2024年度共通テスト(日本史)から見る、高1・高2生の学習指針

こんにちは。日本史の河原です。

今回は2024年度の大学入試共通テストを踏まえて、新高3生や新高2生がどのような対策を行っていくべきか考えていきたいと思います。

なお、問題を解き、答え合わせをした上で読んでもらうと効果的です。
問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。

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2024年度 共通テストを踏まえた学習指針

はじめに今年度の共通テストを踏まえた学習指針を紹介します。

基本的な学習指針は昨年度と変わりませんが、より知識を前提とした問題が増えたこと、史料読解問題が増えたことを踏まえて、以下の6つを意識した学習を進めましょう。

共通テスト(日本史)対策のポイント
  • 基本的な日本史の実力をつける
  • 常に時期を意識した学習をする
  • 基本史料の学習から史料読解を意識する
  • 基本資料・初見史料問わずに史料学習を増やす
  • 近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する
  • 共通テスト特有の複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける

2024年度 共通テスト[日本史B]大問ごとのポイント解説

例年通り史資料の割合が高く、さらに並び替え問題や知識を前提とした問題が増加したことで、今年度の問題は昨年度よりやや難化した印象があります。

大問ごとにトピックとなる問題を中心に振り返ってみましょう。

第1問 印刷の歴史

問3は初見史料の読み取り問題ですが、織田信長だから楽市楽座の制を実施しているという思い込みで解くと正解を導き出すことができません。

昨年の第3問問3の撰銭令の史料問題と同じタイプの問題で、今後も先入観を排した正確な史料読解が求められる問題が出題される可能性は十分にあります。

史料に書かれていることに基づき正解を導く訓練をするようにしましょう。

第2問 日本古代の食物

問4は会話文の内容と写真・史料と複数の史資料を使った正誤判定問題です。

知識で解けない問題は必ず大問内にヒントが隠されているので、過去問等を使ってこうしたタイプの問題に慣れていきましょう。

第3問 中世社会の特色

問2は史料問題ですが、実は会話文にヒントが隠された問題でした。

「鎌倉幕府の出した法令は主に御家人を対象とした」「永仁の徳政令については,御家人以外の人たちも適用を求めたことがあったようだよ。」「支配する権力者たちは法の適用範囲を定めたけど、支配される人たちはそれを守るとは限らないわけか」という会話文を念頭におけば、それぞれの選択肢の正誤を判定できてしまう、史料の読み取りがほぼ不要な史料問題だったのです。

このように、共通テストでは、リード文がヒントになることが多々あります。必ずリード文を読み飛ばさずに解答するようにしましょう。

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第4問 近世の輸出入品と社会・経済との関係

問5は史料の内容読み取りと時期判断を必要とする問題でした。

後述するように、共通テストは時期判断を前提とする問題の比率が高いため、今後も問4のような史料を読み取った上で時期判断を求められる問題が増加する可能性があります。

第5問 明治に始まった生活様式・社会経済制度

問4は明治文化からの出題でした。

近現代思想史はセンター試験時代から受験生の正答率が低い傾向にあるので、しっかり対策しておきたい分野です。

第6問 二度の世界大戦後の日本と国際社会

問1は史料の内容とワシントン会議の内容を一致させる問題でした。

史料の読み取りだけなく、条約の内容を理解・整理しておく必要あります。

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共通テストに向けた日本史学習法

最新年度の共通テストの傾向を踏まえて、新高3生や新高2生がどのような学習をするべきか考えていきましょう。

共通テスト(日本史)対策のポイント
  • 基本的な日本史の実力をつける
  • 常に時期を意識した学習をする
  • 基本史料の学習から史料読解を意識する
  • 基本資料・初見史料問わずに史料学習を増やす
  • 近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する
  • 共通テスト特有の複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける

基本的な日本史の実力をつける

今年度の問題は、史料を読み取った上で知識が必要な問題など知識を必要とした問題が例年より増加しました。

①教科書レベルの基本的な知識はしっかり身につける必要があるでしょう。

常に時期を意識した学習をする

また、並べ替え問題など時期判断を必要とする問題が多いのも共通テストの特徴です。
②時期(時代や世紀)を意識した学習を常に心がけてくださいね。

並べ替え問題が苦手な方はセンター試験の過去問も使って対策すると良いでしょう。

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基本史料の学習から史料読解を意識する

今後も共通テストでは初見史料問題を中心とした史料読解が必要な問題が出題されるでしょう。そのため、日常学習から史料に慣れる必要があります。

まず日常学習で効果的なのが③基本史料の学習から史料読解を意識することです。
史料集などに掲載されている基本史料を註などを参照してどのようなことが書かれているか確認すると良いでしょう。

基本資料・初見史料問わずに史料学習を増やす

そのうえで、今年度は教科書に掲載されているような基本史料も出題されましたから、基本資料・初見史料問わず、④史料の演習を増やしていきましょう。以下の記事が参考になると思います。

近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する

今年度は第6問が国際社会に関する問題でした。
今後も⑤近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する必要があるでしょう。

共通テスト特有の問題への対応力をつける

最後に、第2問や第3問で取り上げたように、共通テストは他の問題の選択肢や前に出てきた会話文などが問題のヒントになることがあります。

問題を解答する上で知らない知識が出てきたら焦ることなく、前の小問を含む大問の中にヒントがあると考えて正解を導き出すようにしましょう。

2025年度共通テストに向けた日本史学習のポイントまとめ

今年度の問題は、より知識が前提となる問題が増加したことで、日本史の実力差がはっきりあらわれたかと思います。

独特の問題形式に惑わされることなく、現高2・高1生はしっかりと基礎を磨いてくださいね。

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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