文章を読む際に、そこで用いられている言葉の意味を知らなければ、なかなか内容理解には結びつきません。
語彙力を高めることは現代文読解の基本です。
今回は、現代文読解のベースとなる「語彙力」に焦点を当て、どのような学習を積んでいけば語彙力増強につながるのかを考えていきたいと思います。
現代文学習の第一歩を踏み出そうとしている皆さんに宛てて、2023年3月にZ会から現代文の学習法解説+短文演習+実践演習の3ステップで基礎を身につけていく拙著『スマートステップ現代文』が刊行されました。
現代文の学習に悩んでいる受験生、これから現代文学習を始めようと思っている受験生はぜひ手に取ってみてください。
目次
語彙力を高めるために取り組みたい2つの方法
文章読解に欠かすことのできない「語彙力」を高めていくための方法としては次の2つの方法が考えられるでしょう。
- a.参考書を継続的に利用する
- b.辞書を活用する
a.参考書を継続的に利用する
語彙力を高めていくために、まずは体系的に語彙を解説している参考書を活用することをお勧めします。
おすすめするのは次の2冊です。
- 現代文キーワード読解 改訂版(Z会)
『現代文キーワード読解』の活用法はこちらの記事で詳しく紹介しています。 - イラストとネットワーキングで覚える 現代文単語 げんたん 改訂版(いいずな書店)created by Rinker¥913 (2024/11/21 03:19:06時点 Amazon調べ-詳細)
語彙は一朝一夕に身につくものではないので、意識的に取り組み続けてください。
b.辞書を活用する
参考書の学習だけではなく、辞書を活用して「出会った語彙を習得する」ことも心がけましょう。
いつ辞書を使うかについては『スマートステップ現代文』の中で詳しく紹介しているように、
- 知らない語句に出会ったとき
- 理解が曖昧な語句に出会ったとき
の二つを意識するところから始めてみましょう。
調べたものは「語彙ノート」に記録しておく
せっかく調べたものはきちんと記憶にとどめ、使いこなせるようにしていきたいものです。
そのためには調べたものを記録して、隙間時間をうまく活用しながら振り返ることが欠かせません。
【デジタル版】語彙ノートの作り方
『スマートステップ現代文』の中では、調べた語句を例文とともに記録する「語彙ノート」の作り方について解説しました(pp.78-79)。
ただ、利便性を考えると紙ベースではなくデジタルツールを活用したいという人もいるでしょう。
そこで、ここではアプリを活用した「語彙ノート」の作り方を解説します。
Evernoteを活用する
無料でも十分に使える多機能メモアプリです。
また、マルチデバイスに対応しているため、Webでの利用はもちろん、PC版のアプリやスマホ・タブレット用のアプリの間でデータが同期されており、どこにいてもその場ですぐにアクセスすることが可能です。
では、Evernoteを使って「語彙ノート」を作成する手順を見ていきましょう。
※Evernoteの登録・ダウンロード方法はこちらでご確認ください。
「語彙」「前提知識」ノートブックを作成する
Evernoteには「ノートブック」という機能があります。
まずは「語彙」「前提知識」のノートブックを作成しておきます。
そして、調べた語彙を記録していくときは「語彙」のノートブックに、前提知識を調べた情報は「前提知識」に保存していきましょう。
調べたらそれぞれのノートブックのなかに「ノート」を作成して保存する
語句や前提知識を調べたら、調べた結果を保存していきます。
その際に使うのが「ノート」機能です。
語彙を調べたら「語彙」ノートブックの中に、前提知識を調べた場合は「前提知識」ノートブックの中に新しいノートを作成します。「題名」に調べた語と読み方を、ノート本文(「入力を開始〜」の部分)に意味と例文を記録しておきます。例文は辞書に載っているものや自分で作ってみたものではなく、実際の文章をそのまま記録しておくのも良いでしょう。
その場合は出典も明記しておくと役に立つことがあるかもしれません。
定期的に見直す
スマホにEvernoteアプリを入れておけば、こうして記録したノートをいつでも確認することができます。
移動時間などの隙間時間を活用して、定期的に見返すようにしてください。
おわりに
文章を読む際に、そこで用いられている言葉の意味を知らなければ、なかなか内容理解には結びつきません。
そんな文章読解に欠かすことのできない「語彙力」を高めていくための方法として、参考書・問題集を用いる、検定試験を活用する、入試頻出語彙のまとまったサイトを見る……などいろいろとありますが、様々な機会を活用して、語彙力を高めていきましょう。
『スマートステップ 現代文』書籍情報
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第1章「学習法編」補講 | |