こんにちは、安田です。
夏が終わると、いよいよ受験生は追い込みの時期です。各科目とも、総仕上げや過去問演習に入っていくと思います。
漢文の学習は順調ですか?
夏までは他の科目に時間を注ぎ込んでいて、手が回っていないという人もいるのではないでしょうか。
「もう試験本番まで時間がないけどなんとかしなきゃいけない」という人のために、この秋から試験当日までになにをどうしていくべきかをお伝えできればと思います。
今回紹介する「秋から始める漢文学習」の流れは以下の3つです。
- 自分の到達すべきレベルと欲しい点数を明確にする
- 問題集を効果的に使って重要ポイントを最優先で押さえる
- 過去問演習をする
試験本番までに漢文に使える時間はそれほど多くないものです。自分が欲しい点数を理想通りに取る、というのは、難関大を受ける人ほど険しい道のりになります。
備えている受験生は高1、高2の時からコツコツと力をつけて万全にしてきます。わずか数ヶ月でそういう人たちと近いレベルで張り合うのは困難ですが、嘆いている暇はありません。今すぐにしっかり時間を投じて勉強しましょう。
目次
自分の到達すべきレベルと欲しい点数を明確にする
残された少ない時間の中でなんとかしなければならないのであれば、まずは自分がどのレベルまで漢文をできるようにすべきかをはっきりさせましょう。
東京大学の2次試験で安定した得点が欲しいのか、共通テストで7割くらい取れればいいのか。
目標によって取り組むべき時間やテキストが変わってきます。闇雲にスタートするのではなく、目標を明確にし、やるべきことをすべて整理してスケジュールに組み込んだ上で取り組んでいくのが効率的です。
漢文の目標得点を決める際には現実的な目標を設定する
このときに注意したいのが、今まで漢文に手を付けていなかったのですから、過度に高い点数を取る目標を立てないことです。
これまで勉強時間をかけてきた自身の得意科目でしっかり稼いで、漢文については6割取れれば全体としてOKというような、現実的に可能性が高くなる作戦を立てましょう。
問題集を効果的に使って重要ポイントを最優先で押さえる
時間がない中でなんとかするためには、要点がまとまっている句形ドリルや問題集をフル活用して、重要ポイントを最優先で押さえながら過去問演習に入る前段階を固めましょう。
基礎を身につけるために活用したい問題集
まずは句形については標準的なドリル形式の問題集で触れ、重要なものを「知らない」という状態から脱しましょう。いくつか読解の演習も載っているものがいいと思います。
覚えるべきポイントをまとめてくれていて、語りかけてくるような文章を読み進めることが合う人であれば以下のテキストもおすすめです。
いずれか1冊で構いません。あれこれやるより、1冊をやりきって頭に全部詰める、くらいの心意気で取り組みましょう。日々しっかり勉強時間を確保して、本気でやれば1ヶ月もかからないと思います。
読解演習のために活用したい問題集
共通テスト対策であれば、次の中から1冊選んで、句形や語彙の確認をしながら丁寧に進めていくとよいでしょう。
漢文は共通テストだけ、という人はこの1冊をしっかりやったら共通テスト・センター試験の過去問演習に入って経験値を積んでいきましょう。
いずれも難易度は高めです。志望大学によってはこのレベルの演習も欠かせません。いずれか1冊は確実に頑張りたいところで、記述主体の学習をするのであれば『得点奪取漢文』に取り組めるといいです。
最後に、過去問演習で志望校に近づける
共通テスト過去問は、漢文だけでなく現代文や古文もまとめて、全問通しで行
自分の志望大学・学部の過去問を、やはり国語全体で通してやっていきましょう。直近の数年だけでなく、大学によってはもっとさかのぼって取り組むのも効果的です。
そもそも、漢文は短期間で「間に合わせられる」のか
結論から言うと、「そんなに甘くない」です。
多くの受験生にとって、漢文は共通テストで必要になる科目でしょう。また、国公立大学の2次試験や私立大学の一般入試でも必要になる人は少なくないと思います。
受験で結果を出すために、漢文では何を学習して身につけなければならないか。
おおむね以下のように整理できます。
- 文構造と訓読ルール、返読文字・再読文字を覚える。
- 漢字・語彙を身につける(大学受験の標準的なレベル)。
- 基本的な句形を覚える(15種類ほど)。
- 実践問題で演習を積む。
(上記4点のうち、②・③・④は並行して進めていくことになります)
それなりの高得点を狙うとなれば、問題集ベースで考えても「2~3冊+過去問」くらいは必要になる人が多いでしょう。そうなると、あと半年を切っている状況で、そこまで配点が高くない漢文にそんなに時間を回せるか。多くの受験生にとって、答えはNOでしょう。
いかに全体の覚えるべき分量が少ない科目といえども、漢文をわずか数ヶ月でほぼゼロの状態から受験で戦えるレベルまで上げるのは至難の業です。受験はそんな甘いものではありません。
ですが、悔いている暇はありません。目標に向かって、残りわずかな時間、1点でも多く取れるように必死になって頑張ってください。