【漢文学習の必需品】おすすめの漢和辞典と効果的な活用法を実例で解説!

こんにちは。安田です。
今回は漢文学習における「辞書」の使い方や使う意義についてお伝えできればと思います。

英語の学習においては、辞書をよく引くと思います。国語でも、現代文や古文では辞書をお供に読んだり考えたりしていると思います。では漢文は?というと、あまり辞書を引くことはないのではないでしょうか。
実際、漢和辞典を開いたことがないという生徒は多くいますし、それで受験を終える人も多いでしょう。

ですが、漢文学習において辞書をうまく使うと、理解が深まって初見の文章への対応力が高まりますし、なによりも語彙力強化に繋がります。語彙力は現代文や古文、小論文はもちろんのこと、英語も含めた全教科の下地になるものですから、漢文学習で辞書を引くことを通して他の教科にも役立つ力を身につけていきましょう。

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漢和辞典の種類とおすすめの辞書

現在、高校生が漢和辞典を使おうと思うと、以下の3種のいずれかになるかと思います。

漢和辞典の種類
  • 紙の辞書
  • 電子辞書
  • 辞書アプリ(物書堂など)

学校によって、入学時に指定されているものがある場合は、そちらで十分です。

電子辞書を買っている人は、1~2種類は漢和辞典が内蔵されているでしょうから、そちらを使用しましょう。
電子辞書を持っていない人は、紙で1冊持っておくのがおすすめです。生涯使えると思います。

スマートフォンやタブレットの辞書アプリで購入するという手もあります。学校によって使用ルールが違いますし、OSによっても購入できるものが変わるため全員に推奨はできませんが、使用できる環境ならとても便利に使えるでしょう。

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漢文学習において重要な訓読みの用法や用例・語義が充実していて、丁寧に品詞が掲載されているので、学習時に欲しい情報へのアクセスがよい辞書です。私が辞書を引く際にはまず第一にこちらを使用しています。

辞書では「いろいろな使われ方をする漢字」を引く

ずばり、「いろいろな使われ方をする漢字」を引きましょう。

文章を読んでいて分からなくなることの多くは、「知っているはずのありふれた漢字」が、文の構成要素の何に当たるのかが分からなくなることに起因します。簡単な漢字と侮らず、品詞や文中での働きを考えて辞書を活用するのが望ましいです。

例:さまざまな使われ方をする「明」

たとえば、「明」という漢字。読みや意味は皆さんだいたい分かると思います。

この漢字が示す品詞は、大きく形容詞、名詞、動詞の3種です。それぞれに用法・読み方があり、ありふれた字だけに熟語を構成することも相当あります。特に、単に名詞一語のパーツとして使われているだけなのか、述語動詞として使われているのかの識別は、読解の上では最重要です。

このような基本的、誰でも知っているはずの字は、ありふれているだけに用法がたくさんあり、パッと気づきにくい使い方をしていることも多々あります。辞書でどのような用法があるのかを確認して、「今ここではどの用法なのだろうか」を深く思考することが学力向上の秘訣です。

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漢和辞典の引き方は大きく3パターン

お目当ての漢字を引く際に、大きく3パターンの探し方があります。さらに電子辞書やアプリの辞書ではもう1パターン、有力な探し方があります。

目当ての漢字の探し方
  • 部首から引く
  • 読み方から引く
  • 総画数から引く
  • [電子辞書・アプリ]手書きで検索

ここでは、先ほど挙げた「明」という漢字を紙の辞書で調べる例で説明します。

部首から引く

漢字の部首からお目当ての字を探します。

「明」は「ひへん(日)」で、4画の部首なので、多くの辞書で表紙裏に掲載されている部首索引を見て、4画の欄から「日」を探します。そしてそこに書いてあるページに飛ぶと、今度は「ひへん」部分以外の画数順に「ひへん」の漢字が並んでいます。「明」は部首以外のパーツ(「月」)は4画なので、「日部4画」のところで探すと発見できます。
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読み方から引く

「明」は音読みだと「メイ」なので、音訓索引の【め】の欄、その中の「メイ」のところを見ます。全部で8画の字なので、この欄の中で8という画数が書いてあるところを探すと発見できます。

画数から引く

総画索引を使って、8画のところから「明」を探します。

[電子辞書・アプリ]手書きで検索する

調べたい字をタッチペンや指で直接書いて検索します。丁寧に書けば、一発で求めている字にたどり着けます。

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原則として部首で引く

私は大学時代、「原則として部首で引け」と教わりました。

漢字は表語文字ですから、調べたい漢字がどういう意味を持っているのか、日常的にどう使われているのかを常に考える必要があります。部首は漢字の「意味」を示すパーツです。部首にフォーカスして漢字に向き合うことで、より漢字が示す意味への理解が深まり、応用力が養われます。ぜひ部首索引を使って引いてみてください。

部首が分からなくても読めるなら音訓読み、部首も読みも分からないとき総画で調べる

音訓や総画の場合、ありふれた読みや少ない画数だと候補がたくさん出てくるため、その中から探すという手間がかかります。

部首が分からずとも「メイ」、もしくは訓読みで「あ-ける」「あか-るい」と読めるなら音訓読みで、部首も読みも分からないとき総画で、と考えておくといいでしょう。

手書き検索をする際には文字を丁寧に書く必要がある

電子辞書やアプリの辞書では、手書きで直接検索できるのでササッと調べる上ではたいへん便利です。部首で引くのとは違うメリット(漢字を自分で「書く」)があるので、うまく活用するといいでしょう。丁寧に書かないと目的の漢字が出てこないですから、文字を丁寧に書く意識も少し向上するはずです。

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辞書を活用する際に見るべきポイント

「明」を引くと、音読みの「メイ」「ミョウ」が載っていて、「あ-かり」「あか-るい」など多くの訓読みも並んで載っています。筆順や成り立ち、ひょうそく、語義が並んでいます。

『漢辞海』では、形容詞・名詞・動詞の順に、それぞれに「こういう読み方をしたときにこういう意味になる」というのが分かるようになっています。
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特に動詞では「あきラカニス」というように、送りがながカタカナで示されていて非常に分かりやすくなっています。

その漢字から始まる熟語の一覧を活用する

そして、語彙力アップにとても有用なのが、その漢字から始まる熟語の一覧です。

【明晦】【明鏡】【明星】など、漢文を読んでいく中で出てくる語が並んでいます。さらに、辞書によってはイラストが載っていることも。具体的なイメージを描く大きな手助けをしてくれるでしょう。

ここでこの熟語欄に目を向けることで、多くの語彙力をつける下地が作れます。

調べたところに書かれているさまざまな情報に目を通す

辞書は意味が分からない言葉(字)を調べる目的で使うものだ、と思っている人が多いとは思いますが、そこから一歩進んで、調べたところに書かれている他の情報も読んでみましょう。

そういうささやかな寄り道が自分の語彙力や知識量に繋がり、1年後、2年後には大きな力となって、受験突破の礎になります。漢文の勉強の一環で辞書を引くことが、自身の語彙力を強化し、学力全体の向上に資するものになるのです。

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辞書を使って漢字一字一字への知識理解を深める

辞書を使っての学習は少しハードル高く感じる人もいるかもしれませんが、漢字が苦手、漢文が苦手という人こそ、少しずつでかまわないので、辞書を使って漢字一字一字への知識理解を深めてもらいたいです。

そうすることで言葉に対しての解像度が高まり、語彙力が高まって、他教科へもいい影響をもたらすことができます。

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