春の時期に鍛えておきたい「思考力」
前回は計算力についてお話ししました。
今回は思考力について。
今の時期と受験後半では変わってきます。今回はこの春の時期にやっておきたいこととしてお話をします。
典型問題を○○できるくらいマスター
数学は公式だけ覚えて使えたとしても役に立ちません。
どんな場面でこの公式を使うのか?この場合はどの公式がベストか?など問題によっていろいろと判断が必要です。その判断基準を身に付けるには典型問題のマスターが必須です。
数学は公式・典型問題の解法など覚えなければならないことがいろいろあって大変です。ですが、できるようになるにはある程度は覚えておかなくてはなりません。それがあって初めて応用問題を解けるようになる土台ができるのです。
ただし、気を付けなければならないのは覚えるというのは暗記せよと言っているのではありません。
覚える≠暗記
ここで言う覚えるとは、解き方もそうですが、なぜそのように解くのか?という理由付けまでしっかり腑に落ちた状態することです。そして、自分で再現をする。
ここまで出来て、しかも他の人にその問題を説明できる状態です。
典型問題をマスターするための3つのステップ
ここまでの内容をきちんとこなしていくのはちょっとハードルが高いですね。もちろん最初からそこまでは難しいので、
Step2 自力で再現できるようにする
をまず目指しましょう。そして、扱った一部の問題で良いので
を可能にしましょう。
一気にというのはなかなか難しいので少しずつがんばりましょう。
思考力を高めるために使いたい参考書・問題集
ちなみに推薦図書は、
数学1・A基礎問題精講 [ 上園信武 ]
数学2・B基礎問題精講四訂版 [ 上園信武 ]
数学3基礎問題精講四訂版 [ 上園信武 ]
大学への数学 1対1対応の演習/数学1 大学への数学
大学への数学 1対1対応の演習/数学A 大学への数学
大学への数学 1対1対応の演習 数学II 新訂版
大学への数学 1対1対応の演習 数学B 新訂版
大学への数学 1対1対応の演習/数学Ⅲ(微積分編)新訂版
です。
『基礎問題精講』も『大学への数学 1対1対応の演習』も、どちらも良い本ですので、自分に合ったほうを選んでみてください。
『なぜ?』を大事にする
先ほどお伝えしたやり方を出来るようにするには、『なぜ?』とつねに考えることです。そうしていくことで考える力が身につきます。問題集を何周もしている割には出来るようにならない人に多いはこの『なぜ?』が足りないです。
よく問題集の解説を読んでわかった!という人がいるのですが、じゃあここはどうしてこうするの?と質問したときにつまってしまいます。これは実は分かっていません。分かった気になってしまっているのです。この状態では何周しても意味がないです。結局考えていないので。ですから『なぜ?』を肝に銘じてください。
最初のうちは本当になかなか進まないものです。
でも、それが普通です。最初からどんどん進んでいる人の方が要注意です。
定理公式の証明もできるようにする
定理や公式が使いこなせることは非常に大事なことなのですが、そもそも何でそんなものが成り立つのかといった仕組みまで知り、組み立てられるようにしましょう。
これにはいくつか理由があります。
・説明する力を磨くため
・公式の証明の中に問題を解くための解法やヒントがあるから
などです。どれも大切なことなのですが、私の中では一番下の
公式の証明の中に問題を解くための解法やヒントがあるから
がとても大事です。
加法定理の証明が、数年前のセンター試験で生きるように、証明ができると何気にとける問題が増えます。めんどくさがってやらない人が多いですが、問題を一問解いているのと変わらないです。いろんな大事なことが隠れているので、全部とは言いませんが気になるものからでよいので、日々の勉強の中に取り入れましょう。
最後に——今この時期に頑張るべき理由
今この時期にきっちりやっておくと数学力の土台がしっかりと身について、受験の後半がスムーズに運びます。こんなイメージです。
2学期にとある入試問題1問解いたとしましょう。
頑張ったけど解けなかった…
復習してしっかり出来るようにしようとして、解き直し開始!
この時期しっかりやった人→復習に20分
本当にこれくらい差が出来ます。たった1問だけでこれだけです。
そうなると2学期にどちらの方が伸びていくのかわかりますね?
そうです。今この時を大事にしてください。
難関大学受験LIBERA塾長 山﨑慎太郎
大学受験専門塾LIBERA塾長・予備校講師。
数学を通して生徒の想像力と独創力と忍耐力を養成する。自身が数学で苦労した経験を踏まえた懇切丁寧な解説と、明るい人柄が生み出すテンポの良い語り口で全学年・全レベルの受験生を魅了する。