現代文の勉強法がわからないという声は、受講生から毎年多く寄せられます。
今回は、主に高1・高2生のみなさんに向けて現代文学習の基本的かつ重要な考え方を紹介します。
記事の後半では新年度が始まるまでの間にやっておきたいことも含めて解説しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
現代文が苦手だと感じる最大の理由は「大前提」が抜けているから
現代文が苦手だと感じる最大の原因は、語彙力や「読む」ということに対する考え方などの「大前提」が抜けているからです。
「字面でしか文章が追えていない」状態では、問題など解けるはずがありません。
文章を「読む」と言っても、ただ文字を追いかけ続ける、文字の上を視線が動くだけで「読む」ことができているとは言えないわけです。
現代文を「読む」ための大前提となる2つのイメージ
「読む」ための大前提になるのが、次の2つ。
まずは意識から変えていきましょう。
- 文章を「読む」イメージをつかむ
- 文章を「読む」ために必要な力をつける
現代文が苦手だと感じている人はこの辺りのイメージが抜けていることが多いです。
現代文の学習は「文章を『読む』イメージをつかむ」ことから
現代文が苦手だと感じている人は、まず文章を「読む」イメージをつかむところから始めましょう。
当たり前だと思うかもしれませんが、これを意識しているかどうかは後々大きな差を生みます。
難しいと感じる文章になればなるほど、ただ必死に文字を追いかけるだけになってしまいがちなものです。
「(今は難しくても最終的には)文章を理解するんだという意識で読んでいくことを常に頭の片隅に置いておきましょう。
文章を「読む」ために必要な力をつける
ここからは、現代文の具体的な勉強法を紹介していきましょう。
- 読解法を学ぶ
- 文章を「読む」ために必要な力をつける
詳しくみていきましょう。
まずは「読解法」を学ぶ
現代文では「ただ沢山の文章を読んでいくだけ」ではなかなか文章を理解できるようにはなりません。
特に、現代文に苦手意識を持っている人が「読み方」を学ぶことなくいきなり問題集を解きまくるのはおすすめしません。
問題集に取り組んでいく前にまずはある程度のポイントを意識しながら読んでいく、つまり「適切な読み方」を身につける必要があります。
「適切な読み方」を身につける3つの方法
「適切な読み方」を身につける方法は次の3つが挙げられます。
- 予備校や学校の授業で学ぶ
- 映像授業を活用する
- 参考書で学ぶ
予備校や学校、映像授業が活用できる環境にある人は、ぜひそれを活用し、その先生の指示を仰いでみてください。
ここでは、「参考書を使う」場合のお話をします。
参考書を使って「適切な読み方」を身につける
現代文に苦手意識を持っている人や今から現代文の学習を始める人には拙著『スマートステップ現代文』がおすすめです。
本書は「学習法・読解ルールからはじめる現代文入門」というキャッチコピーに表れている通り、
- 1章まるまるあてた現代文の学習法の解説
- 現代文読解のはじめに身につけておきたい12の読解ルールを短文演習とともに身につける
- 実践演習を積むことで段階的に現代文学習の基礎を身につける
という3段階の学習が可能です。
現代文学習のスタートに取り組み、その後に次の参考書や問題集へ進んでいくことで、しっかりとした現代文の基礎を身につけることができるはずです。
「読む」ために必要な力をつける②——語彙力を強化する
文章の中で使われている言葉の意味を理解していなければ、文章の内容を正しく理解することはできません。そして、とくに評論文で使われている語句の中には、日常生活の中ではほとんど目にしないような言葉も多く含まれています。これらの言葉は意識して習得していかなければなかなか習得する機会もないといえるでしょう。
語彙力を強化するために取り組むべき勉強方法は次の2つです。
- 参考書で学ぶ
- 辞書を活用する
こちらも詳しく解説しましょう。
参考書を活用して語彙力を強化する
評論文や小説文の中でよく出てくる「頻出語」の中には、日常生活でほとんど目にする機会のないものも多く含まれています。
これらの単語を効率よく学んでいくためには、頻出語句をまとめて扱っている参考書を用いるのが効果的です。
いわゆるキーワード集ですね。
市販されているキーワード集は数多くありますが、高1・2生にお勧めするのは『イラストとネットワーキングで覚える 現代文単語 げんたん』です。
こまめに時間を作って語彙の学習をしていく習慣をつけましょう。
辞書を活用して語彙力を強化する
キーワード集だけで語彙力強化は可能かと言うと、残念ながら答えはNOです。
収録されていない語が登場することは沢山ありますし、そもそも知っている語/知らない語は人によって差があります。
こうした問題に対応していくためにも、知らない語句や理解があやふやな語句に出会うたびに辞書で確認するという作業が欠かせません。
普段あまり辞書を引いていないという人は、これを機に辞書を引く習慣をつけていくと良いでしょう。
語句の学習には理解と例文の確認が欠かせない
最後に、参考書を使う場合でも辞書を使う場合でもかならず意識しておきたいことを述べておきます。
それは、「理解」と「例文」が欠かせないということです。
たとえば、「逆説」という語を確認してみたときに
という説明があったとします。
この説明を読んで理解できれば問題ないですが、そうでない場合は少し冷静に考えてみる、他の辞書も引いてみる、他の手段を使って調べてみるなど、その言葉を自分の中できちんと「理解」できるまで調べてみる必要があります。
また、言葉は通常「文章の中」で使われるものです。どのような使われ方をするのか、実際の例文を通して学習しておくことで、通常使われる用法も確認できますし、自分で文章を書く際にも役立ちます。
おわりに――現代文は伸ばせる科目である
現代文はコスパが悪い、現代文は勉強しても無駄だ、そんな意見を目にすることもありますが、きちんと丁寧に学習していけば十分に伸ばせる科目です。
今は苦手だとしても、不安だとしても、着実に学習を積み重ねていってほしいと願います。