【受験生・高1高2生】数学IAをいつまでに全範囲終わらせるべきか

こんにちは。数学講師の大塚志喜です。

今回の記事では、数学IAをいつまでに終わらせるべきかを考えていきたいと思います。
受験生と非受験学年でだいぶ考え方が変わってきますから,記事では受験生と非受験学年に分けてお話ししていきましょう。

広告

高1・2生は急いで終わらせることよりも満遍なく力をつけることを意識するべき

まずは高校1年生と2年生のみなさんにお話ししていこうと思います。

結論から言いますと,みなさんは急いで終わらせることよりも,受験勉強に入る前までに全分野満遍なく実力をつけて受験勉強期間を迎えることのほうがはるかに大切です。

数学ⅠAを「暗記で乗り切る」には限界がある

受験生でもそうですが,一番大切なのは「やった」という事実でなく「できるようになっている」という成果です。受験では正直,数学IAよりも数学ⅡBC,数学ⅡBCよりも数学Ⅲのほうが,得点が取れるようになるだけなら手っ取り早いんです。

なぜかというと,とにかく暗記で乗り切れるタイプの問題がたくさんあるからです。しかし,すべての問題を完璧に覚え切って受験を迎えるなどまず普通は不可能です。必ずどこかで限界が来ますし,なによりも暗記で乗り切れるタイプの問題が「多い」だけです。

広告

初見の問題でも解けるような「暗記だけに頼らない解答力」を身につける

模擬試験を受けたことのある方ならよくわかると思いますが,入試では今まで見たことのないような問題に出会うことが多々あります。その問題を解けるか解けないかで合否が分かれるようなことが日常的に起こります。

なので,しっかりと受かるための数学力をつけようと思ったら,初見の問題でもしっかりと解けるような,暗記だけに頼らない解答力をつけていかなければなりません。

数学ⅠAで学ぶ事項は数学ⅡBC,数学Ⅲの基礎になる

そのためには,ちゃんとした土台の知識や技術が必要不可欠です。数学IAで学ぶ事項はそのどれもが数学ⅡBC,数学Ⅲの問題を解くための基礎になっています。

例えば因数分解。これがスムーズにできなければ数学Ⅱの積分の問題で苦労します。2次関数の最大値や最小値を求める技術はもうほぼ全分野で使います。
三角比の考え方や使い方,図形の性質がよくわからなければ,三角関数やベクトル,それを用いた数学Ⅲの微積分で苦労します。場合の数や確率,データの分析がよくわかっていないと,数学Bの統計分野で苦労します。

このように,数学IA分野をおろそかにしておくと,その後確実に困るように数学のカリキュラムは組まれています。

受験勉強を始める「前」までに,数学IAの内容を理解する

なので,みなさんの目標は,

受験勉強を始める「前」までに,数学IAの内容を理解すること

です。ここでいう内容を理解するとは,

  • 知らない用語と記号がない(説明しろと言われたら,それを知らない人が理解できる程度に説明ができる)
  • 教科書に載っている例題,問題が難なく解ける

状態にあることです。

広告

前者は見たことのない問題が解けるようになるために,後者は最終的に答えを出す計算などに使います。このどちらか一方でも欠けていると,受験勉強を始めてからとても苦労することになります。受験生になってから無駄な時間を過ごさないためにも,受験勉強に入る前までに上のような状態を目指してください。

ⅡBCに関しては,数学IAの土台さえしっかりと身についていれば受験勉強に入ってからでもまだ間に合います。とにかくスタートまでの最低ラインとしてここを目指しましょう。

受験生なら本番までのスケジュールから逆算して考える

さて,それでは受験生向けのお話に入っていきましょう。

受験生でこの記事を読んでいるということは,おそらくまだ数学IAはにはそれほど自信がない状態なのではないでしょうか。もう受験生ということであれば,残された時間はそう多くありません。多少負担が大きくなっても,あまり時間をかけずに効率よく学習していく必要があります。

そのためには,受験本番までのスケジュールから逆算して考えていくといいのではないかと思います。

受験本番までの一般的な数学ⅠA学習スケジュール

まず,1月に共通テスト,共通テストが終わってから私立大学の入試が続き,2月の終わりに国公立大学の前期試験があります。まずは共通テストに向けて対策をしていかないといけません。

だいたい夏期講習が終わって,2学期に入るあたりから共通テストの形式の学習に入るのが一般的です。したがって,そこまでには数学IA の土台の学習は終わらせておかなければなりません。

数学Ⅲを使う/使わないによって数学ⅠAの学習を終わらせるべき時期が異なる

では8月までに終わらせればいいのかというと,ここは人によります。

数学Ⅲをもし使わないのであればそれでもいいのですが,もし使うのであれば,夏は数学Ⅲの入試レベルまでの完成が理想になります。なぜならば,9月からは共通テストの対策が始まり,どうしても数学IAⅡBCに勉強のウエイトを持っていかれてしまうからです。

ということで,受験生にとっての理想的な最低ラインは,

  • 数学Ⅲを使う……1 学期(7 月中旬,できれば6 月中)までに完成
  • 数学Ⅲを使わない……夏(8月中)までに完成

となるのではないでしょうか。

広告

4月から受験勉強を本格的に始めた方にとってはかなりハードなスケジュールになるかとは思いますが,ここでハードになってしまう原因は,今まで数学IAの習得を他所に置いておいたことだと思います。自分の目標を達成するために,しっかりと努力を惜しまず突き進んでください!

合格に必要な実力を身につけるために、まずは行動を起こす

今回の記事はいかがだったでしょうか。

完成という言葉を用いて色々とお話をさせていただきましたが,実際のところ完成なんてありません。数学にはまだ終わりがありませんから。ただ,それを言っていては何も始まりません。

受験本番までに,合格に必要な実力まで自分をもっていくことが,みなさんにとって一番大切な目標ですよね。そのためには,まず行動です。その行動を起こすための目標の一つを,今回提示させていただきました。

一人で黙々と継続するのは本当に大変なことです。信頼できる先生や仲間と,目標が達成できるように頑張ってくださいね。
それではまた次の記事でお会いしましょう。

広告

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事