
どうも, みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
今回は2025年度(令和7年度) 共通テスト数学IIBC の出題内容から今後の勉強の仕方や意識すべきことを改めて考えてみましょう。
2025年度共通テスト(本試験)の問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。
2025年度共通テストIAに関してはこちらを参考にしてください。
目次
2025 年度(令和7年度) 共通テスト数学IIBCの設問別ポイント
共通テストIIBCは試験時間が70分で, 第1問~第3問が必答問題, 第4問~第7問の中から3問を選んで解答するテストです。
問題によっては設定の文章が長いので素早く状況を把握しなければなりません。また,70分で6問を解くことになるので頭の切り替えも重要になってきます。
2月6日に平均点の発表があり, 数学IIBCは51.56点でした。
ちなみに,2024 年の平均点は57.74点でした。
それでは今回の共通テストの内容について見ていきます。
第1問 三角関数
「\(\sin \alpha=\sin\beta\)」の形の方程式が題材で, 誘導は丁寧でした。三角関数の方程式や不等式の解を単位円を利用して解くことを理解しておく必要があります。最後の「\(\cos\alpha=\cos\beta\)」の形の方程式には誘導がないので, ここまでやってきたことを$\cos$でも考えてみようという出題でしょう。
このタイプの方程式の経験の有無で難易度が変化する問題でした。
第2問 常用対数の利用
常用対数を表から読み取り, 近似値の計算などを行う問題でした。文章がやや長いですが誘導はしっかりついています。文章を把握して立式できれば, 対数の基本的な計算で解答できます。また, 常用対数表では$\log_{10}1.00$から$\log_{10}9.99$までしか載っていないため, 真数が$10$を超えるときなどには注意が必要です。
第3問 微分積分
導関数を利用して関数の極値やグラフを考える出題でした。$(1)$は基本計算でしたが, $(2)$は抽象関数についての考察なので考えにくさはあったかもしれません。誘導は丁寧なので, 導関数の符号で関数の増減が決まることや定積分で面積が求められることなどの意味を考えて解答を進めていきたいです。
第4問 数列
指定された領域内にある$x$座標と$y$座標が整数である点の個数を計算する問題でした。(1), (2)から$\sum$の計算で求められることが分かるので解答の方針は立てやすいと思います。
第5問 統計的な推測
出題内容は教科書レベルであり, 公式が使えていれば完答できる問題のセットでした。母平均に関する区間推定と仮説検定は頻出テーマです。今回の仮説検定では片側検定でした。推定や検定でよく出てくる1.96などの値は覚えてよいですが, なぜこの値になるかを理解しておく方がよいです。
第6問 空間ベクトル
空間内の球面上の3点で正三角形が作れる条件に関する出題でした。誘導に従って成分計算していけば解答できる問題なので方針で迷うことはなさそうです。文字を含んだ計算がやや煩雑なので速度と精度を意識して計算したいです。
第7問 複素数平面
複素数平面上での偏角の計算から垂直に交わる条件を考える問題でした。また, 式が表す図形を選択する問題もありました。誘導が丁寧で与えられた計算をしていけば解答できるような出題でした。
総括
以上が2025年の共通テスト数学IIBCの出題の内容です。
誘導が丁寧で計算量も多くはなく, 時間をかければ解きやすい問題のセットでした。試験時間が70分で, 文章が多いので効率よく解き進める必要があります。
今回の共通テストと昨年までの共通テストのポイントをまとめ, 今後どのように勉強すべきかを次で考えてみましょう。
これから共通テスト対策として取り組みたい勉強法
さて, 今回の共通テストIIBC の出題のポイントを整理してみましょう。
- 教科書レベルの基本計算と解法の理解
- 表から近似値を選ぶ
- 設定の複雑な問題を, 誘導に乗って解く
定義や性質に関する出題があるので教科書の理解は必要不可欠です。
また, 試験時間70分で解答すべき大問数が6問なので要領よく解き進めることが必要になります。
