2024年度共通テスト英語(リーディング)から見る新受験生の学習指針

こんにちは。由良です。
2024年に行われた共通テスト英語リーディングの問題を分析し、高1生や高2生に今の時期からできることをお伝えしたいと思います。

2024年度共通テスト(本試験)の問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。

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2024年度 共通テスト[英語(リーディング)]の総評

2024年度共通テスト英語(リーディング)全体の特徴は以下の通りです。

共通テスト英語(リーディング)の特徴
  • 相変わらず時間の制約がかなり厳しい
  • 大きな枠組みで時間配分を意識する必要がある
  • 先に設問を読み、3ステップで問題を解く戦略が有効

詳しく見ていきます。

相変わらず時間の制約がかなり厳しい

昨年に続き難化したといわれている共通テストの英語リーディングですが、具体的に何が難しいのでしょうか。

2024年度の問題は80分で大問6題、6,200語以上を処理しなければならない問題でした。
これはあらゆる大学入試の問題で「最も時間が足りない試験」であり、共通テストの難しさはここに詰まっています。

問題の難易度の高さよりも、「短い時間で大量の情報を処理しなければならない」点が難易度を引き上げているわけです。通常の読解問題と同じ解き方をしていると解き終わらないという現象が起こってしまうでしょう。

良いか悪いかはさておき、高得点を狙うには「共通テストに向けた解法」を意識する必要があります。

大きな枠組みで時間配分を意識する必要がある

目標時間を設定することは重要ですが、問題を解いているときは時計とにらめっこしながら解くわけではないですよね?

「第1問~第3問で25~30分、第4問~第6問で50分」という大きな枠組みを意識するのが有効でしょう。

先に設問を読み、3ステップで問題を解く戦略が有効

通常の読解では「読む→設問を見る→解答根拠を探す→選択肢を落とす→解答する」という5つのステップで答えを出すことが多いと思います。実際、この手順が最も正確に処理をすることができるでしょう。

しかし先述の通り、共通テストは時間の設定がかなり厳しく、5つステップを踏むほど時間に余裕がありません。
そのため「設問を見る→読む→解答する」の3ステップで問題を解く意識を持つようにしましょう。

設問を見るときに「何を答えるべきなのか」をしっかりと押さえたうえで文章を読むことが重要です。

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2024年度 共通テスト[英語(リーディング)]設問ごとの傾向

ここからは,それぞれの設問を見ていきましょう。

第1問 A:イベントのお知らせ文の読解

第1問はA・Bどちらも設問に合う情報を文章から探し出す問題です。

Aは昨年度と表面上は文章の形式が多少変わり、共通要素を選ぶ問題がなくなりました。

問1は設問文から「無料でイベントに参加するために何をしなければならないか」を問う問題だとわかるので、事前に選択肢を読んでから読み始めたほうが良いでしょう。

選択肢を見るタイミングも戦略的に

その一方で問2のような全体内容に関連するものは先に選択肢を読んだとしても、解答するタイミングでもう1度選択肢を見たくなるものです。

したがってこちらは選択肢の内容は後回しにするようが得策と言えます。

第1問Aに限った話ではないですが、このように問われる内容が具体的な問題は先に選択肢を読む、全体内容を問われる問題は文章を読んでから選択肢を読むというようにできる限り無駄な時間を無くすような戦略を立てましょう。

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第1問 B:日帰り旅行のお知らせ文の読解

Bでは問2で3つのイベントの共通点を問う問題が出題されました。

このように共通点や相違点を問うてくる問題は先に選択肢を読み頭に入れたうえで文章に進むと時間を節約することにつながるでしょう。

第2問 A:チラシの読解

Aは部活動の勧誘を目的としたチラシを読み、その情報や顧客のコメントを読み取る問題でした。
昨年度と同じように、今年度も”opinion”を問う問題が出題されています。

そもそもopinionは「人によって異なるもの」を指します。
先に選択肢を読み、それぞれの選択肢が「人によって異なるのか、それとも誰にとっても同じなのか」を分析するようにしましょう。

また文脈から推測しなければならない問題も出題されており、文章内容は比較的易しいものの、解答するのに思った以上に時間がかかってしまった受験生もいたのではないでしょうか。

第2問 B:レビューの読解

Bは海外旅行に行く際の保険についてのレビューを読み取る問題でした。

こちらでも“opinion”を問う問題や文脈から推測する問題が出題されています。

第3問 A:ブログの読解

Aは写真撮影ラリーに参加した人のブログを読み取る問題です。
注意書きがついたことにより、読まなければならない語数は増えました。

また問1ではブログに掲載されている写真を選ぶ問題が出題されており、それぞれの写真の特徴を瞬時に判断する必要があります。

第3問 B:学級新聞の読解

Bは南国の島への旅行に学級新聞の記事に関する読み取る問題でした。
例年通り時系列を整理する問題が出題されています。

この問題は先に選択肢を読んでおいて、出てきたタイミングで順番を決めていくほうが良いでしょう。

ただし、後から順番が変わってしまうこともありますので、「時間を表す表現(=〇〇なとき)」や「動詞の形(=過去完了形など)」に注意しながら読み進める必要があります。
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第4問 複数テキストの読解

第4問では良い教室空間を作ることに関しての記事とそれに関連するアンケート結果を読んだ上で資料を完成させる問題でした。

細かな数値分析が必要な設問は出題されていないですが、アンケート結果にはグラフも記載されており、グラフとコメントを一致させる問題が出題されています。

文章とグラフを絡めながら読むということはあまり慣れていない受験生が多いでしょう。

そこまで複雑な作業を必要としているわけではないものの、グラフを見るだけで難しいと感じないように、出題形式は異なりますがセンター試験の過去問などを活用しつつグラフに慣れることが必要です。

第5問 物語文の読解

今年度の第5問は物語文の読解でした。

昨年度と設問形式の大きな変化はなかったものの、単語数が大幅に増加したこともあり、面食らってしまった受験生も多くいたのではないでしょうか?

