックするの!?」と思う人もいるでしょう。
しかし、最初の段階で、現在の英単語力を確認してみてください。そして、×がついたものを覚えていきましょう。たくさん×がつくかもしれませんが、それを1つ1つできるようにしていくのが1学期です。
おわりに――毎日・少しでも・広く浅く・意識的に何回も取り組む
このように、最大で毎日15分とれば、効率的な英単語学習が今日からできます。慣れてくれば、かかる時間はもっと短くなります。
1学期の英単語学習は、[毎日・少しでも・広く浅く・意識的に何回も]学習することを意識して取り組むことが、英語の成績向上の礎になります。
続けられる正しいやり方にこだわった学習とそれに基づく不断の努力は、必ず成績向上につながります。まずは単語帳を手にとって、2分30秒やってみてください!
首都圏の塾・予備校で英語科講師として活躍。大学院時代の専門は19世紀イギリスの倫理学。好きな思想家はJ.Sミル。読解の精密さを追求する授業は上位生を中心に熱い支持を受けている。