小論文の学習において書き方の理解はとても重要です。しかしながら、どんなに書き方に習熟したとしても書く内容がなければ小論文を書くことはできません。
ですから小論文では
ことが重要になるのです。
この記事では小論文における考え方とはどのようなものかについてお教えします。
目次
小論文で求められるのは「批判的に考えること」
小論文ではどのような考え方が求められるのでしょうか?
一言でいうなら、批判的に考えること。これにつきます。
「批判」とは「筆者の意見に反対する」ことではない
批判という言葉を聞くと「筆者の意見に反対すればいいのか!」と思いがちですね。私たちはふつう批判という語を非難という意味で用いますから。
しかし批判という語には非難以外の意味が含まれています。辞書を引いてみましょう。
- 批評して判断すること。物事を判定・評価すること。
- 裁判で判定・裁定すること
- 良し悪し、可否について論ずること。あげつらうこと。現在では、ふつう、否定的な意味で用いられる。
(『精選版日本国語大辞典』より引用)
私たちが用いる批判の意味は③ですね。しかし批判という語にはもともと物事の判断・判定・評価という意味があります。つまり悪い点ばかりをあげつらうのではなく、よい点も積極的に評価し、与えられた課題に対して自らの判断を示すことが求められるのです。
批判的に考える方法①——再検討する
次に批判的思考の方法を見ていきます。
批判的思考とは文字通り批判的に考えることです。つまり与えられた課題を鵜呑みにするのではなく、「本当にそうであるか?」と再検討することなのです。
例を見てみましょう。
→ 車の数を減らせばよい!【最初の思いつき】
→ でも本当に車の数を減らせば交通渋滞は解消するのだろうか……?【批判的思考】
→ 筆者の述べている主張を別の観点から見ることができるのではないか?
→ 筆者とは異なる根拠を挙げられるのではないか?
→ 筆者の主張に反論の余地があるのではないか?
このように、与えられた課題に対してさまざまな疑問を思い浮かべられるようになれば、批判的に思考することができていると言えるでしょう。
批判的に考える方法②——反論を想定する
最後に、批判的思考で最も重要な考え方をお教えしますね。
批判的思考で最も重要なこと。それは、自分の意見に対する反論を想定できるかです。
そのような反論を自分で想定できるかどうか。小論文の質を高める最大の秘訣が、この反論の想定です。
反論をきっかけに思考を展開していくことができる
反論が思い浮かんだら、それにもう一度反論しなおしたり反論と自分の意見を結合してよりよい意見に練り直したりすることができます。このような思考プロセスが小論文の質を高めます。
ぜひ自分の意見に対する反論を想定できるようになってください。ふだんの学習から意識しましょうね。