こんにちは。数学講師の大塚志喜です。
今回の記事では、数学がなかなか得意になれないのに理系に進みたいと考えている学生の皆さんに向けた記事になります。
近年は理系進学に人気があり,理系科目があまり得意ではないにも関わらず,理系進学を考える学生が多いように感じます。
将来の進路を考えてのことなのでしょうが,当然理系に進むなら理系科目をしっかりと身につけないと,理系を選んでも結局自分の希望の進路に進むことができなくなってしまいます。
今回の記事では,特に数学について前述のような学生の皆さんに取り組んでほしいことについてお話ししていきたいと思います。
目次
数学が苦手なら,得意にしてしまえばいい!
まず,結論からお話しします。
得意科目にしてしまえばそもそもこのような悩みはなくなります。
それができないから悩んでいるんだと思ったそこのあなた。
あなたが勉強しているそれは,本当に「数学」ですか?
数学はそもそも「問題を解くだけ」の学問ではない
まず多くの人が勘違いしているのですが,数学というのはそもそも「問題を解くだけ」の学問ではありません。
むしろ問題を解くのは最後の段階で,それ以前の部分が大切なのです。
その能力をしっかりと鍛えていけば,問題を解く能力は自然と後からいくらでもついてきます。
論理的な説明=全ての主張に客観的な理由がついた説明
ではもっと具体的な話に入っていこうと思います。
論理的な説明とは一体どのようなものなのか。
それは,「すべての主張に対して必ず客観的な理由をつけた」説明です。
その主張を繋いでいるものが,「理由」であったり「根拠」であったりします。
この「繋いでいるもの」があやふやな主張は,説得力を持ちません。
なぜならば,その主張が「正しい主張である」という根拠がなくなってしまうからです。
「論理的な説明力」は実社会でも重視される能力
皆さんが社会に出たら,どんな能力が必要とされるでしょうか。
どんな仕事をするにしても,相手に自分の考えを正確に伝えることが重要です。
つまり,論理的な説明力をつけるということは,実社会でも最低限身につけておかなければならない能力なのです。
まずは場合の数と確率から学習を始める
大前提として計算力は必要です。
数学I, Ⅱの展開や因数分解, 方程式や不等式などは確実に解けるようにしましょう。
その上で,まずは,場合の数と確率から学習を進めていくのがおすすめです。
全分野の中でダントツに結果を出しやすいです。
ただし,解き方を覚えてただ当てはめていくような学習の仕方をしていたら,しっかりとした能力は身につきませんし,何よりも,全く面白くありません。
数字や式の根拠を理解し、他人に説明できるようになる
大切なのは,出てきた数字や自分が立てた式の根拠をしっかりと理解し,それを他人に説明できるようになることです。
具体例を出してみようと思います。
5 人の中から2 人を選ぶ選び方は全部で何通りあるか。
さて,この問題を皆さんはどう解いているでしょうか。
しっかりと勉強している学生の皆さんは
だから,10 通りだ!
と思ったのではないでしょうか。
その通り正解です。
しかし,この問題についてこれで満足してしまうとよくないわけです。
2!の意味をオブラートに包まず説明できるか
質問を変えましょう。この数式の分母にある$2!$の意味を,オブラートに包まず説明できますか?
なぜ引き算を使わないのでしょうか。
もっというと,なぜ割ることによってダブりが解消されるのでしょうか。
ここまでしっかりと説明できるようになって初めてC の記号を使う資格が生まれます。
数字や式の根拠を理解し、他人に説明できるようになる
数学の勉強は,本来ここから始まるべきです。
これでは得点に結び付かず,数学が苦手だ,嫌いだという方向に進んでいってしまいかねません。
これさえしっかりとすれば,あとはほぼ自動的に結果に結びついてきます。
初見の問題だろうと自分の頭で考えて解答することができるようになりますし,そして何より,自分の頭でしっかりと筋道を立てて考えて正解に辿り着くことがとても楽しく感じられるようになってきますよ。
数学が苦手な人は理系に進む前に「自分で考える」基礎を作る学習をする
今回の記事はいかがだったでしょうか。
絶対的に正しい学習の仕方など存在しません。
人によって合う合わないもあります。
今回記事で紹介した方法も,当然合う人もいれば合わない人もいるかもしれません。
しかし,絶対に間違っていると断言できる取り組み方は存在します。
覚えていないことに対する対処が一切できなくなってしまうからです。
しっかりと自分で考える基礎を作る学習をしていきましょう。
その後の自分を助けてくれる土台を固めていくことなのです。
まずは一つの分野から固めて,そこからじっくりと基礎の土台を広げて行ってみてはいかがでしょうか。
頑張ってくださいね。
それではまた次の記事でお会いしましょう。