高校を卒業して20年経ち再会した3人の登場人物についての物語であり、物語文特有の回想シーンが散りばめられており、問1(出来事の順番を並び替える問題)ではかなり苦戦することが予測できます。

ノートの問題は「何が問われるのか」を理解した上で読み進めていく

第5問にはノートがついており、そのノートの空欄を埋めていく形式で設問が進んでいくので、あらかじめ何が問われるのかを分かったうえで読解を進めていくことが重要です。

物語文は受験生が勉強する機会が論説文や説明文と比べると少ない形式の文章です。
今後センター試験の過去問や私立大学の過去問などを使い、物語文を読むことに慣れていく必要があるでしょう。

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第6問 A:説明文の読解 B:説明文の読解

Aでは人による時間認識の違いについての説明文を読み取り、ノートを埋める形式の問題が出題されました。

A・Bに共通することではありますが、まずノートを熟読することで話の内容を大枠で理解してから文章を読むことが重要です。

Bでは「唐辛子」についての説明文を読み取り、プレゼンの資料を完成させる問題が出題されました。
本文中では直接言及がされていないものを推測しなければならない問題もあり、受験生を苦しめたのではないでしょうか。

高校1・2年生に“今”意識してほしいこと

これまで共通テストの問題を使って“解き方”のような話をしてきました。

しかし、今の時期から意識してほしいことはいわゆる「共通テスト対策」的な勉強ではなく、「当たり前のことを当たり前にできるようにする」ということです。

共通テスト(英語リーディング)対策のポイント
  1. 語彙力の強化
  2. 速読よりも精読を意識する
  3. 文章の内容を覚えて解く訓練を積む

では具体的に見ていきましょう。

①語彙力の強化

共通テストは第1問から第6問まで全て読解問題で構成されています。
そのため語彙力の強化は必須です。

時間の制約が厳しいことも考えると、本番読みながら単語の意味を思い出そうとしたり、予測しようとする余裕はないと思っておきましょう。

そのため単語帳や熟語帳を使って語彙を覚えきることは必須と言えます。
これは共通テストに限ったことではなく、国公立大学や私立大学の一般入試や外部試験を利用する人すべてに言えることです。

目標としては高3の夏の終わりまでに少なくとも単語帳1冊は完璧に覚えたと胸を張れる状態を作ることを目標としましょう。

②速読よりも精読を意識する

時間を意識すると、自ずと「速読」をしようとすると思いますが、1度立ち止まって考えてみましょう。

ゆっくりと正確性を意識してできないものを速く正確にできるのでしょうか?

共通テストに合わせた対策(いわゆる速読)の訓練は高3の秋以降で十分間に合うでしょう。
そこまでに1文1文を正確に読める状態を作り出しましょう。

「SVOCを書く」や「括弧をつける」、「スラッシュを引く」等様々な方法論がありますが、根本にあることは「文法に忠実に、かつ正確に英文を理解する」ということです。

学校や予備校の授業でも英文や文章に触れる機会は多いと思いますので、まずは「1文が正確に理解できているか」に焦点を当てた勉強をするようにしましょう。

③文章の内容を覚えて解く訓練を積む

普段の勉強で長文読解に取り組む際、文章の内容をできるだけ覚えて問題を解く訓練をしてみましょう。

共通テストでは設問に解答するときに何度も戻って確認する時間がありません。
特に全体内容の問題は読み切ったときの記憶にある程度頼らないと時間内に解ききることは難しくなります。

これは難易度の高い文章よりも、比較的簡単な文章で行うほうが良いです。
今から簡単な文章は内容を覚えて解く訓練をすることで、共通テスト対策を始めるときの負担を軽減することができます。

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漠然とした勉強ではなく、具体的な勉強から始める

さて、今年度の共通テストも終わり、次の共通テストまでのカウントダウンが始まりました。

とはいえ、「何から始めたら良いかわからない……」という高校生も多いことでしょう。
そんなときは抽象的な勉強ではなく、具体的な勉強から始めてみましょう。

「なんとなく時間がなさそうだから速読を意識して……」と漫然と長文読解の勉強を始めても正直なところ効果はあまりないでしょう。

それならば、「まずは単語を1日に〇個覚える」であったり、「英文解釈(=精読)系の問題集を1日〇個ずつ進める」といった具体的な勉強をしたほうが効果は高いです。

今の自分にできることを1つ1つ積み上げていき、この記事を読んでいる皆さんが受験生になったときに自信を持って私大の入試や国公立の2次試験に臨めることを心から祈っています。

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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