現代文の読解で「誤読」を防ぐために取り組むべきこと

いよいよ新学期です。

このタイミングで,ここからの1年間どのように学習を進めていくべきか,現代文の学習イメージをざっくりとでも掴んでおきたいところですね。

今回は1年間の学習イメージをざっとではありますが,まとめて掲載しておきたいと思います。
※これまでに掲載した記事と重なる部分もかなりあるので,ダイジェストのような感じになるかもしれませんが,ぜひそれぞれの記事も参照してみてくださいね。

現代文学習は「自分でできる」状態を目指すのが大前提

大前提として,ただ単に「わかる」「理解できる」だけでなく、「できる」「使いこなせる」状態を目指したいものです。

納得するだけで終わるのではなく,「どうやったらここに注目できるのだろう」「どう考えればこの解答になるのだろう」という点をきちんと確認し,それを演習するときに生かす。

語彙についても,「意味がわかる」だけでなく「自分でその語句を使うことができる」ことを目指しましょう。

語彙力・読解技法・前提知識を身につける

私の記事の中では毎回のように書いているので,もはやしつこい感もありますが,現代文の学習でまず身につけていきたい力は3つあります。

現代文で身につけるべき3要素
  1. 語彙力:漢字・単語・熟語・故事成語・ことわざ……
  2. 読解技術:「読み解く」技術・設問を「解く」技術……
  3. 前提知識:文章テーマに関する最低限の知識

この3つについての概要やおすすめする参考書は,以下の記事に詳しいのでこちらもぜひ参照してください。

「わかったつもり」に要注意

特に,現代文が得意だという人に注意してほしいことの一つが文章の誤読。
こんな話を受験生から聞いたことが何度かあります。

直前にやったテーマの文章が出題されたので,『知ってる』と思ってさらっと文章を読んで,さらっと問題に解答していったおかげで古典に十分な時間を回せました。手応えも十分でした。でも,ほとんど間違えていたんです

これ,きっと珍しい話ではないと思います。

どうして誤読が起こるのでしょう。

現代文で「誤読」を避けるためには知識を「適切に」当てはめる

私たちは文章を読み解く際,多かれ少なかれすでに持っている知識を当てはめながら理解しているはずです。

たとえば,夏目漱石「坊っちゃん」のこの記述。

小学校に居る時分学校の二階から飛び降りて一週間ほど腰を抜かした事がある。

これを読んで,

「え? 二階から飛び降りたら腰を抜かす(立てなくなる)の?」

と思いましたか?

「なんで飛び降りたの?」とは思っても,「二階から飛び降りたら腰を抜かすの?」とは思わないのではないでしょうか。
なぜでしょう。

それは,「二階から飛び降りたら,少なくとも大怪我をする」という知識があるから。

要は,私たちは普段無意識のうちに「自分がすでに持っている知識」を活用しながら文章を理解しているんですね。

知識「だけ」で解くことは避けた方が良い

「知っている」はずの文章テーマだったにも関わらず,ことごとく間違えてしまった原因の一つが,この「知識の活用」にあるのではないかと思います。

つまり,知っている内容だったからこそ

・自分の持っている知識「だけ」で読み流した。
・本文中のある部分を読み飛ばした。
・知っている内容に合うように理解(都合の良い解釈)。

こんなことになっていたのではないかと考えられます。

もちろん,前提知識はあるに越したことがないですし,知識があまりにも足りない場合は文章理解が相当苦しくなります。
しかし一方で,知識「だけ」で解くのではなくあくまで「文章を読んで」問題を解くことを心がけていきたいものです。

誤読を避けるために復習の仕方を考える

では、誤読を避けるためには一体どのような学習に取り組む必要があるのでしょうか。
その鍵は現代文の学習をした後の「復習の仕方」にあります。

本文の確認を忘れずに行う

先ほどの「誤読を避ける」と関連して,復習の仕方にも注意を向けておきたいところです。

問題演習の後,間違えた設問の解き直しや復習に取り組んでいる人は少なくないでしょう。

では,本文の確認は……?
本文の読み直し,本文内容が理解できているかの確認となると,取り組んでいる人とそうでない人がいるのではないでしょうか。

自分の読解は正しいかどうか確認し、不安な語句を調べる

もし,これまで復習の際に本文の確認をしてこなかったという人は,授業や問題演習などの復習をする際,本文読解の確認も欠かさず行ってみてください。

授業では本文の内容についても解説されていることでしょう。
また,「読み方」を解説している参考書はもちろんのこと,多くの過去問,模試や問題集にも「本文解説」「本文要約」が付いているものです。

それらを参考にしながら,もう一度読み直し,自分の読解が妥当なものかどうか確認してみることをお勧めします。

そしてその際,「本文を読み直してみて,引っ掛かりを覚えた語句」についても確実に辞書などで調べ,習得していきましょう。

 

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