参考までに昨年のポイントを振り返ります。
- 複数のグラフの比較
- 数学的に言えることをきちんと選べる
- 式を選択肢から選ぶ
- グラフの特徴を利用する
- 設定の複雑な問題を, 誘導に乗って解く
- 式から読み取れることを選択肢から選ぶ
- 1 つの問題に対して2 つのアプローチを考える
今年は昨年のような「数学的に言えることを選ぶ」問題や「式から読み取れることを選ぶ」問題などはありませんでした。これらの対策は昨年の記事を参考にしてください。
以上を踏まえ, どう勉強するか考えてみましょう。
教科書内容の知識や理解を徹底する
共通テストや一般入試において, そもそも教科書内容の知識や理解は必要になります。
教科書にあるような基本計算はできるようになっていることが大前提で, その上で方程式や不等式の解, 関数の最大値と最小値については内容の理解が求められます。ただ答えが出せるというだけではなく, それが正しい根拠を明確にして日々学習して下さい。
例えば, 三角関数の方程式に関しては, 教科書に単位円による説明とグラフによる説明がされています。したがって, 単位円による解法とグラフによる解法の2つとも理解しておきたいです。
普段担当されている先生や参考書等の模範解答の再現を目標にしましょう。
一般的な受験勉強で入試頻出テーマをおさえる
教科書の内容を理解したうえで, 入試頻出テーマである問題は経験しておきたいです。例えば, 基礎問題精講などの問題集を使って演習量を増やしましょう。
今後も入試頻出テーマが題材になる出題が予想されます。1冊の問題集を完璧に仕上げましょう。
模試や過去問を通して時間配分や出題形式に対応する
共通テストは日頃の学習ではあまり触れる機会のないような出題形式であったり, 時間制限が厳しいテストです。これらの対策は模試や実践的な問題集, 過去問を利用しましょう。
時間配分や長い文に対応する力は, 数学の学力がある程度ついてからの方が効率が良いです。知識や経験が増えれば問題から読み取れることを変わると思います。
新課程になり配点等が過去のものとは違う部分があるので, 過去問では時間配分より出題形式に慣れることを目的にした方がよいと思います。
また, 最初のうちは時間制限なしで目標点が取れるように練習しましょう。時間をかけて出題形式に慣れ, ある程度点が取れるようになってから70分でどう解くかを対策してください。
共通テストの出題形式に慣れることを目標とした場合以下のポイントを参考に解き直しをしてください。
- 表から近似値を選ぶ
- 設定の複雑な問題を, 誘導に乗って解く
これらは日頃の勉強では触れる機会の少ない出題形式です。模試で点数を取りたい気持ちも分かりますが, すべては本番のためということを忘れずに。初見で解けない問題でも, きちんと復習して本番に備えましょう。
①表から近似値を選ぶ
上でも触れましたが, 常用対数表では$\log_{10}1.00$から$\log_{10}9.99$までしか載っていないません。
つまり, 例えば$\log_{10}11$の近似値を求めるときは$$\log_{10}11=\log_{10}10\times1.1=1+\log_{10}1.1=1+0.0414=1.04144$$としなければいけません。
また, 第5問で区間推定や仮説検定をする際, 信頼度や有意水準が普段考えているものと変わる可能性があります。よく見る1.96などの数値は覚えてほしいですが, なぜその数値になっているのかを理解し表から読み取れるようにしましょう。
②設定の複雑な問題を, 誘導に乗って解く
共通テスト型の問題を解くときに意識したいのは「誘導がある」ということです。
具体的な指示や考えるべきことが明確になっている部分に注目しましょう。
誘導のない問題は難易度が高いので, そもそも数学の学力が必要になります。
まずは基本的な問題や誘導がある問題をきちんと解答できるようにしましょう。
2025年度共通テスト受験生が意識しておきたいポイントまとめ
今回は2025 年度(令和7年度) 共通テスト数学IIBC の出題内容と今後の勉強の仕方や意識すべきことについてお話ししました。
まずは数学的な基本事項の理解を目指し, 学力がある程度ついてきたら出題形式に慣れましょう。
しっかり時間をかけて日々の学習に励んでください。
それでは, 今回はこの辺で!