こんにちは。日本史の河原です。
今回は2025年度の大学入試共通テストを踏まえて、新高3生や新高2生がどのような対策を行っていくべきか考えていきたいと思います。
なお、問題を解き、答え合わせをした上で読んでもらうと効果的です。
目次
2025年度共通テストを踏まえた日本史探究の学習指針
はじめに今年度の共通テストを踏まえた学習指針を紹介します。
基本的な学習指針は昨年度と変わりませんが、以下の6つを意識した学習を進めましょう。
- 基本的な日本史の実力をつける
- 常に時期を意識した学習をする
- 基本史料の学習から史料読解を意識する
- 基本資料・初見史料問わずに史料学習を増やす
- 共通テスト特有の複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける
- 歴史総合の範囲をできる限り早く攻略しておく
2025年度 共通テスト[歴史総合、日本史探求]大問ごとのポイント解説
「歴史総合、日本史探求」の試作問題では、日本史のみの知識で対応できる問題でしたが、本試験では日本史の知識だけでは対応できない問題が複数出題されたため、今年度の問題は昨年度よりやや難化した印象があります。
大問ごとにトピックとなる問題を中心に振り返ってみましょう。
第1問 歴史上の境界(歴史総合)
問3と問7は日本史探求の教科書には記述がないため、歴史総合の範囲の学習を進めていないと回答を導くのは困難だったのではと思います。
特に問7は1960年代〜70年代の並べ替え問題となっており、細かい時期判定が必要でした。
第2問 菓子に着目した探究活動
試作問題同様、従来の第1問にあたるテーマ史からの問題でした。
こうした問題は共通テストでも複数回出題されています。
第3問 外交と文化のかかわり
原始・古代の問題が出題されました。
新形式の問題が多く戸惑った受験生も多かったかもしれません。その一方で、新傾向の問題は全て世紀の出来事が分かれば解ける問題で、学習指針にもある「常に時期を意識した学習」ができていれば、正解に導けたと思います。
第4問 中世の武士
中世の武士をテーマに中世の知識を総合的に問う問題でした。
下記の記事でも紹介しましたが、史料問題の注は必ず確認するようにしましょう。
第5問 近世の村
近世の社会経済史を中心に問う問題でした。
読み取り型の史資料が多かったですが、類似するグラフは教科書にも掲載されているものなので、日頃からグラフ等に触れたり、考察していれば対処しやすかったと思います。
第6問 松本清張の年譜
近現代の政治・経済・文化と幅広いテーマが出題されました。
なお、第6問はすべての問題が時期判定が解答の鍵となっています。
共通テストに向けた日本史学習法
最新年度の共通テストの傾向を踏まえて、新高3生や新高2生がどのような学習をするべきか考えていきましょう。
冒頭でもお伝えしましたが、以下の6つを意識した学習を進めましょう。
- 基本的な日本史の実力をつける
- 常に時期を意識した学習をする
- 基本史料の学習から史料読解を意識する
- 基本資料・初見史料問わずに史料学習を増やす
- 共通テスト特有の複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける
- 歴史総合の範囲をできる限り早く攻略しておく
①〜⑤は昨年と同様となるので、以下の記事を参照していただければと思います。
中でも②の時期を意識した学習は重要です。用語を覚えるだけでなく、何世紀の出来事か?権力者は誰か?何文化なのか?など常に時代区分を意識するようにしてください。
ここでは、上記の記事にない⑥について詳しく解説したいと思います。
歴史総合の範囲をできる限り早く攻略する
今年度の共通テストから歴史総合の範囲が加わりました。そして、第1問の問3や問7のように日本史探求の知識だけでは解けない問題が出題されています。
そのため、新高3や新高2生は早い段階で、歴史総合の範囲を攻略するようにしましょう。
歴史総合の範囲を早めに学習することで得られる大きなメリットがある
歴史総合の範囲を早めに攻略することで
- 分量の多い日本史探求に集中できる
- 近現代史の先取り学習ができる
- 近現代の外交史がより多角的に理解できる
というメリットがあります。
新高3生はできれば高3に上がる前に一通り復習するようにしましょう。
勉強法は世界史の鈴木先生が解説してくださっているので、参考にしてください。
おわりに
今回は最新年度の問題から共通テスト対策について解説しました。
歴史総合の範囲が加わったことで、早めの対策が鍵を握ることになると思います。
ぜひ今後の学習に活かしてください!