2025年度共通テスト歴史総合、世界史探究から見る、高1・高2生の学習指針

皆さんこんにちは。
今回は2025年の共通テスト本試験「歴史総合、世界史探究」の出題内容を踏まえた学習法についてお届けします。

今年の共通テストは「歴史総合、世界史探究」としては初の実施となる新課程入試だったわけですが、中でも特に注目されたのは「歴史総合」の分野の出題内容でした。歴史総合は世界史と日本史をおよそ7:3の割合でブレンドした科目です。そのため歴史総合に関わる設問では、世界史選択者であっても日本史知識が必要となってくる可能性が十分あったということになります。

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試作問題以上に日本史知識が不要だった2025年共通テスト

試作問題を分析する限りでは、高校課程の日本史知識はほぼ不要と言ってよく、問われるとしても消去法で対応が可能で、必要なのは中学社会で習う程度の常識的な知識である、との見立てでした。

さて、では実際の2025年本試験の問題はどうたったでしょうか?
結論から言うと、「試作問題」以上に日本史知識は不要でした。

歴史総合に関する第1問を解く際に必要だった知識

第1問が歴史総合に関する出題なのですが、以下は大問1の各設問を解く際に必要となった知識です。

大問1を解くのに必要な知識
  • タンジマート
  • 辮髪
  • 辛亥革命
  • 明治維新
  • 日米修好通商条約
  • 力織機
  • 帝国議会(日本)
  • 租界
  • ファシズム
  • イラン=イスラーム革命
  • SDGs
  • 男女雇用機会均等法
  • 公民権運動
  • 女性解放運動(ウーマン・リブ)

日本史の知識は、明治維新、日米修好通商条約、帝国議会(日本)、男女雇用機会均等法ですが、帝国議会(日本)以外は、世界史用語集にも見出し語で掲載されている語句です。ちなみに帝国議会(日本)についても、世界史用語集の「議会の開設」という見出し語の説明文には記載があります。

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要になる知識はせいぜい「世界史教科書にも載っている日本史情報」

このように、今年の問題を検討する限りでは、出題範囲に歴史総合が含まれるとはいえ、必要になる知識はせいぜい「世界史教科書にも載っている日本史情報」に過ぎないことがわかります。

とはいえ、「歴史総合、日本史探究」の難易度とのバランスもありますので、次年度以降も日本史知識の出題について油断はできないといえそうです。

世界史に関する第2問〜第5問を解く際に必要だった知識

次に「世界史探究」に関わる出題の第2問〜第5問を分析してみましょう。各設問に回答する上で必要になった知識が、世界史用語集の「頻度数」(何冊の教科書に登場するかを示した数字)ではどうなっているかをカウントしてみました。

結果は下記のとおりです。

世界史用語集の頻度数と出題
  • 頻度7の用語…問題中27カ所で必要だった
  • 頻度6の用語…問題中16カ所で必要だった
  • 頻度5の用語…問題中7カ所で必要だった
  • 頻度4の用語…問題中4カ所で必要だった
  • 頻度3の用語…問題中1カ所で必要だった
  • 頻度2の用語…問題中1カ所で必要だった

用語集では、頻度7から頻度5までの用語は赤字で印刷されています。

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「赤字用語」を習得するだけで、知識面では9割以上の得点が望める

上記の結果を踏まえると、共通テストでは、いわゆる「赤字用語」を習得するだけで、知識面では9割以上の得点が望めることになります。

もちろん共通テストは資料読み取りの要素もあるため、知識だけで得点が決まるわけではありませんが、知識面での学習レベルの目安としては参考になるかと思います。

共通テストから読み解く歴史総合、世界史探究の学習法

以上が2025年共通テスト本試験の分析です。
次にこれを踏まえて具体的な学習法について紹介していきます。

世界史探究の学習法
  1. 歴史総合の対策は「ほどほど」に!
  2. 世界史は用語集の赤字を完璧に!
  3. 歴史の大きなフレームを理解しよう!
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歴史総合の対策は「ほどほど」に!

「歴史総合、世界史探究」においては、高校課程で習う日本史知識が多く出題される可能性は低いといえます。傾向の変化に対応するために備えることは大切ですが、歴史総合の教科書に記載された事項をしらみ潰しに覚えようといった学習は、徒労に終わることでしょう。
優先順位としては、まず世界史分野を完璧に。その次に世界史教科書に記載された日本史知識。最後に歴史総合の日本史分野、という形が望ましいです。

世界史は用語集の赤字を完璧に!

世界史分野に関しては、「共通テストレベルの知識」の基準が分からなくなったら、一応の目安として「用語集の赤字」を参考にしましょう。その意味では、用語集の頻度や章立てなども連動した山川出版社の世界史一問一答を併用するのがおすすめです。

歴史の大きなフレームを理解しよう!

私大入試の正誤問題のような、いわゆる「細かい知識」は、ほとんど要求されません。用語集の赤字を着実に拾いつつ、大きな歴史のフレームをつかもうとする姿勢が大切です。よく言われる「5W1H」を意識しながら、各単元の概略を自分で説明できるか試してみることをおすすめします。

高2生もこれまでの知識を駆使して今年の問題に取り組んでみる

いかがだったでしょうか?
現在高2の皆さんも、これまで学校等で履修した科目の知識を駆使して、ぜひ今年の問題に取り組んでみましょう。現時点で40〜50点取れたら大したものです。

▼動画での講評・全問解説はこちら(「すずゆうチャンネル」)

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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